第1列王記3章7~10節 「主を畏れることは知識の本なり」―ソロモンの知恵と神の知恵― 2021/04/18 小西孝蔵

〇列王記3章7~10節

「3:7わが神、主よ、あなたはこのしもべを、わたしの父ダビデに代って王とならせられました。しかし、わたしは小さい子供であって、出入りすることを知りません。 3:8かつ、しもべはあなたが選ばれた、あなたの民、すなわちその数が多くて、数えることも、調べることもできないほどのおびただしい民の中におります。 3:9それゆえ、聞きわける心をしもべに与えて、あなたの民をさばかせ、わたしに善悪をわきまえることを得させてください。だれが、あなたのこの大いなる民をさばくことができましょう」。 3:10ソロモンはこの事を求めたので、そのことが主のみこころにかなった。」

〇箴言1章 7節「主を恐れることは知識のはじめである。」

 

(聖書引用箇所)

〇列王記上3章、4章

3:11そこで神は彼に言われた、「あなたはこの事を求めて、自分のために長命を求めず、また

自分のために富を求めず、また自分の敵の命をも求めず、ただ訴えをききわける知恵を求めた

ゆえに、 3:12見よ、わたしはあなたの言葉にしたがって、賢い、英明な心を与える。あなたの先

にはあなたに並ぶ者がなく、あなたの後にもあなたに並ぶ者は起らないであろう。 」・・・・・

4:29神はソロモンに非常に多くの知恵と悟りを授け、また海べの砂原のように広い心を授けられた。・・・・ 4:32彼はまた箴言三千を説いた。またその歌は一千五首あった。 4:33彼はまた草木のことを論じてレバノンの香柏から石がきにはえるヒソプにまで及んだ。彼はまた獣と鳥と這うものと魚のことを論じた。 4:34諸国の人々はソロモンの知恵を聞くためにきた。地の諸王はソロモンの知恵を聞いて人をつかわした。

 

〇箴言16章

16:3あなたのなすべき事を主にゆだねよ、そうすれば、あなたの計るところは必ず成る。

〇箴言19章

19:21「人の心には多くの計画がある。しかし主のはかりごとだけがなる。」

〇ヨハネ8章

8:31イエスは自分を信じたユダヤ人たちに言われた、「もしわたしの言葉のうちにとどまっておるなら、あなたがたは、ほんとうにわたしの弟子なのである。 8:32また真理を知るであろう。そして真理は、あなたがたに自由を得させるであろう」。

〇ヨハネ14章

14:6イエスは彼に言われた、「わたしは道であり、真理であり、命である。だれでもわたしによらないでは、父のみもとに行くことはできない

1.初めに

・前回のメッセージまでは、ダビデについて5回、今回からは、ソロモンの生涯について、列王記上の前半から、2回に分けて学ぶ予定。ソロモンは、ダビデが部下ウリアを戦場で殺してその妻バテシバを奪い取り、バテシバとの間に生まれた息子。バテシバの機転で、すぐ上の兄、アドニアとの後継争いに勝ち残る。ソロモンは、父ダビデのいい所と悪いところの両方受け継いでいる。今回は、主としてソロモンのいわば光の部分。次回は、ソロモンの影の部分を取り上げたい。

 

2. 本日の聖書箇所のあらすじ

①世を治める知恵を求めたソロモンの信仰

・ソロモンが、神の命とダビデの遺言により、エルサレムに神殿を立てる前のこと。ソロモンは、幕

屋と祭壇のあるギブオン(エルサレムの北西10キロ)で、いけにえを捧げていた時、主が夢枕

に現れて、願いことがあれば叶えてあげようと言われた。そこで、ソロモンは、次のように答えた。

〇列王記上3章「3:7わが神、主よ、あなたはこのしもべを、わたしの父ダビデに代って王とならせられました。しかし、わたしは小さい子供であって、出入りすることを知りません。 3:8かつ、しもべはあなたが選ばれた、あなたの民、すなわちその数が多くて、数えることも、調べることもできないほどのおびただしい民の中におります。 3:9それゆえ、聞きわける心をしもべに与えて、あなたの民をさばかせ、わたしに善悪をわきまえることを得させてください。だれが、あなたのこの大いなる民をさばくことができましょう」。・・・・3:11そこで神は彼に言われた、「あなたはこの事を求めて、自分のために長命を求めず、また自分のために富を求めず、また自分の敵の命をも求めず、ただ訴えをききわける知恵を求めたゆえに、 3:12見よ、わたしはあなたの言葉にしたがって、賢い、英明な心を与える。あなたの先にはあなたに並ぶ者がなく、あなたの後にもあなたに並ぶ者は起らないであろう。 」

