ルカ11:1-4 『ルカ51 祈りを教えてください』 2016/03/06 松田健太郎牧師

ルカの福音書11:1~4
11:1 さて、イエスはある所で祈っておられた。その祈りが終わると、弟子のひとりが、イエスに言った。「主よ。ヨハネが弟子たちに教えたように、私たちにも祈りを教えて下さい。」
11:2 そこでイエスは、彼らに言われた。「祈るときには、こう言いなさい。
『父よ。御名があがめられますように。
御国が来ますように。
11:3 私たちの日ごとの糧を毎日お与えください。
11:4 私たちの罪をお赦しください。わたしたちも私たちに負いめのある者をみな赦します。私たちを試みに会わせないでください。』」

今日は、いわゆる主の祈りのところからのメッセージですね。
せっかくですから、みんなで主の祈りを祈ってからメッセージに入りましょう。
<主の祈り>
天にましますわれらの父よ、御名をあがめさせたまえ。
御国を来たらせたまえ。
御心の天になるごとく、地にもなさせたまえ。
われらの日用の糧を、今日も与えたまえ。
われらに罪を犯すものをわれらが赦すごとく、われらの罪を赦したまえ。
われらを試みにあわせず、悪より救いい出したまえ。
国と力と栄とは、限りなく汝のものなればなり。
アーメン

人は、なぜ祈るのでしょうか?
祈りというものは、形は違えど、どの宗教にもあるものなのではないかと思います。
特定の宗教に属していない人でも、何かがあった時には「あなたのために祈ります」と言ったりするから不思議ですね。
なぜあらゆる文化の中に祈りがあるのかと言うと、それは人間が祈る者として創られているからなのだと思います。

しかし殆どの場合、私たちはどのように祈るべきかという事を知りません。
そこで弟子たちは、イエス様ご自身が静かに祈っているのを見て、このように言いました。
「イエス様、バプテスマのヨハネは弟子たちに祈り方を教えたと言います。どうか私たちにも、どのようにして祈ったらいいか教えてください。」

私たちも、彼らと同じイエス様の弟子として、イエス様が教えてくださった祈りから、祈り方を学んでいきたいと思います。
イエス様が教えてくれた祈りは、他の宗教の祈りと何が違うのでしょうか?
そして、私たちが学ぶべき祈りの神髄とは、どのようなものなのでしょうか?

1. 祈祷文としての祈りではなく
皆さんの中で、主の祈りを見ないで言えた人はどのくらいいらっしゃったでしょうか?
主の祈りを、空で覚えている人は、たぶんこの教会以外のところで育った方たちではないかと思います。
そして、他の教会からこの教会に移ってきた方の中には、「ここではどうして主の祈りをやらないんだろう?」と疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。

私たちが主の祈りを唱えることを止めたのは、この祈りが祈り方についてイエス様が教えてくださったものなのであって、祈祷文として与えられたものではないからです。
決まった文句を使って祈る分を、祈祷文と言います。
カトリック教会の祈りは、ほとんどが祈祷文によるものですね。
ミサの中でも、みんなで声を合わせていろいろな祈祷文を唱えます。

でも、イエス様が教えた祈りは、そういうものではありません。
だから、この祈りはマタイの福音書でも記されていますが、比べてみると弱冠内容が違いますね。
そしてイエス様は、祈りについてこのようにも教えています。

マタイ 6:7 また、祈るとき、異邦人のように同じことばを、ただくり返してはいけません。彼らはことば数が多ければ聞かれると思っているのです。

私たちに与えられている祈りは、決まった言葉を繰り返し言うような祈祷文ではなく、父なる神様との対話なのです。
祈祷文のようなものが、私たちが祈るための参考になることはあるでしょう。
その祈りを真似てみることによって、私たちの祈りの幅が広がるという事もあります。
しかし、決まった言葉の繰り返しでは、祈りが形ばかりのものになってしまうのです。

2. 願い事の祈り
イエス様が教えてくれた祈りが、他のどの宗教の祈りとも違うのは、祈りの内容についてもいう事ができます。
主の祈りを通してイエス様が教えたかったことは、どういう事だったのでしょうか?
主の祈りの言葉をひっくり返してみると、イエス様が意図していたのがどういう事だったのか、もう少しはっきりと見えてきます。
実際にやってみましょう。

「私の名が崇められますように。私が王となってすべてを支配する、私の国が来ますように。主の御心が天でなるように、地上では私の思いが実現しますように。
私たちの毎日の糧は、私自身ががんばって得ます。
私の罪は赦して欲しいですが、私は他の人を赦しません。
全ての誘惑や悪に対しても、私自身が戦います。
国と力と栄光は、すべて私自身のものです。アーメン。」

