ヨエル1:15-20 ヨエル書『主の日は近い』 2022/06/05 けんたろ牧師

ヨエル 1:15-20
1:15 ああ、その日よ。【主】の日は近い。全能者による破壊の日として、その日は来る。
1:16 私たちの目の前で、食物が断たれ、私たちの神の宮から喜びも楽しみも消え失せたではないか。
1:17 穀物の種は土の下で干からび、倉は荒れ果て、穴蔵は崩れた。穀物がしなびたからだ。
1:18 ああ、なんと家畜がうめいていることか。牛の群れはさまよう。牧場がないからだ。羊の群れも滅びる。
1:19 あなたに、【主】よ、私は呼び求めます。火が荒野の牧場を焼き尽くし、野のすべての木を炎がなめ尽くしました。
1:20 野の獣も、あなたをあえぎ求めています。水の流れが涸れ、火が荒野の牧場を焼き尽くしたからです。

ヨエル書は、いつ書かれたかが分からない預言書のひとつ。
確かなことは分からないが、預言書の中では一番最後に書かれたという説もある。

ヨエル書のテーマは「主の日」。
「主の日」は、神さまの計画に従って御業を表わす時のことだが、多くの場合神さまの裁きが起こる時を指している。
最終的には、終末の裁きへと繋がっている。

1:15 ああ、その日よ。【主】の日は近い。全能者による破壊の日として、その日は来る。

ヨエル書は、主による裁きについて記された書なのである。

① 主の日
1章では、「主の日」が過去に神さまが起こした災いのカタチで描かれている。

ヨエル 1:4 噛みいなごが残した物は、いなごが食い、いなごが残した物は、バッタが食い、バッタが残した物は、その若虫が食った。

それが2章では、無数の軍隊が押し寄せる光景へと変わっている。

ヨエル 2:3 彼らの前は火が焼き尽くし、うしろは炎がなめ尽くす。彼らが来る前は、この地はエデンの園のよう。しかし、去った後は、荒れ果てた荒野となる。これから逃れるものは何もない。
2:4 その姿は馬さながら、軍馬のように駆け巡る。

この軍隊の先頭には神さまご自身が立たれ、戦われる。
これによってイスラエルが裁きを受け、破壊されていくのである。
しかし、その最後の時まで、主の元に立ち返ることが求められている。
神さまは最後の最後まで、人々が悔い改めるのを待ってくださっている。

ヨエル 2:12 「しかし、今でも──【主】のことば──心のすべてをもって、断食と涙と嘆きをもって、わたしのもとに帰れ。」
2:13 衣ではなく、あなたがたの心を引き裂け。あなたがたの神、【主】に立ち返れ。主は情け深く、あわれみ深い。怒るのに遅く、恵み豊かで、わざわいを思い直してくださる。

② 主の応答
人々の間に心からの悔い改めが起こるとき、神さまはその戦いの手を留め、イスラエルを省みられる。

ヨエル 2:25 「いなご、あるいは、バッタ、その若虫、噛みいなご、わたしがあなたがたの間に送った大軍勢が食い尽くした年々に対して、わたしはあなたがたに償う。
2:26 あなたがたは食べて満ち足り、あなたがたの神、【主】の名をほめたたえる。主があなたがたに不思議なことをするのだ。わたしの民は永遠に恥を見ることがない。
2:27 あなたがたは、イスラエルの真ん中にわたしがいることを知り、わたしがあなたがたの神、【主】であり、ほかにはいないことを知る。わたしの民は永遠に恥を見ることはない。

主は裁きとしてのいなごを追いやり、荒れた地を癒して命を与え、主がともにいてくださることを、イスラエルも周りの人々も知ることになるのだ。

③ 主の日が来るとき
ヨエル書は、主の日が裁きによる破壊で終わるのではなく、悔い改めの後に起こる回復であることを教えている。

その時、全ての人々の上に聖霊に満たされて神さまの臨在を体験する。

ヨエル 2:28 その後、わたしはすべての人にわたしの霊を注ぐ。あなたがたの息子や娘は預言し、老人は夢を見、青年は幻を見る。
2:29 その日わたしは、男奴隷にも女奴隷にも、わたしの霊を注ぐ。

そして主は、いなごを散らすようにイスラエルの敵を散らし、勝利をもたらす。

ヨエル 3:18 その日には、山に甘いぶどう酒が滴り、丘には乳が流れ、ユダの谷川のすべてに水が流れ、泉が【主】の宮から湧き出て、シティムの渓流を潤す。
3:19 エジプトは荒れ果てた地となり、エドムは荒れ果てた荒野となる。彼らの、ユダの人々への暴虐のためだ。彼らはその地で、咎なき者の血を流した。
3:20 しかし、ユダは永遠に、エルサレムは代々にわたって人の住む所となる。
3:21 わたしは彼らの血の復讐をし、罰せずにはおかない。【主】はシオンに住む。」

神さまから離れた人々は「主の日」の災いによって主に立ち返り、神さまはその人々を憐れみ建て直す。
そして、神さまに立ち返る人々は全てが新しくされて、新しいイスラエルに住まう。
これがヨエル書で預言されているメッセージ。

④ あるペンテコステの出来事
さて、今日はペンテコステだが、使徒の働きではあるペンテコステの日に起こった出来事について記している。

使徒の働き 2:1 五旬節の日になって、皆が同じ場所に集まっていた。
2:2 すると天から突然、激しい風が吹いて来たような響きが起こり、彼らが座っていた家全体に響き渡った。
2:3 また、炎のような舌が分かれて現れ、一人ひとりの上にとどまった。
2:4 すると皆が聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、他国のいろいろなことばで話し始めた。

これは、預言されていた主の霊が注がれた結果である。

ペンテコステは日本語では五旬節とも呼ばれ、本来は収穫の祭りである。
それに先立つ最初の収穫の祭り(初穂の祭り)の日にイエスさまは十字架の死から蘇られ、後に続く私たちも新しい命が与えられ、同じようにされるというのが、ペンテコステの日に起こった奇跡が表わすことだった。

この聖霊が、イエスさまを救い主とするすべての人の内に注がれている。
もちろん、私たちの内にも!
私たちは、その事実をどれだけ理解しているだろうか?
そして、私たちの内に住んでくださる聖霊を、どれくらい感じているだろうか?
聖書の預言は、私たちの内にも実現しているのだ。