民数記14章11~23節 「民の反抗、神のさばき、モーセのとりなし」―主は、怒ること遅く、慈しみに富むお方― 2019/01/13 小西孝蔵

民数記14章11~23節
14:11主はモーセに言われた、「この民はいつまでわたしを侮るのか。わたしがもろもろのしるしを彼らのうちに行ったのに、彼らはいつまでわたしを信じないのか。 14:12わたしは疫病をもって彼らを撃ち滅ぼし、あなたを彼らよりも大いなる強い国民としよう」。
14:13モーセは主に言った、「エジプトびとは、あなたが力をもって、この民を彼らのうちから導き出されたことを聞いて、 14:14この地の住民に告げるでしょう。彼らは、主なるあなたが、この民のうちにおられ、主なるあなたが、まのあたり現れ、あなたの雲が、彼らの上にとどまり、昼は雲の柱のうちに、夜は火の柱のうちにあって、彼らの前に行かれるのを聞いたのです。 14:15いま、もし、あなたがこの民をひとり残らず殺されるならば、あなたのことを聞いた国民は語って、 14:16『主は与えると誓った地に、この民を導き入れることができなかったため、彼らを荒野で殺したのだ』と言うでしょう。 14:17どうぞ、あなたが約束されたように、いま主の大いなる力を現してください。 14:18あなたはかつて、『主は怒ることおそく、いつくしみに富み、罪ととがをゆるす者、しかし、罰すべき者は、決してゆるさず、父の罪を子に報いて、三、四代に及ぼす者である』と言われました。 14:19どうぞ、あなたの大いなるいつくしみによって、エジプトからこのかた、今にいたるまで、この民をゆるされたように、この民の罪をおゆるしください」。
14:20主は言われた、「わたしはあなたの言葉のとおりにゆるそう。 14:21しかし、わたしは生きている。また主の栄光が、全世界に満ちている。 14:22わたしの栄光と、わたしがエジプトと荒野で行ったしるしを見ながら、このように十度もわたしを試みて、わたしの声に聞きしたがわなかった人々はひとりも、 14:23わたしがかつて彼らの先祖たちに与えると誓った地を見ないであろう。またわたしを侮った人々も、それを見ないであろう

1. 僕の反抗、父の怒り、母のとりなし
小学生低学年の僕は、ヤンチャ、ガキ大将。親の言うことに反抗。ある時、兄の洋服を拒否。父から我慢しなさいと。「おさがりは嫌だ」と食いついたところ、父から「おさがり!」と一喝。なお、食い下がっているとついに父からビンタが。納屋に籠城。夜中に母が、「お父さんに謝りなさい」と仲介に。親父に一言「御免」といって、自分の部屋に逃げ込む。かわいくない子供ですね。私に比べて、湧は、素直な性格で「優(ゆう)等生」。でも、湧曰く、「おとうさんそんなことは言う(ゆう)なよ。
半分冗談のような話ですが、幼少期の私の拙い体験、「僕の反抗、父の怒り、母のとりなし」が今日のタイトル「民の反抗、神の怒り、モーセのとりなし」につながる。

2. モーセ・シリーズは今回で5回目
① モーセの召命(「私は一体何ものでしょう」)、②エジプト脱出の奇蹟(「主が戦
われる」)、③マナの奇蹟(「主が養われる」)、④十戒(「神の義と愛」)
前回は、十戒を中心にした律法に込められた神様の義と愛について触れた。偶像を
作ってはならない、拝んではならないという命令が第一に掲げられた「十戒」を授かったにもかかわらず、モーセの居ない間に、民は、アロンまで巻き込んで、子牛の像を作って拝んだ。神は、怒り、民を滅ぼそうとされる。モーセは、神にとりなして、滅びは免れる。その代りに、これに関った3千人が倒された。

3. 約束の地カナンへの偵察と民の反抗(民数記13、14章)
乳と蜜の流れるカナンの地にモーセは偵察隊を派遣。12部族から各々1名づつ。
40日間(パワーポイントの地図参照)。ブドウを持ち帰る。カナンの土地は、果物が豊富。→現在もイスラエルはかんきつ類の輸出国(スウィーティ)(キブツ農場)。
10人がカナンへの進軍に反対。その理由は、巨人がいるし、強敵がいるのでかなわない。エジプトに留まった方がよかった、エジプトに帰ろうと口々に。ユダ族のカレブとエフライム族のヨシュアだけが神様の命令に忠実だった。
神は怒って、再び民を滅ぼされようとされた。モーセはとりなしをした結果、主は、思いとどまられた。
→民数記14章18節「主は怒ること遅く、慈しみに富むお方」。
その代り、何度も神に反抗した民は、20歳未満を除いて約束の地には入れず、40年間も荒野で放浪の民としてさまよう。偵察したもののうち、カレブとヨシュアだけがカナンの地を踏むことになる。そして、モーセ自身も約束の地を目前にして死を迎える(次回に予定)。
4. 過去に囚われて、目の前の戦いから逃げたことがありますか?
→ 私の拙い経験談、失敗談を披露。
1)最近、湧にアドバイスをしていた時「お父さんは天上人」と言われた。ツアー野添乗員?屋根裏部屋に住む「天井人」? 世の中から遊離して現実の苦労を知らない存在という意味か。
→ 私自身、新しい世界への挑戦、若い人の成長を妨げている老害になっていない
かという反省?(老獪ならいいが・・。過去にとらわれている頑固な自分。
現代の日本では、ベンチャー企業を起こしにくい古い体質が根強く、そのために、
グローバル化やAI革命に立ち遅れているという指摘も。この教会でも、もしか私が
新しい方向に進むことを阻んでいるとすれば、神様にも皆さんにも申し訳ない。
2)もう一つ、目の前の戦いから逃げようとして窮地に陥った体験を披露。20年ほど前、現役の総務・人事担当の課長をしていた時、不祥事に出くわしたとき、速やかに公表すべきところをためらったために、あるいは、従来の慣行を優先させてしまったことから、マスコミに取り上げられ、国会でも名指しでやり玉に挙げられたことも。
→ 神に祈って前進することなく、この世の戦いから逃げようとしたため、神様か
ら警告をいただいた。→ しかし、神様の憐みによって、そこから逃れる道も備えていただいた(上司の局長、大臣から弁明していただく)。→ この苦い経験から、その後、不祥事には迷わず、毅然とする姿勢を貫くことが出来た。

5. 今日の箇所から示されたこと
1) 主の御声を聞いて約束の地を目指す。
イザヤ書43章18、19節「あなたがたは、さきの事を思い出してはならない、
また、いにしえのことを考えてはならない。見よ、わたしは新しい事をなす。やがて
それは起る。あなたがたはそれを知らないのか。わたしは荒野に道を設け、さばくに
川を流れさせる。」
約束の地については、ユダヤの民にとっては、カナンの地を目指す、イザヤにお時代は、エルサレムへの帰還(バビロン捕囚)、私たちにとっては、神の国である。
2)イエスのとりなしによる赦しと神様の憐み
モーセのとりなしは、実は、イエスのとりなしにつながる。御子イエスをこの読み遣わしてくださった神様の深い愛に感謝。私たちは、神様の憐みにすがるのみ。そこから御国を目指して進む勇気をいただく。
〇 詩編103篇7,8節「主はおのれの道をモーセに知らせ、おのれのしわざをイスラエルの人々に知らせられた。主はあわれみに富み、めぐみふかく、怒ること遅く、いつくしみ豊かでいらせられる。」
〇 ルカによる福音書23章34節「 そのとき、イエスは言われた、「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」。 → (祈り)