罪とは? その1

世界は完璧だった

創世記  1:4 神は光を見て良しとされた。神は光とやみとを区別された。
1:10 神はかわいた所を地と名づけ、水の集まった所を海と名づけられた。神はそれを見て良しとされた。
1:12 地は植物、すなわち種を生じる草を、種類にしたがって、またその中に種がある実を結ぶ木を、種類にしたがって生じさせた。神はそれを見て良しとされた。
1:18 また昼と夜とをつかさどり、光とやみとを区別するようにされた。神はそれを見て良しとされた。
1:21 神は、海の巨獣と、種類にしたがって、水に群がりうごめくすべての生き物と、種類にしたがって、翼のあるすべての鳥を創造された。神はそれを見て良しとされた。
1:25 神は、種類にしたがって野の獣を、種類にしたがって家畜を、種類にしたがって地のすべてのはうものを造られた。神はそれを見て良しとされた。
1:31 神はお造りになったすべてのものを見られた。見よ。それは非常に良かった。夕があり、朝があった。第六日。

聖書に記されている最初の2章を読み進み中でわかるのは、世界は完璧に創られていたという事です。
世界創造の記述の中で、「神はそれを見て良しとされた。」という言葉が6回出てきます。
全地全能の神様の目に適うものなのですから、この世界は本当に素晴らしいものだったのです。

そしてとうとう、人間が創造された時、この世界を見た神様は今までとは違う感想を述べます。
『神はお造りになったすべてのものを見られた。見よ。それは非常に良かった。(創世記1:30)』
そして、全てを見て満足した神様は、世界の創造を終えて休まれたと書かれています。

「神様がもともと創られたこの世界は、完璧で素晴らしいものだった。」
これが、聖書の重要な世界観です。
完璧な神様が創るものは、完璧なものなのです。

でもそこで、疑問が湧いてこないでしょうか?
神様が創造したこの世界が、本当に素晴らしく完璧なものだったなら、この世界にはどうしてたくさんの問題があるのでしょう?

地球上は戦争や紛争が絶えることなく起こり、自然は破壊され、貧困・飢餓で苦しむ人たちがいる。
人間は憎しみ、欲望、絶望の心で満たされています。
病気があり、災害が起こり、死による別れが来ます。
この世界のどこが完璧で素晴らしいものなのでしょうか?
神様の完璧さとは、しょせんこの程度のものなのでしょうか?

そこでわかってくることがあります。
それは、神様が創った世界と、今私たちが生きているこの世界は同じものではないという事、そこに何かが起こり、問題があって、神様が創った完璧だった世界は変わってしまったのだという事です。
完璧だったはずの世界は、どこに行ってしまったのでしょう?
一体、何がこの世界を変えてしまったのでしょうか?

―考えてみましょうー
罪とはどんなものだと思いますか? 自分の言葉で説明してみましょう。

世界はどうして壊れてしまったのでしょうか?

世界がどうして今のようになってしまったのかという事について、聖書では創世記3章全体を通して記されています。
聖書の中でも有名な話、アダムとエバが禁断の実を食べてしまう話です。
この話は、多くの方に誤解されて伝わってしまっている部分もありますので、少し詳しくお話ししていきたいと思います。

初めの人アダムとエバが住んでいた所は、エデンの園と呼ばれていました。
これは、神様が創った完璧な世界でもあり、喜びが満ちる楽園、天国のような場所だったのです。
園の中央には、いのちの木と、善悪の知識の木と呼ばれる木があったと記されています。
アダムとエバはリンゴの木を食べたと思われている方もいるようですが、ふたりが食べた禁断の木とは、ここに出てくる善悪の知識の木の事です。

神様は、「園にあるどの木から好きなように食べても構わないけれど、“善悪の知識の木”だけからは、取って食べてはならない。それを食べたらあなたは必ず死んでしまう。」と伝えました。
それならこの木はなぜ、“いのちの木”に対する“死の木”ではなく、“善悪の知識の木”と呼ばれていたのでしょうか?
“善悪の知識の木”という紛らわしい名前だから食べてしまったのであり、最初から“死の木”とか、“毒の木”と呼ばれていたら、アダムもエバも、間違えても食べたいなどと思わなかっただろうに・・・。

しかしこの木は、“善悪の知識の木”という名前で呼ばれる必要がありました。
“善悪の知識の木”という名前そのものが、この木の本質を表しているからです。

―考えてみましょうー
“善”とは何でしょう? そして、“悪”とは何でしょう?