・自分のためでなく、イスラエルの民のために、知恵を求めたソロモンの志を神はよしとされた。

私の尊敬するクリスチャンの先輩から、ある大会社の社長に就任を依頼され、大きな組織のリーダーとして重大な責任を負わされることに不安を感じていた中で、この個所を読んで、大いに励まされ、在任中の大役を無事果たすことが出来たというお話を伺ったことがある。

 

②二人の女の争いの仲裁で示されたソロモンの知恵

・神様からソロモンに与えられた知恵の代表的な例が、この聖書個所の次に出てくる、二人の母親同士の子どもをめぐる争いの有名な仲裁話である。列王記上3章16~28節。二人の遊女がそれぞれ子供を産み、二人きりしかいない部屋で、一人の母親の子どもが夜寝ている間に死んだので、そばに寝ているもう一人の母親の子どもを自分の子どもに差し代えてしまった。この後、二人の母親は、生きている子供と死んだ子供のうち、生きている子どもが自分の子であるとして、言い争い、ソロモン王に裁きを求めた。ソロモンは、剣を持ってこさせ、生きている子どもを半分に分けて二人に分け与えよと命じたところ、生きている子の本当の母である女は、子どもを生かしてでも相手にあげてくれと言ったが、もう一人の女は断ち切ってくれと求めた。この二人の女の言葉を聞いて、ソロモンは、前者の女こそが生きている子の母であると裁いた。

・このソロモンの裁きは、神の知恵から生まれた名裁判となった。有名な大岡裁判(江戸中期、町奉行大岡忠相(ただすけ)による裁き)もこのソロモン王のエピソードに類似した内容、但し、剣で半分に切るのではなく、手をつないで引っ張り合うもの。この聖書の話がシルクロードを経由して日本に伝播したという有力な説がある。大いにありうる話。

 

③ソロモンに与えられた祝福と最大の遺産「箴言」

〇列王記上4章「4:29神はソロモンに非常に多くの知恵と悟りを授け、また海べの砂原のように広い心を授けられた。・・・・ 4:32彼はまた箴言三千を説いた。またその歌は一千五首あった。 4:33彼はまた草木のことを論じてレバノンの香柏から石がきにはえるヒソプにまで及んだ。彼はまた獣と鳥と這うものと魚のことを論じた。 4:34諸国の人々はソロモンの知恵を聞くためにきた。地の諸王はソロモンの知恵を聞いて人をつかわした」

 

・ソロモンの知恵は、商才の形でも遺憾なく発揮された。その結果、当時の世界各地との交易を通じて、繁栄をもたらした。エジプトからユーフラテスまで、フェニキア、スペインなど地中海諸国までの様々な物資の貿易で巨万の富を得た。(パワポの地図参照)。ソロモン王に拝謁を求めて遠くから来たシバの女王は、南アラビアかエチオピヤの女王とされる。(パワポの絵参照)

 

・しかし、後世に残されたのは、富ではなく、箴言の方であった。箴言は、人類に残されたソロモンの大きな遺産。もっとも箴言は、ソロモンだけが書いたのではなく、紀元前9~3世紀の長期間、ソロモンの言葉に影響を受けた何人かの手によって編集されたものとされている。内村鑑三の著書になぞらえて言えば、「後世への最大遺物」とも言っていい。若者や社会人、ビズネスマンへのゴールデンルール、貴重な教訓。

・2008年のリーマンショックの直後に、日本聖書協会から、箴言と伝道の書を収録した「ユダヤ人の知恵-成功への道」という本が出版された。タイトルは、How-Toものになってはいますが。コロナの試練の時代を生き抜く上で、もう一度読み直してみる価値があるのでは。

 

3.ソロモンから学ぶこと

1)主を畏れることは知識の本。

〇箴言1章 「1:7主を恐れることは知識のはじめである。」

・文語訳では、「主を畏れる」「知識の本」と訳されているが、より適切な表現。学問や科学、情報の収集や議論を尽くすことは大事だが、根底に神の知恵があることを忘れてはいけない。

主を畏れること、主に委ねること、勤勉であること、正直であること、試練を神からのものと受けとめること、敵をも愛すること、遊女の誘惑、性の衝動から身を守ることなど、現代の若い人にとって貴重な教訓。我が家で子どもの家庭教育は殆ど家内に頼っていた?ことは父親として反省に値する。でも、箴言を子どもと一緒に読んでみるのがいいと思う。特にお父さんの役割は大事。また、次の聖句は、私にとっての人生の指針にもなった。

