ダニエル2:1-6, 27-34 『 ダニエル2 ネブカデネザルの夢 』 2014/05/11 松田健太郎牧師

ダニエル2:1~6、27~34
2:1 ネブカデネザルの治世の第二年に、ネブカデネザルは、幾つかの夢を見、そのために心が騒ぎ、眠れなかった。
2:2 そこで王は、呪法師、呪文師、呪術者、カルデヤ人を呼び寄せて、王のためにその夢を解き明かすように命じた。彼らが来て王の前に立つと、
2:3 王は彼らに言った。「私は夢を見たが、その夢を解きたくて私の心は騒いでいる。」
2:4 カルデヤ人たちは王に告げて言った。―アラム語で―「王よ。永遠に生きられますように。どうぞその夢をしもべたちにお話しください。そうすれば、私たちはその解き明かしをいたしましょう。」
2:5 王は答えてカルデヤ人たちに言った。「私の言うことにまちがいはない。もし、あなたがたがその夢とその解き明かしとを私に知らせることができなければ、あなたがたの手足を切り離させ、あなたがたの家を滅ぼしてごみの山とさせる。
2:6 しかし、もし夢と解き明かしとを知らせたら、贈り物と報酬と大きな光栄とを私から受けよう。だから、夢と解き明かしとを私に知らせよ。」

2:27 ダニエルは王に答えて言った。「王が求められる秘密は、知者、呪文師、呪法師、星占いも王に示すことはできません。
2:28 しかし、天に秘密をあらわすひとりの神がおられ、この方が終わりの日に起こることをネブカデネザル王に示されたのです。あなたの夢と、寝床であなたの頭に浮かんだ幻はこれです。
2:29 王さま。あなたは寝床で、この後、何が起こるのかと思い巡らされましたが、秘密をあらわされる方が、後に起こることをあなたにお示しになったのです。
2:30 この秘密が私にあらわされたのは、ほかのどの人よりも私に知恵があるからではなく、その解き明かしが王に知らされることによって、あなたの心の思いをあなたがお知りになるためです。
2:31 王さま。あなたは一つの大きな像をご覧になりました。見よ。その像は巨大で、その輝きは常ならず、それがあなたの前に立っていました。その姿は恐ろしいものでした。
2:32 その像は、頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、
2:33 すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。
2:34 あなたが見ておられるうちに、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。

ダニエルは、外国人に遣わされた預言者だという話を先週しました。
異教と、異文化の中で、ダニエルは影響を与えようとするプレッシャーや誘惑と戦いながら神様に仕える姿から、私たちはたくさんの事を学ぶ事ができます。
私たちもまた、99%がクリスチャンではないこの日本という国で生きるクリスチャンだからです。

さて、2章の初めには、“ネブカデネザルの治世第2年”と書かれています。
これは、ネブカデネザルがユダ王国を占領し、バビロン帝国の支配下に置いてから2年目という意味です。
だから、ダニエルが捕囚されてバビロン帝国に連れていかれてから、およそ3年後の出来事という事になります。
ダニエルはネブカデネザル王に仕えるために連れていかれてから、3年の間教育を受けたという事が書かれていたのを覚えているでしょうか?
ですから今日の聖書箇所で語られている出来事は、まさにこれからダニエルが、王の元で働くことになるというそのタイミングで起こった事件だったのです。

① ネブカデネザルの夢
それでは、この事件の全体像を見ていきましょう。
ある時、ネブカデネザル王は夢を見たわけです。
この夢はただの夢ではなく、何か意味のあるものだという事を彼は悟りました。
そして、そこの夢が何だったのかという事を考えるあまり、彼は眠ることができなくなってしまったのです。

