創世記3章 創世記3『悪魔の嘘』 2024/02/25 けんたろ
創世記 3:1-8
3:1 さて蛇は、神である【主】が造られた野の生き物のうちで、ほかのどれよりも賢かった。蛇は女に言った。「園の木のどれからも食べてはならないと、神は本当に言われたのですか。」
3:2 女は蛇に言った。「私たちは園の木の実を食べてもよいのです。
3:3 しかし、園の中央にある木の実については、『あなたがたは、それを食べてはならない。それに触れてもいけない。あなたがたが死ぬといけないからだ』と神は仰せられました。」
3:4 すると、蛇は女に言った。「あなたがたは決して死にません。
3:5 それを食べるそのとき、目が開かれて、あなたがたが神のようになって善悪を知る者となることを、神は知っているのです。」
3:6 そこで、女が見ると、その木は食べるのに良さそうで、目に慕わしく、またその木は賢くしてくれそうで好ましかった。それで、女はその実を取って食べ、ともにいた夫にも与えたので、夫も食べた。
3:7 こうして、ふたりの目は開かれ、自分たちが裸であることを知った。そこで彼らは、いちじくの葉をつづり合わせて、自分たちのために腰の覆いを作った。
3:8 そよ風の吹くころ、彼らは、神である【主】が園を歩き回られる音を聞いた。それで人とその妻は、神である【主】の御顔を避けて、園の木の間に身を隠した。
これまでは、神さまによる世界の創造と、神さまが創造した素晴らしい世界についてお話してきました。
そして、初めの人アダムとエバのことが描かれていましたね。
今日は堕天、つまり人が天から、神さまの創造から、神さまが創造した素晴らしい世界から堕ちてしまうという話です。
これは、現在のこの世界や、私たち人間を理解するうえで大切な出来事です。
そして、聖書の中にある神さまの計画を理解するうえでも大切なことです。
これを理解せず、今の私たちの価値観を中心に聖書を理解したり、クリスチャンとして生きようとすると、そこにある教えはまったく違うものになってしまいます。
目次
① 悪魔登場
さて、創世記の3章には、私たち人間にとっては敵である、悪魔が蛇の姿で登場し、エバを誘惑します。
なぜ蛇がしゃべるんだとか微妙に感じる部分もあるかもしれません。
蛇と訳されているこの言葉には、「光る者」という意味があるそうで、だったら「光る御使いがエバを誘惑した」と言われた方が私たちにはイメージしやすいですが、聖書には「野のけもの」と書かれていますし、この言葉は蛇と訳す方が一般的なので、蛇と訳されています。
聖書の他の箇所ではドラゴンとして登場したりもするので、やはりこの「蛇」というイメージも重要なのだと思います。
私たちは、「光」と聞くと良いイメージを持ちます。
神さまも、イエスさまも光として描かれたりするからです。
しかし、そのマネをして光を使い、私たちをだまそうとする存在、それが悪魔なのです。
さて、神さまが創造した完璧であるはずの世界に、なぜ悪魔のような存在がいたのでしょう?
「聖書にはっきりと書かれていないのでわからない」が正解ですが、この光の御使いは、私たち人間より先に神さまに背き、堕天した存在として聖書の中で描かれています。
そして、悪魔は聖書の中では「サタン」つまり「敵」と呼ばれています。
誰にとっての敵かと言えば、それは私たち人間にとっての敵です。
悪魔は、私たちを神さまから引き離し、神のように光をまとって私たちをだまし、自分を神として崇めさせようとするわけです。
こわいですね。
ちなみに、悪魔の名まえとして「ルシファー」という名まえも聞いたことがあると思いますが、これは聖書には出てきません。
「ルシファー」というのはラテン語で「光の天使」という意味の言葉で、それがいつのまにか名まえとされてしまったようですね。
② 悪魔のウソ
さて、悪魔の最大の武器は、ウソです。
神さまの言葉を捻じ曲げて、意味を変え、人を神さまから離そうとします。
まずは、創世記2章で神さまが命じていたことを確認しておきましょう。
創世記 2:16 神である【主】は人に命じられた。「あなたは園のどの木からでも思いのまま食べてよい。
2:17 しかし、善悪の知識の木からは、食べてはならない。その木から食べるとき、あなたは必ず死ぬ。」
それに対して、悪魔はこのように嘘を言ってエバを惑わしました。
「園の木のどれからも食べてはならないと、神は本当に言われたのですか。」(創世記3:1c)
エバはそうではないことを悪魔に伝えますが、嘘をついてさらに惑わします。
「あなたがたは決して死にません。それを食べるそのとき、目が開かれて、あなたがたが神のようになって善悪を知る者となることを、神は知っているのです。」(創世記3:4b-5)
ここにはいくつかのウソが隠れています。
- 神はあなたを束縛しようとしている
- 神はウソをついている
- あなたも神のようになれる
エバは、このウソを信じ、「自分も神のようになりたい」と思って善悪の知識のきから食べてしまいました。
神さまではなく、悪魔の言葉に従ってしまったのです。
そして、神さまではなくエバの言葉に従って、アダムもこの実を食べてしまいました。
二人は、神さまに背いたのです。
③ 悪魔のウソに惑わされないために
このとき悪魔が吹き込んだウソは、今も世界中に広がっています。
そして、多くの人たちがそれを信じ、人々を神さまから引き離そうとしています。
恐いのは、クリスチャンや牧師たちの中にも、このウソを信じている人たちがたくさんいることです。
そして、神さまではなく「自分たちが正しいと思うことに従うこと」をよしとしているのです。
悪魔は、私たちを惑わすために神さまの言葉を使ってウソをつきます。
私たちは、どうすればそのようなウソから自分を護ることができるのでしょうか?
第一に、神さまの言葉をよく知ることです。
聖書は難しいし、量が多くて読むのが大変なのは確かです。
しかし、神の言葉を捻じ曲げる悪魔に対抗するには、本物を知ることが大切です。
イエスさまが荒野で悪魔と対決した時もそうでした。
第二に、神さまをよく知ることです。
「神さまについて」知るだけではなく、神さまご自身を知るなら、私たちはもっと神さまの愛を受け取り、信頼できるのではないでしょうか?
神さまがどれほど私たちを愛し、私たちの幸せを願っているか、罪が持つ毒から私たちを自由にし、私たちを救いたいと願っているかがわかれば、私たちは簡単には惑わされません。
第三に、神さまから離れないことです。
アダムもエバも、神さまとともにいなかったときに道を外しました。
私たちもそうです。
私たちが道を踏み外し、失敗し、罪を犯すのは、神さまを忘れている時ではないでしょうか?
24時間1年中意識しているのはむりかもしれませんが、その時間をなるべく増やしましょう。
そして、道を踏み外しそうなときは、いつでも神さまを思い出し、立ち返ることです。
次回は、禁じられていた善悪の知識の木から食べた人類に何が起こったかということをお話ししていきたいと思います。