〇箴言16章「16:3あなたのなすべき事を主にゆだねよ、そうすれば、あなたの計るところは必

ず成る。」、箴言19章21節「人の心には多くの計画がある。しかし主のはかりごとだけがなる。」

 

・私もかつての職場で管理職、責任を持たされた立場になってから、解のない答えを見出すた

め、苦悩の毎日。自分の限界の中で、喘ぎ、祈りつつ、神の知恵を頂いて道が開かれる経験。

巨額の負の遺産、借金を処理するという、この世の知恵では絶望的な状況も。辞表を机の下に

入れて仕事をしたことが何度か。そうした折、この言葉が支えになった。この箴言の言葉を日本

人になじみやすい格言に言い換えたものが、「天命に委ねて人事を尽くす。」という言葉。

 

2)正義のぶつかり合いと神の知恵

・二人の女の争いのように、どちらも正しいと主張。何が、正しいのか、判断に困ることが日常茶飯事。仕事でも、家庭でも、よく経験する。また、自分が正しい、独善的に陥る危険性がある。

・最近、私がボランティアとして働いている学生寮の役員会で激しい議論のぶつかり合いがあった。これまでのルールを尊重する考え方と枠にとらわれないフレキシブルな考え方が対立して譲らなかった。双方に一理あるが、譲り合わないで対立が深まる。その中で、原点に立ち帰って、神の知恵を求めることにより、最後は、無事、解決に至った経験。神の知恵に感謝。

 

3)神のもとに立ち帰り、真理によって自由と命を得る。

・箴言3章

3:18知恵は、これを捕える者には命の木である、これをしっかり捕える人はさいわいである。
3:19主は知恵をもって地の基をすえ、悟りをもって天を定められた。・・・・・3:22それはあなたの魂の命となりあなたの首の飾りとなる。3:23こうして、あなたは安らかに自分の道を行き、あなたの足はつまずくことがない。

・箴言の「知恵」は、「キリストご自身」と読み替えると理解しやすい。ヨハネによる福音書では、キ

リストが「言葉(ギリシャ語でロゴス)、また、「真理」であると記していることと対比できる。

〇ヨハネ8章

8:31イエスは自分を信じたユダヤ人たちに言われた、「もしわたしの言葉のうちにとどまっておるなら、あなたがたは、ほんとうにわたしの弟子なのである。 8:32また真理を知るであろう。そして真理は、あなたがたに自由を得させるであろう」。

〇ヨハネ14章

14:6イエスは彼に言われた、「わたしは道であり、真理であり、命である。だれでもわたしによらないでは、父のみもとに行くことはできない。

・ご自分のいのちを投げ出してまで私たちを愛してくださるキリストの下に立ち帰って、共に歩む

ことが本物の知識、真理に至る道。イエスの言葉にとどまり、神様との関係を回復することにより、

真理を知ることが出来る。

・私たちは、過去の前例や人間的な権威、自分のプライドや憎しみ、金銭的な魅力などに縛ら

れて生きている。罪の奴隷とパウロは言っている。まことの神を畏れ、キリストの十字架による贖

いと復活を通じて、古い自分に死に、キリストと共に新しく生きる。私たちの中に宿ってくださる聖

霊の働きによって、もろもろの縛り、罪の奴隷状態から解放され、真の自由を得ることが出来る

ことは、本当に感謝に堪えません。

最後に、本日のメッセージのポイント3つを振り返って、終わりたいと思います、

 

「主を畏れることは知識の本なり」

―ソロモンの知恵と神の知恵―

(要旨)

1. 本日の聖書箇所のあらすじ

① 世を治める知恵を求めたソロモンの信仰

② 二人の女の争いの仲裁で示されたソロモンの知恵

③ ソロモンに与えられた祝福と最大の遺産「箴言」

 

2.ソロモンから学ぶこと

① 主を畏れることは知識の本

② 正義のぶつかり合いと神の知恵

③ 神のもとに立ち帰り、真理によって自由を得る

 

(祈り)

 

(3の3)関連聖句)

(箴言3章)

3:18知恵は、これを捕える者には命の木である、これをしっかり捕える人はさいわいである。
3:19主は知恵をもって地の基をすえ、悟りをもって天を定められた。・・・・・
3:22それはあなたの魂の命となりあなたの首の飾りとなる。
3:23こうして、あなたは安らかに自分の道を行き、あなたの足はつまずくことがない。

18 She is a tree of life(AC) to those who take hold of her; those who hold her fast will be blessed.19 By wisdom(AE) the Lord laid the earth’s foundations, by understanding he set the heavens(AG) in place; by his knowledge the watery depths were divided,and the clouds let drop the dew.3 Then you will go on your way in safety, and your foot will not stumble.

 

 

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