ネブカデネザルは、国中の呪術師たちを呼び、夢の解き明かしをさせようとしました。
でも、その夢がどんな意味を持っているかなんていう事は、口から出まかせで何とでも言えます。
そこで彼は、自分がどんな夢を見たかという事も教えない事にしました。
しかし、本当に力を持つ人物であれば、自分が見た夢の内容でさえも言い当てる事ができるはずだとネブカデネザルは考えたのです。
そしてその夢を言い当て、解き明しをする事ができた者には多くの褒美を与える事にしました。
しかし、もしも言い当てる事ができないなら、手足を切り離して殺してしまうという宣言を、ネブカデネザルは国中に流したのです。

人の見た夢を言い当てる事なんて、誰にできるでしょうか?
もしも下手な事を言えば、たちまちにして殺されてしまいます。
バビロン帝国中の知者、呪術者、占い師たちは口を閉ざし、自分に声がかかるのではないかと恐れ、震え上がりました。
そこに、ダニエルが現れたのです。

ダニエルは、すぐにネブカデネザルが見た夢を言い当てました。

2:31 王さま。あなたは一つの大きな像をご覧になりました。見よ。その像は巨大で、その輝きは常ならず、それがあなたの前に立っていました。その姿は恐ろしいものでした。
2:32 その像は、頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、
2:33 すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。
2:34 あなたが見ておられるうちに、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。

ダニエルはさらに、この夢の解き明かしもしていきます。
それぞれのパーツが表しているのは、バビロン帝国とその後に続く王国です。
ネブカデネザル王が治めるバビロン帝国は、金の頭です。
しかしその後に別の王国が起こり、それはバビロン帝国より少し劣る銀の国、そして青銅の王国と続きます。
その後に起こるのは、強い武力を持った鉄の国です。
しかしその後には、強い鉄と弱い粘土が入り混じったような国が起こるのです。
この鉄と粘土の王国の時代に、神様は神の王国を作ります。
神様は鉄と粘土の王国を打ち砕いて滅ぼしますが、神の国は永遠に立ち続けるのです。
ネブカデネザルが見たこの夢は、神様が見せた正夢で、これから起ころうとしている事を、神様があなたに知らせたのだと、ダニエルは言いました。

それを聞くと、ネブカデネザル王はひれ伏してダニエルに礼をし、ダニエルに真実を教えた神を褒め称えました。
この功績によって、ネブカデネザル王はダニエルに高い地位を与え、多くの素晴らしい贈り物を与え、バビロンの全ての知者たちをつかさどる長官として任命しました。
これがダニエル書2章の中で起こった出来事の全体像です。

② 夢の中の像の意味
さて、ここで金の頭はバビロン帝国であるという事が言われているわけなのですが、夢の中に出てきた大きな像が表している他の国は、一体何を表しているのでしょうか?
バビロン帝国の次に起こる国というのは、ペルシャ帝国を指していると言われています。
そして、その次の青銅の王国は、ペルシャを倒したギリシャ。
鉄の王国は、武力が強かったローマ帝国を指していると言われています。
鉄と粘土が混ざった部分に関しては色々な説があって、はっきりした事を言う事はできません。
しかしダニエルは、少し気になる事を言っています。

2:28a しかし、天に秘密をあらわすひとりの神がおられ、この方が終わりの日に起こることをネブカデネザル王に示されたのです。

つまりこれは、終わりの日の事について預言している夢だったという事です。
最後の鉄と粘土の王国は神の国の到来とともに、打ち砕かれてしまいます。
だからここに描かれている鉄と粘土の王国は、世界の終わりにある王国の状態だという事ができるのでしょう。

終わりの時について書かれている黙示録には、ダニエル書の中にあるのと同じような表現がたくさん出てきます。
反キリストの王国として、大バビロンと呼ばれる国も黙示録には描かれています。
色々な意味で、神様がこの世界を滅ぼすときには、ダニエルの時代に起こっていた事と同じような事が起こるというのです。

とても興味深い事ではありますが、この鉄と粘土が混ざり合った国がどの国を表しているのかという事を詮索しても、あまり意味はありません。
それはすべて、今は隠されている事であり、神様がそれを隠している以上、私たちはきっと知ることができないからです。

