1サムエル15:20-23 『「聞き従うことは、犠牲にまさるー主に立ち帰るー」 2020/05/03 小西孝蔵                      

サムエル記15章20~23節
15:20サウルはサムエルに言った、「わたしは主の声に聞き従い、主がつかわされた使命を帯びて行き、アマレクの王アガグを連れてきて、アマレクびとを滅ぼし尽しました。 15:21しかし民は滅ぼし尽すべきもののうち最も良いものを、ギルガルで、あなたの神、主にささげるため、ぶんどり物のうちから羊と牛を取りました」。 15:22サムエルは言った、「主は主の御声に聞き従う事を喜ばれるように、全焼のいけにえやその他のいけにえを喜ばれるであろうか。見よ、従うことはいけにえにまさり、耳を傾けることは雄羊の脂肪にまさる。15:23そむくことは占いの罪に等しく、強情は偶像礼拝の罪に等しいからである。あなたが主のことばを捨てたので、主もまたあなたを捨てて、王の位から退けられた」。

イザヤ書30章15節及び21節
30:15主なる神、イスラエルの聖者はこう言われた、「あなたがたは立ち返って、落ち着いているならば救われ、穏やかにして信頼しているならば力を得る」。・・・・
30:21また、あなたが右に行き、あるいは左に行く時、そのうしろで「これは道だ、これに歩め」と言う言葉を耳に聞く

へブル人への手紙10章14~17節
10:14彼は一つのささげ物によって、きよめられた者たちを永遠に全うされたのである。 10:15聖霊もまた、わたしたちにあかしをして、10:16「わたしが、それらの日の後、
彼らに対して立てようとする契約はこれであると、主が言われる。わたしの律法を彼らの心に与え、彼らの思いのうちに書きつけよう」と言い、 10:17さらに、「もはや、彼らの罪と彼らの不法とを、思い出すことはしない」と述べている。

マタイによる福音書35~40節
22:35そして彼らの中のひとりの律法学者が、イエスをためそうとして質問した、 22:36「先生、律法の中で、どのいましめがいちばん大切なのですか」。 22:37イエスは言われた、「『心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ』。 22:38これがいちばん大切な、第一のいましめである。 22:39第二もこれと同様である、『自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ』。 22:40これらの二つのいましめに、律法全体と預言者とが、かかっている」。

(祈り)
1. 初めに
①コロナショックで、外出自粛、家族の時間が増えていい反面、息詰まることも?このような人生の岐路において、私たちの生き方を問われている、重要な決断を迫られている。危機が訪れた時の決断は、周囲の人の意見、世間の常識、過去のやり方等にと囚われて、何が正しいか迷う。
②社会や国のリーダーは大変。日経の朝刊一面に、日本有数のトップメーカーグローバル企業のカリスマ社長が、コロナショックは、今までの利益至上主義を改め、従業員第一、自然との共存を重視した経営に変えていくよう、戒めとなったと語っている。
③本日は、これ迄の学びに続き、サムエル記を通じて、「主に聞き従う」ことの重要さをサウル王という反面教師から学んでみたい。

Graphic recorder: Hitomi Kobayashi

2.サウル王の経歴
①イスラエル人は、ペリシテ人との戦いを恐れたこと、最後の士師である、そして預言者でもあったサムエルも老いて、祭司職の息子たちはドラ息子で頼りにならないので、主に代わって王を求めた(サムエル記上8章(1~7節)。余談ながら子育ては難しい。
②ベニヤミン族の中から、若くてイケメンで背の高いサウルが王に選ばれ、サムエルがサウルに油を注いだ。パワポの写真は、secretary?の真菜が作ってくれたもの。
サウルは、ペリシテ人への戦いに臨み、サムエルが到着する前に、待ちきれず、勝手に、祭司に成り代わって、捧げものを捧げたため、サムエルの怒りを買う(13章8~14節)。
③サウルは、ペリシテ人や周囲の敵との戦いに勝利し、イスラエルの王として力を示した(14章47~52節)。サウルは、王として絶大な力を持った時、傲慢になった。

3.聞き従うことは、犠牲にまさる(サムエル記15章20~23節)
①神様は、「アマレク人」(20節)を滅ぼせと命令―アマレク人は、イスラエルの宿敵、出エジプト後荒野での戦いで、モーセが手を挙げた時に優勢、下したときに劣勢。
②しかし、全部滅ぼせというもっと大事な神の命に反して、アガグ王を生かし、律法(レビ記)に書かれたことを口実に、羊や牛の最も良いものを惜しんで残した(21節)。形は整えたが、神の命に反抗する傲慢の心。言わば、神様に対して「面従腹背」。
③神様は、ご自分との関係性を重視。神に聞き従うことを求められる。
「15:22サムエルは言った、「主は主の御声に聞き従う事を喜ばれるように、全焼のいけにえやその他のいけにえを喜ばれるであろうか。見よ、従うことはいけにえにまさり、耳を傾けることは雄羊の脂肪にまさる。」
④サウル王は、自分を神の座に置いた。15:23「強情は、偶像礼拝に等しい。」この時、悔い改めていれば、赦されたはず。しかし、彼は、この後、心から悔い改めることはなく、自分の道を歩んで滅びの道を歩むことになる。
4. 主に聞き従うとは?