どうでしょう?
すごく自己中心的な祈りになりますね。
イエス様が私たちに教えたかったのは、これとは正反対の事なのだという事です。
笑い話のようにも聞こえますが、冷静になって考えてみると、私たちはどれだけこういう事を願い、こういう祈りをしてしまっているだろうという事なんです。
実際、世界で見ることのできるほとんどの祈りは、このような自分の願望を求めて、願い事をする祈りではないでしょうか?
そして、その願い事が叶わないと、神様に対して文句を言い、
私たちはまるで、自分に必要な事は神様以上にわかっているとでも言うかのようです。

何度も言っている事ですが、祈りの本質は、神様とお話しする事です。
これは、言いすぎるという事はない事だと思います。
そして祈りの目的は、私たちの願い事を叶えてもらう事ではなく、対話を通してむしろ私たちの思いが変えられてゆき、神様の御心と一致していくという事なのです。

そのあたりの事を念頭に置きつつ、イエス様が教えてくださった祈りの言葉に、もう少し注目してみましょう。

3. 御心と一致する祈り
まずイエス様は、神様に対して「父よ」と呼びかけるように教えてくださいました。
この翻訳は、まだ堅いように、僕は感じています。
実は、ユダヤ人たちの中で、神様を“父”と呼ぶような習慣がなかったというわけではありませんでした。
でも、ユダヤ教の教えの中で使われる言葉は、もっとずっと堅苦しい言葉です。
イエス様が使ったこの言葉は、同じ“父親”を表す言葉としてはずっと親しみのこもった「お父さん」という言葉を使ったんですね。
私たちの神様は、多くの人たちが思っているよりもずっと身近な存在で、お父さんがこどもを想うように親しいお方である事を、イエス様は教えてくれたのです。

そしてイエス様は、その「御名が崇められますように」と言いました。
これは、神様が神様として崇められるようにという事です。
罪人である私たちは、まるで自分が神であるかのようにふるまってしまう傾向がありますから、私たちと神様との正しい関係が現されています。

「御国が来ますように」と言うのは、神様の支配が今この地上にありますようにと言う願いです。
これまで学んできたように、神様の支配があるところに神様の御業が行われます。
私たちは自分の必要や願いを叶えてもらう以上に、神様との正しい関係を持って、神の国にある中で、すべての必要が満たされていくのを経験することになるのです。

次に、「日ごとの糧を毎日お与えください。」と祈りました。
多くの人は、自分が食べて行けるのは自分ががんばって仕事をしているからだと思っています。
確かに自分のがんばりもあるでしょう。
でも、それに十分な体力も、仕事も、神様によって与えられているものだという事を忘れてはなりません。
荒野をさまよっていたイスラエルの人々は、毎日必要な分だけのマナが与えられることによって、この事を体験として学びました。
ここにも、神様との正しい関係の在り方が現されているのです。

「私たちの罪を赦してください。私たちも負い目のあるものを赦します。」と言う言葉は、罪の赦しを確認させられる祈りです。
私たちは神様から離れ、神様が創造したすべてのものを台無しにし、自らが神にであるかのようにふるまっていた罪人です。
私たちは、罪人として滅ぼされるのが当たり前の存在でした。
そんな私たち、神様は赦しを与えました。
神のひとり子、イエス様の命と引き換えに・・・。

だから私たちもまた、私たちを傷つけ、苦しめた人たちを赦します。
私たちが罪の赦しの意味を本当に理解しているなら、私たちも罪を赦すことができるはずだという事を、イエス様はここで表しているのです。

そして最後に、「私たちを試みに会わせないでください。」という祈り。
これは、悪魔の誘惑から私たちを守ってくださいという事です。
私たちは自分の力で悪魔に対抗する事なんてできず、神様の守りが不可欠だからです。
このようにしてひとつひとつの言葉を見てみても、この祈りが私たちの願いを聞いてもらうためのものであるというよりも、神様との関係を正常な状態に戻していくためのものだという事がわかるのではないでしょうか?
私たちが勝手に抱く望みが叶えられることではなく、私たちの願いが神様の御心に一致していく事こそが、私たちにとっての最善の状態だという事を、イエス様は知っているからです。

この祈りが、唱えられるだけではあまり意味がないという事をわかっていただけたでしょうか?
この祈りが、心から私たち自身の願いとなっていく必要があるのです。
そして、私たちがこの祈りに近づいて行ったときに、私たちが抱えている様々な問題も、問題ではなくなっていくはずです。
全知全能で、創造主である神様は、私たちの“お父さん”なのです。
お父さんにすべてをより頼んでいきまし

 

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