ミカ1:1-2:13 ミカ1『裁きは免れない、しかし』2022/01/02 けんたろ牧師

ミカ 1:1-2:13
1:1 モレシェテ人ミカにあった【主】のことば。これは、ユダの王ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代に、彼がサマリアとエルサレムについて見た幻である。
1:2 すべての民族よ、聞け。地とそこに満ちているものたちよ、耳を傾けよ。【神】である主は、あなたがたのうちで証人となり、主はその聖なる宮から来て証人となられる。
1:3 見よ。【主】は御住まいを出、降りて来て、地の高い所を踏まれる。
1:4 山々は主の足もとに溶け去り、もろもろの谷は裂ける。まるで、火の前の、ろうのように。坂に注がれた水のように。
1:5 これはみな、ヤコブの背きのゆえ、イスラエルの家の罪のゆえだ。「ヤコブの背きとは何か。サマリアではないか。ユダの高き所とは何か。エルサレムではないか。

アッシリアではティグラテ・ピレセル3世が王となり、ホセアやアモスの預言の通り、北イスラエル王国はアッシリア帝国によって滅ぼされようとしていた。
そんな中、ユダ王国で神の声を伝えていたのが預言者ミカである。
イザヤとは同じ時代、同じユダ王国で働きをしていた。

ミカ書は4つのセクションに分かれているが、それぞれのセクションごとに2つのテーマについて記されるという構成になっている。
ミカ書のメッセージは、それぞれのセクションに分けて4回に渡ってお話していこうと思う。
さて、最初のセクションはミカ書の1~2章である。

① イスラエルとユダの罪と裁き
ミカ書に記されている2つのテーマの一つは、イスラエルとユダへの裁きについて。
ミカはこのように記している。

1:2 すべての民族よ、聞け。地とそこに満ちているものたちよ、耳を傾けよ。【神】である主は、あなたがたのうちで証人となり、主はその聖なる宮から来て証人となられる。
1:3 見よ。【主】は御住まいを出、降りて来て、地の高い所を踏まれる。
1:4 山々は主の足もとに溶け去り、もろもろの谷は裂ける。まるで、火の前の、ろうのように。坂に注がれた水のように。
1:5 これはみな、ヤコブの背きのゆえ、イスラエルの家の罪のゆえだ。「ヤコブの背きとは何か。サマリアではないか。ユダの高き所とは何か。エルサレムではないか。

ヤコブとは北イスラエル王国のことであり、ユダは南ユダ王国を表している。
北イスラエル王国は今や倒されようとしており、ユダ王国もそれに次いで滅ぼされることが預言されている。
では、なぜ滅ぼされなければならないのか?
このセクションでは、3つの罪について記されている。

第一に、姦淫の罪。

ミカ 2:1 わざわいだ。不法を謀り、寝床の上で悪を行う者。朝の光とともに、彼らはこれを実行する。自分たちの手に力があるからだ。

権力や財力という力を持った人々は傲慢になり、寝所を汚す姦淫の罪を行った。

第二に、盗み取る罪。

ミカ 2:2 彼らは畑を欲しがって、これをかすめ、家々を取り上げる。彼らは人とその持ち家を、人とその相続地をゆすり取る。

これは強盗や泥棒だけに限らず、少しでも人の財産をかすめとって自分のものにしようとする欲深さである。

第三に、虚言の罪。

ミカ 2:6 「戯言を言うな」と彼らは戯言を言う。「そんな戯言を言ってはならない。辱めを受けることはない。」
2:7 ヤコブの家がそんなことを言われてよいものか。【主】がこれを我慢されるだろうか。これは主のみわざだろうか。私のことばは、まっすぐに歩む者に益とならないだろうか。

虚言とは、平たく言えば嘘のこと。
人々は虚言や甘言を持って人々を欺き、思うままに操ろうとする。
そうやって姦淫に誘い、騙し取るのだ。

このような罪のゆえに、イスラエルは裁きを受ける。
その裁きを免れることは誰にもできないのだ。

② 私たちの罪
私たちはどうだろう?
私たちはあからさまな姦淫の罪を犯したりはしないかもしれない。
でも、神さま以外のものにより頼む霊的姦淫を犯してしまいがちではないだろうか?

盗みはどうだろう?
私たちはあからさまな盗みを働いたりはしないかもしないが、神さまから祝福だけを盗み取ろうとしてはいないだろうか?
私たちが神さまへの愛を忘れて祝福だけを求めているなら、そこには霊的な盗みが起こっているのだ。

虚言の罪はどうだろう?
神さまを愛し、賛美するその言葉は表面的な虚言となってはいないだろうか?
心から神を愛し、神の声を聞き、その声に応答しているだろうか?

私たちもまた、罪の裁きを免れないのである。

③ 救い主の預言
そこで私たちには救い主が必要となる。
ミカ書のもう一つのテーマは救い主について。
少し判りにくいが、それぞれのセクションの中でメシヤの預言についても記されている。

ミカ 2:12 ヤコブよ。わたしは、あなたを必ずみな集め、イスラエルの残りの者を必ず呼び集める。わたしは彼らを、囲いの中の羊のように、牧場の中の群れのように、一つに集める。こうして、人々のざわめきが起こる。
2:13 打ち破る者は彼らの先頭に立って上って行く。彼らは門を打ち破って進み、そこを出て行く。彼らの王が彼らの前を、【主】が彼らの先頭を進む。」

ここではメシヤが、「イスラエルの残りのものを呼び集める存在」として描かれている。
この預言の成就について、イエスさまご自身がこのように話している。

マタイ 25:32 そして、すべての国の人々が御前に集められます。人の子は、羊飼いが羊をやぎからより分けるように彼らをより分け、
25:33 羊を自分の右に、やぎを左に置きます。
25:34 それから王は右にいる者たちに言います。『さあ、わたしの父に祝福された人たち。世界の基が据えられたときから、あなたがたのために備えられていた御国を受け継ぎなさい。

イエスさまが十字架にかかった時、牧場の門は打ち破られた。
そしてやがて、イスラエルだけでなく、全ての国の人々が御前に集められ、羊とやぎが分けられるときが来る。
その時、先頭を進む小羊なるイエスさまとともに歩んでいくなら、私たちは御国を受け継ぐことができるのだ。
主とともに歩もう。
そして、御国を受け継ぐ者となろうではないか。