1)主に立ち帰ること(Back to the Lord)
① サウル王と同じように、現代の私たちは、往々にして、創造主の神を忘れ、仕事
中心、自分中心の人間になっている。お金や科学が万能、律法や形を守ることにこだ
わりすぎているのではないか(バブルに浮かれていた?自然は克服できる、医学の力
で何とかなると高をくくっていたのでは?制度や前例にとらわれて、迅速かつ柔軟な
決断ができないでいたのでは?)今回のコロナのパンデミックで、神様は、こうした
自己中心の罪を悔い改めて、主に立ち帰るようにと、私たちに警告を与えておられる。
イザヤ書30章「30:15主なる神、イスラエルの聖者はこう言われた、「あなたがたは立ち
返って、落ち着いているならば救われ、穏やかにして信頼しているならば力を得る」。

②私たちは、人生の岐路に立つとき、自分で決断をして、しまったと思うことがある。私もかつ
て、管理職になった時、前例に倣って決めたことが大きなトラブルに発展し、文字通り、進退
窮まったことがある。神様の声を聞かなかったのだが、憐みによって、その窮地から神様が助
け出してくださった。大事なのは、日々の祈りによって、神様の声に耳を傾け、それに従うこ
と。特に人生の分かれ道、クロスロードにおいて、神様の声を聞く、もし、道に迷ったら、引き返
し、立ち帰って、神様の合図を待つことが大事。「天声人語」という言葉があるが、歴史では、
民の声は大事でも、人の声ではなく、天の声を聴き、天命に従えるよう祈る必要。
イザヤ書30章30:21「また、あなたが右に行き、あるいは左に行く時、そのうしろで「これは
道だ、これに歩め」と言う言葉を耳に聞く」

③私は、運転しているとき、カーナビの指図に逆らって、別の道に行こうとして家内に叱られる
ことが多い。なじみのある方面であれば、自分の方がよく知っているという自負がある。人生もナビと同じで、こちらですよ、戻りなさいと常に声をかけられながら、自分で決めた方向に生き続ける。そして、大きくそれた時に初めて道を間違えたことに気が付く。遠回りの人生を歩むことで済めばいいが、結局、天国という目的地にたどり着かなくなってしまう。

④サウルのように、神の前に、自分を正当化するために、「いけにえ」を捧げる必要はない。
私たちにとっては、感謝なことに、既に、キリストがご自身をいけにえとして捧げて下さった。
だから、主のみ名を呼び、立ち帰って、主のみもとにすがるだけでいい。

 へブル人への手紙10章14節「彼(キリスト)は、一つのささげ物によって、
きよめられた者たちを永遠に全うされたのである。」
16節「わたしが、それらの日の後、彼らに対して立てようとする契約はこれである
と、主が言われる。わたしの律法を彼らの心に与え、彼らの思いのうちに書きつけよう」

キリストの十字架の贖いと復活を信じ、永遠の生命、聖霊を受けるとき、己の力からでなく、神
の恵みによって、神様の愛の戒めをこころに植え付けていただける。

2) 主の教えの精神に立ち帰る(Back to the basic Commandment)

① イエスは、旧約の律法が不要になったと言われているのではない。主が求められていることは、律法の形ではなく、本来の精神に立ち帰ること。旧約の律法の最も大事な律法は、

「22:37イエスは言われた、「『心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ』。 22:38これがいちばん大切な、第一のいましめである。 22:39第二もこれと同様である、『自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ』。 22:40これらの二つのいましめに、律法全体と預言者とが、かかっている」。

② 他者を思いやる、共に助け合って、見えない敵と戦うことが、今もっとも必要とされている。コロナの感染を防ぐためには、自らを防御して他人への感染を防ぐ。医療崩壊が懸念される中、感染治療に携わる医療関係者のために祈る、途上国や難民キャンプへの拡散防止のために祈り、支援する(ワールド・ビジョン)、コロナの影響によって、しかもオンライン通信もできず、人とのつながりを絶たれたお年寄りなど孤独を余儀なくされている方々に寄り添う・・・・・・。

3)最後に
本日の聖書箇所から学んだこととして、自分の力をより頼み、神様の声に聞き従わなかったサウル王を反面教師として、私たちは、主に立ち帰って、自己中心の罪を悔い改め、主に聞き従うこと、そして、主の贖いによる無償の愛をもって隣人を愛し、社会に貢献していけるよう、日々祈り求めていこうではありませんか。
(祈り)
皆さんは、
1.今の激動の中、原点に立ち帰り、方向転換を示されていることがありますか?
2.これを機に、変わりたい、あるいは、何かを変えてみたいと思うことがありますか?
3.天の声、神様の声に聞き従うためには、どうしていけばいいでしょうか?

〇メッセージ要旨(パワポ)
1.初めに 2.サウル王の経歴
3.聞き従うことは犠牲にまさる
4.主に聞き従うとは?
① 主に立ち帰ること(Back to the Lord)
② 主の教えの原点に立ち帰ること (Back to the basic Commandment)