善とは神様に從うこと
悪とは神様に背くことである。

神様がこの世界の創造主なのですから、当たり前と言えば当たり前の話です。
同じように神様と共にいのちがあり、神様から離れるならば死があります。
神様が光であり、神様から離れたところは闇になります。

“善悪の知識の木”と呼ばれているのは、この木を食べたら“善”と“悪”がわかるからではありません。(悪魔はそのように嘘を言い、エバを騙しました。)
アダムとエバは、この木から取って食べるか食べないかという選択によって、善と悪を知る事ができたから、“善悪の知識の木”と呼ばれたのです。

つまり全ての事が許されているエデンの園の中で、この木を食べるという事だけが、神様に背く“悪”だったという事です。
そして神様に背くことは、いのちである神様に背き、離れる事を意味していました。
だから、“善悪の知識の木”から取って食べるなら、必ず死ぬのです。

―考えてみましょうー
神様は、わざわざなぜ、悪を行う事ができる選択肢を人に与えたのでしょうか?

罪の結果、人間には次のようなことが起こりました。

1. 霊的に死んだものとなった

創世記2:16-17、エペソ2:1-5を読みましょう。

創世記 2:17 しかし、善悪の知識の木からは取って食べてはならない。それを取って食べるとき、あなたは必ず死ぬ。

エペソ 2:1 あなたがたは自分の罪過と罪との中に死んでいた者であって、

神様は、「善悪の知識の木から取って食べる時、あなたは必ず死ぬ。」と告げていました。
でもアダムとエバは、それを食べてすぐ、その場に倒れて死んでしまったわけではありません。
それどころか、聖書にはアダムとエバは900年以上生きたと書かれています。
しかしそれと同時に、アダムとエバは確かに死んだものとなっていました。
すぐに肉体的に死んでしまう事はありませんでしたが、アダムとエバの霊は、禁断の実を食べたその時に死んでしまったのです。

“霊”とは何でしょう?
聖書で言う“霊”とは、幽霊の事ではありません。
神様を見る事ができないのと同じように、神に似せて創られた私たちには、見る事ができないけれど、神様と同じ霊的な存在としても創られていました。
だから人は、神と語り合う事ができていたのです。
しかし、禁じられていた善悪の知識の木から取って食べたその時、人の内にあった“霊”の部分は死んでしまったのです。
霊的に死んだ者となってしまった私たちは、霊的な存在である神様との関係は断絶してしまいました。
それによって私たちは、神様の言葉をはっきりと認識する事ができなくなり、その存在すら定かなものと感じる事ができなくなってしまったのです。

アダムとエバは、霊的に死んだ後もすぐに神様の存在を見失ったわけではありませんでした。
しかし人間が神様から離れてしまったことは、たくさんの結果を伴う事になったのです。

2. ありのままの自分で生きる事ができなくなった

創世記3:7を読みましょう。

創世記 3:7 このようにして、ふたりの目は開かれ、それで彼らは自分たちが裸であることを知った。そこで、彼らは、いちじくの葉をつづり合わせて、自分たちの腰のおおいを作った。

2014年は、ディズニーの『アナと雪の女王』©2014Disney が大ヒットし、主題歌の「ありの~ままの~姿見せるのよ~♪」という歌がどこででも流されました。
あの歌にあれほど人気が出たのには、みんな“ありのままの自分”で生きたいという気持ちが大きかったからではないかと思います。
それだけ多くの人たちが、自分はありのままの自分として生きる事ができていないと自覚したという事でもあるでしょう。

罪人となったアダムとエバは、いちじくの葉で覆いを作り、自分たちの腰のおおいを作ったと書かれています。
それは、ありのままの自分は恥ずかしい存在だと思うようになったからです。
ありのままの自分でいる事が、なぜ恥ずかしいのでしょう?
それは、ありのままの自分は、罪人となってしまった自分だからです。

ありのままの自分でいられないという事は、自分を偽らなければならなくなったという事です。
自分を偽るという事は、人は嘘をつくようになったという事です。
悪魔も嘘つきですが、人間も嘘をつく存在となってしまったのです。

3. 神様との関係壊れた

創世記3:8-10を読みましょう。

創世記 3:8 そよ風の吹くころ、彼らは園を歩き回られる神である【主】の声を聞いた。それで人とその妻は、神である【主】の御顔を避けて園の木の間に身を隠した。
3:9 神である【主】は、人に呼びかけ、彼に仰せられた。「あなたは、どこにいるのか。」
3:10 彼は答えた。「私は園で、あなたの声を聞きました。それで私は裸なので、恐れて、隠れました。

神様が近づいてくるのを感じたアダムとエバは、何とか神様から隠れようとして身を隠しました。
それまで神様との間にあった親しい愛の関係は、完全に壊れてしまったのです。

わたし達も、無意識の内に神様を避けます。
それでも心の内には神様を求める心もあるので、自分たちで神様を作ろうとするのです。
自分で作った神様は怖くありません。
そして、自分に都合の良い願い事だけ聞いてもらおうとするのです。

