創世記 3:7-19 創世記4 『罪がもたらしたもの』 2024/03/03 けんたろ

創世記 3:7-19
3:7 こうして、ふたりの目は開かれ、自分たちが裸であることを知った。そこで彼らは、いちじくの葉をつづり合わせて、自分たちのために腰の覆いを作った。
3:8 そよ風の吹くころ、彼らは、神である【主】が園を歩き回られる音を聞いた。それで人とその妻は、神である【主】の御顔を避けて、園の木の間に身を隠した。
3:9 神である【主】は、人に呼びかけ、彼に言われた。「あなたはどこにいるのか。」
3:10 彼は言った。「私は、あなたの足音を園の中で聞いたので、自分が裸であるのを恐れて、身を隠しています。」
3:11 主は言われた。「あなたが裸であることを、だれがあなたに告げたのか。あなたは、食べてはならない、とわたしが命じた木から食べたのか。」
3:12 人は言った。「私のそばにいるようにとあなたが与えてくださったこの女が、あの木から取って私にくれたので、私は食べたのです。」
3:13 神である【主】は女に言われた。「あなたは何ということをしたのか。」女は言った。「蛇が私を惑わしたのです。それで私は食べました。」
3:14 神である【主】は蛇に言われた。「おまえは、このようなことをしたので、どんな家畜よりも、どんな野の生き物よりものろわれる。おまえは腹這いで動き回り、一生、ちりを食べることになる。
3:15 わたしは敵意を、おまえと女の間に、おまえの子孫と女の子孫の間に置く。彼はおまえの頭を打ち、おまえは彼のかかとを打つ。」
3:16 女にはこう言われた。「わたしは、あなたの苦しみとうめきを大いに増す。あなたは苦しんで子を産む。また、あなたは夫を恋い慕うが、彼はあなたを支配することになる。」
3:17 また、人に言われた。「あなたが妻の声に聞き従い、食べてはならないとわたしが命じておいた木から食べたので、大地は、あなたのゆえにのろわれる。あなたは一生の間、苦しんでそこから食を得ることになる。
3:18 大地は、あなたに対して茨とあざみを生えさせ、あなたは野の草を食べる。
3:19 あなたは、顔に汗を流して糧を得、ついにはその大地に帰る。あなたはそこから取られたのだから。あなたは土のちりだから、土のちりに帰るのだ。」

創世記は聖書を理解するうえで最も重要な書です。
神さまはこの世界を創造し、それは美しく、自由で素晴らしい世界でした。
人も、神さまの愛をいっぱいに受ける存在として創造され、この世界を管理する役割を任されるほどの信頼を受けていました。

しかし、そこに悪魔が現れ、人を神さまに背かせるよう誘惑しました。
「神のようになれる」という言葉に魅力を感じた人は、神さまに背き、罪人となってしまったのです。

① 神さまとの関係が壊れた
さて、罪人となった私たちに何が起こったでしょう?
まず、ありのままの自分で生きることができなくなりました。

3:7 こうして、ふたりの目は開かれ、自分たちが裸であることを知った。そこで彼らは、いちじくの葉をつづり合わせて、自分たちのために腰の覆いを作った。

ありのままの自分は罪人の自分なので、人は罪人としての自分を隠すため裸を覆おうとしたのです。
そして、人からも神さまからも隠れようとするようになりました。
神さまから離れ、恐れ、隠れようとするようになったということです。

3:9 神である【主】は、人に呼びかけ、彼に言われた。「あなたはどこにいるのか。」
3:10 彼は言った。「私は、あなたの足音を園の中で聞いたので、自分が裸であるのを恐れて、身を隠しています。」

神さまはすべてのものが見えるし分かっているので、神さまから隠れることはできません。
どうしてそんなことも分からなくなって、隠れようとするのでしょう?
それは、神さまとの関係を繋いでいた霊が死んでしまったからです。

② 人間同士の関係が壊れた
禁じていた善悪の知識の木から取って食べたアダムに、神さまは「禁じていた善悪の知識の木から取って食べたのか」と、アダムがその罪を告白するチャンスを与えます。
しかし、責められていると感じて恐れたアダムは、その責任を転嫁しようとしました。

3:12 人は言った。「私のそばにいるようにとあなたが与えてくださったこの女が、あの木から取って私にくれたので、私は食べたのです。」

アダムは、「肉からの肉、骨からの骨」とあれほど喜んでいたエバのせいにし、そればかりでなく、「そもそもそのエバを連れてきたのはあなただ」と、神さまのせいにもしました。
そこにあった信頼関係は、完全に壊れたのです。
そして、罪人となった結果、男は女を支配するようになり、男は家族を養うために汗水流して仕事をしなければならなくなりました。

3:16 女にはこう言われた。「わたしは、あなたの苦しみとうめきを大いに増す。あなたは苦しんで子を産む。また、あなたは夫を恋い慕うが、彼はあなたを支配することになる。」
3:17 また、人に言われた。「あなたが妻の声に聞き従い、食べてはならないとわたしが命じておいた木から食べたので、大地は、あなたのゆえにのろわれる。あなたは一生の間、苦しんでそこから食を得ることになる。

アダムとエバとの間にあった夫婦の関係も、互いに信頼し合い、愛し合う絆が壊れ、支配し、支配されるような関係となってしまいました。
私たちの社会にも人間関係のトラブルは絶えません。
生きていく上での一番の問題は、人間関係の問題だと言っても過言ではないでしょう。
これも全て、罪(人が神さまから離れてしまったこと)の結果なのです。

③ 生きることは辛くなった
人の罪の結果は、人の間だけに留まりませんでした。
私たちが生きるこの世界にも、その影響が及んだのです。
先ほど読んだ17節にも、「大地はあなたのゆえにのろわれる」と書かれています。
そして、永遠の存在として作られていた私たちも、死すべき存在となりました。

3:18 大地は、あなたに対して茨とあざみを生えさせ、あなたは野の草を食べる。
3:19 あなたは、顔に汗を流して糧を得、ついにはその大地に帰る。あなたはそこから取られたのだから。あなたは土のちりだから、土のちりに帰るのだ。」

神さまは、私たちに霊を吹き込んで命のある存在としていました。
この霊が、私たちの命の源だったのです。
しかし、神さまが「善悪の知識の木から取って食べると必ず死ぬ」と言っていた通り、人の霊は死んでしまいました。
それによって神さまとの関係が壊れたというのは先ほども言った通りですが、私たちの命の源である霊が死んでしまったので、私たちは生まれても、やがて死んでしまう存在となってしまいました。
ちりから作られたので、ちりに帰るのです。

私たちが生きていくうえで抱える様々な問題、人間関係のトラブル、戦争や紛争、飢餓、病、災害、そして死…。
そのすべては、人が神さまに背き、神さまとの関係が壊れた罪人となった結果です。
人が神さまに背き、離れた結果、神さまが創造した私たちも、そしてこの世界も、壊れてしまったのです。
壊れてしまったこの世界に生きる、壊れた私たち。
これこそが、聖書が教えている罪の根源です。
つまり、聖書が宣べ伝えている罪とは、法律を破ることでも非道徳的な行いのことでもなく、神さまが創造した素晴らしいものを壊してしまったことに対する罪なのです。

そして、この罪ゆえののろいから解放されるためには、私たちは罪の問題を根本から解決するしかないのです。
うすれば、罪の問題を根本から解決できるのでしょう?
それについては、次回お話ししたいと思います。