さて、それにしても、謎が残ります。
神様はこのような事を、どうしてネブカデネザルの夢の中で表したのでしょうか?
ひとつには、ネブカデネザル王自身が寝床で、この世の終わりには何が起こるのかと考えていたという事もあるでしょう。(ダニエル2:29)
しかしそれ以上に、神様がこのタイミングを選んでこの出来事を起こしたのは、やはりダニエルがネブカデネザルによって認識され、バビロン帝国で力を持つためだったのではないでしょうか?
そして、ダニエルがこの異教の地で活躍することを通して、神様はイスラエルの民が解放されていく道を開いていったのです。

神様は、バビロン帝国で十分な働きをしていく事ができるように、たくさんの知恵と能力をダニエルに与え、必要な道をすべて拓いてきました。
そのような神様の助けがあるからこそ、ダニエルは様々な事から守られてきたのです。

私たちもまた、日本という異教の地で神様に仕える者として生きていくために、神様が必要なものを与え、必要な道を切り開いてくださいます。
神様が、異教の王に仕える預言者としてダニエルと言う器を選んだのと同じように、この日本の国に働く器として神様が選んだのは、私たちだからです。

力が足りない、能力が足りないと感じる事も少なくないかもしれません。
それでも私たちは、私たちを選んでくださった神様の選びと、私たちを助け導いて下さる神様の力を信頼して、その道を歩んでいく必要があるのです。
私たちは、召された場所にふさわしい力や能力を、必ず備えられているはずだからです。

③ 巨大な像が表している事
最後に、ネブカデネザル王が見た巨大な像の夢を通して、私たちが学ぶ事ができるもう一つの意味を見ていきたいと思います。
ネブカデネザル王が見た像が表している真理とは、いったい何でしょうか?
この像が表しているのは、人間の力、権威、財産が作り出すものです。

夢の中に出てきた像は、とても巨大でした。
頭は金で作られ、その華やかさと力強さは見るものを圧倒するようです。
しかしその像の首から下はどんどん悪いものになっていき、土台となるその足場は、鉄と粘土が混ぜられたもので、とても不安定で、もろいものでした。
これが、人間の作り出すものです。
一見どれだけ華やかに見え、力強く見えても、その土台はもろく、あっという間に崩れ去るものなのです。

私たちは、このような人の力、人の王国により頼んでしまってはいないでしょうか?
どんなに素晴らしい学校を卒業し、どんなに素晴らしい企業に就職し、どんなに素晴らしい地位につくことができたとしても、どれだけ安定して、どれだけ経済的に余裕があるように思っても、人の作り出すものは土台がもろく、あっという間に崩れ去るものです。
だから学歴や地位を持つべきではないという事ではもちろんありませんが、私たちが人の作る力により頼んでいるならば、やがて足元をすくわれて倒れる事もあるでしょう。
ネブカデネザルの見た夢は、このように終わっているのです。

ダニエル 2:34 あなたが見ておられるうちに、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。

人手によらずに切り出された石、それは家を建てる者たちに捨てられた礎の石、イエス様です。
人が積み上げた栄光の象徴であるこの像は、最後には打ち砕かれ、滅ぼされてしまうのです。

このようにも言われています。

ダニエル2:44 この王たちの時代に、天の神は一つの国を起こされます。その国は永遠に滅ぼされることがなく、その国は他の民に渡されず、かえってこれらの国々をことごとく打ち砕いて、絶滅しています。しかし、この国は永遠に立ち続けます。

神の国は、永遠に立ち続けます。
私たちは、一見華やかに見える人の王国か、神の国かのどちらにより頼んで生きていくかを選ばなければなりません。
わたし達は、やがて滅びてなくなってしまう者ではなく、永遠に立ち続ける者として生きていきたいものです。

祈りましょう。

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