でも、自分で作った神様に願い事をかなえる力なんてないのは当たり前の事です。
そして、神様以外のものを神様のように愛し、神様以上に愛する事は、神様にとっては霊的な不倫以外の何物でもありません。
神様が最も嘆き、悲しんでいる罪の結果がこれだという事ができるかもしれません。

4. 責任を回避し、転嫁する様になった

創世記3:11-15を読みましょう。

創世記 3:11 すると、仰せになった。「あなたが裸であるのを、だれがあなたに教えたのか。あなたは、食べてはならない、と命じておいた木から食べたのか。」3:12 人は言った。「あなたが私のそばに置かれたこの女が、あの木から取って私にくれたので、私は食べたのです。」
3:13 そこで、神である【主】は女に仰せられた。「あなたは、いったいなんということをしたのか。」女は答えた。「蛇が私を惑わしたのです。それで私は食べたのです。」

アダムは、善悪の知識の木から取って食べてはならないと命じられていました。
神様に背いて禁断の木の実を食べてしまった事を神様にとがめられたとき、アダムは「あなたが与えたエバがわたしに食べさせたのです。」と、自分の責任を妻のせいにしました。
それを、責任転嫁と言います。

わたし達は何でも人のせいにしてしまう傾向があります。
親のせい、学校のせい、会社のせい、世の中のせい、ついには神様のせいにするのです。
でも、どんな時でも行動を決断するのは自分自身です。
そして、自分のした事の結果は必ず自分自身に返ってきます。
アダムに食べるように言ったのはエバであり、エバを誘惑したのは蛇(悪魔)でしたが、食べる行動を決断したのはアダム自身です。
そして食べた結果、アダムは罪びととなり、神様との関係が断絶してしまったのです。

5. 人間同士の関係が壊れた

創世記3:16を読みましょう。

創世記 3:16 女にはこう仰せられた。「わたしは、あなたのうめきと苦しみを大いに増す。あなたは、苦しんで子を産まなければならない。しかも、あなたは夫を恋い慕うが、彼は、あなたを支配することになる。

壊れたのは、神様との関係だけはありません。
互いに責任を逃れて相手のせいにしようとする人間たちは、共同体として互いに愛し合うように創られていましたが、その愛の関係も完全に壊れてしまったのです。

アダムとエバとの間にあった夫婦の関係も、互いに信頼し合い、愛し合う絆が壊れ、支配し、支配されるような関係となってしまいました。
わたし達の社会にも人間関係のトラブルは絶えません。
生きていく上での一番の問題は、人間関係の問題だと言っても過言ではないでしょう。
これも全て、罪の結果なのです。

6. 呪われた世界となった

創世記3:17-18を読みましょう。

創世記 3:17 また、人に仰せられた。「あなたが、妻の声に聞き従い、食べてはならないとわたしが命じておいた木から食べたので、土地は、あなたのゆえにのろわれてしまった。あなたは、一生、苦しんで食を得なければならない。
3:18 土地は、あなたのために、いばらとあざみを生えさせ、あなたは、野の草を食べなければならない。

先ほど見たように、神様が創った世界は完ぺきのはずでした。
しかし、人間が神様に背いた結果、わたし達が生きるこの世界も、素晴らしいものではなくなってしまったのです。

土地は呪われ、いばらとあざみが生え、わたし達は一生苦しんで食を得なければならなくなったと聖書には書かれています。
病気も、災害も、事故も、神様が創ったものではありません。
むしろ、罪によって神様と引き離され、神様不在となった世界がこのようなものだという事なのです。

7. 死すべき存在となった

創世記3:19、22-24を読みましょう。

創世記 3:19 あなたは、顔に汗を流して糧を得、ついに、あなたは土に帰る。あなたはそこから取られたのだから。あなたはちりだから、ちりに帰らなければならない。

創世記 3:22 神である【主】は仰せられた。「見よ。人はわれわれのひとりのようになり、善悪を知るようになった。今、彼が、手を伸ばし、いのちの木からも取って食べ、永遠に生きないように。
3:23 そこで神である【主】は、人をエデンの園から追い出されたので、人は自分がそこから取り出された土を耕すようになった。
3:24 こうして、神は人を追放して、いのちの木への道を守るために、エデンの園の東に、ケルビムと輪を描いて回る炎の剣を置かれた。

わたし達はもともと、神様に似たものとして永遠の存在として創られていたはずでした。
しかし、永遠の存在であるはずの霊が死んでしまったため、永遠には生きている事ができなくなってしまいました。
わたし達の肉体は、やがて衰え、死に、土へと帰っていきます。

入門編~福音って何だろう?