創世記 4:1-15 創世記6『カインの罪は何だったのか?』2024/03/24 けんたろ

創世記 4:1-15
4:1 人は、その妻エバを知った。彼女は身ごもってカインを産み、「私は、【主】によって一人の男子を得た」と言った。
4:2 彼女はまた、その弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは大地を耕す者となった。
4:3 しばらく時が過ぎて、カインは大地の実りを【主】へのささげ物として持って来た。
4:4 アベルもまた、自分の羊の初子の中から、肥えたものを持って来た。【主】はアベルとそのささげ物に目を留められた。
4:5 しかし、カインとそのささげ物には目を留められなかった。それでカインは激しく怒り、顔を伏せた。
4:6 【主】はカインに言われた。「なぜ、あなたは怒っているのか。なぜ顔を伏せているのか。
4:7 もしあなたが良いことをしているのなら、受け入れられる。しかし、もし良いことをしていないのであれば、戸口で罪が待ち伏せている。罪はあなたを恋い慕うが、あなたはそれを治めなければならない。」
4:8 カインは弟アベルを誘い出した。二人が野にいたとき、カインは弟アベルに襲いかかって殺した。
4:9 【主】はカインに言われた。「あなたの弟アベルは、どこにいるのか。」カインは言った。「私は知りません。私は弟の番人なのでしょうか。」
4:10 主は言われた。「いったい、あなたは何ということをしたのか。声がする。あなたの弟の血が、その大地からわたしに向かって叫んでいる。
4:11 今や、あなたはのろわれている。そして、口を開けてあなたの手から弟の血を受けた大地から、あなたは追い出される。
4:12 あなたが耕しても、大地はもはや、あなたのために作物を生じさせない。あなたは地上をさまよい歩くさすらい人となる。」
4:13 カインは【主】に言った。「私の咎は大きすぎて、負いきれません。
4:14 あなたが、今日、私を大地の面から追い出されたので、私はあなたの御顔を避けて隠れ、地上をさまよい歩くさすらい人となります。私を見つけた人は、だれでも私を殺すでしょう。」
4:15 【主】は彼に言われた。「それゆえ、わたしは言う。だれであれ、カインを殺す者は七倍の復讐を受ける。」【主】は、彼を見つけた人が、だれも彼を打ち殺すことのないように、カインに一つのしるしをつけられた。

素晴らしい世界、その世界の中で、神さまに似たものとして人は創造されました。
しかし、人は神さまから離れ、自分自身を神にしてしまった。
それによってこの世界は壊れてしまい、私たちは楽園には戻れなくなった、というのがこれまでの話しでした。

こうして、「神さまから離れた罪人となってしまった人はどのような存在になってしまったか」というのが、ここから先の旧約聖書の話しです。
今回は「カインとアベル」についての話ですが、納得がいかないという人たちが多い箇所ですので、解説しておいた方が良いかなと思います。

目次

① 神さまはえこひいき?

カインとアベルの話しの中で、多くの方が「納得いかない」と感じるのは、カインとアベルがささげ物を持ってきた時の神さまの態度であるようです。
神さまはアベルのささげ物を受け取ったけれど、カインのささげ物は受け取らなかった。
「これはえこひいきじゃないか!」と言うわけです。
そして、「こんなことをされたらカインが怒るのも当たり前だ」と言うんですね。
皆さんはどのように感じたでしょう?
神さまは、どうしてアベルのささげ物だけを受け取って、カインのささげ物は受け取らなかったのでしょうか?

4:3 しばらく時が過ぎて、カインは大地の実りを【主】へのささげ物として持って来た。
4:4 アベルもまた、自分の羊の初子の中から、肥えたものを持って来た。【主】はアベルとそのささげ物に目を留められた。
4:5 しかし、カインとそのささげ物には目を留められなかった。それでカインは激しく怒り、顔を伏せた。

カインが捧げたのは大地の実りで、アベルさ捧げたのは羊でした。
神さまは、羊を求めていた?
カインが持ってきたのは、ただの大地の実りだったけど、アベルは初子の肥えたものを持ってきた。
神さまは、アベルの心を受け取った。
そこには色んな説があるので、つまりはっきりとは分からないということです。
そして、はっきり分からないということは、そこがポイントではないということです。
問題は、カインが正しいささげ物を持ってこなかったところにあるのではなく、その時のカインの反動と、その後の行動にあるのです。

② カインの罪は何だったのか?

4:5 しかし、カインとそのささげ物には目を留められなかった。それでカインは激しく怒り、顔を伏せた。
4:6 【主】はカインに言われた。「なぜ、あなたは怒っているのか。なぜ顔を伏せているのか。
4:7 もしあなたが良いことをしているのなら、受け入れられる。しかし、もし良いことをしていないのであれば、戸口で罪が待ち伏せている。罪はあなたを恋い慕うが、あなたはそれを治めなければならない。」

カインの中にある問題のヒントは、7節にあります。
カインのささげ物が受け入れられなかったのは、何か問題があったからでした。
それによって、カインは自分の側に何か問題があることが分かったのです。
ではどうすればいいか、方向転換するということですよね?
迷路で行き止まりに当たったら、分岐点まで戻って違う道を行けばいい。
カインには、「神さまに聞いてみる」という別の方法もありました。
ところが、カインは行き止まりになっていることに怒り、正しい道を進んで弟を妬み、恨んで殺したのです。

さて、罪とは「神さまから離れて自分を神としている状態のこと」でしたよね?
カインの罪ももちろんそこに問題の根っこがあります。
恐らくは、心が神さまから離れていたのでそのささげ物は受け入れられなかったし、そこで方向転換せず、神さまにも尋ねず、勝手に怒って弟を殺してしまったのです。

③ 神さまに信頼する

私たちはどうでしょう?
カインと同じ失敗をしてしまってはいないでしょうか?
何かうまくいかない時、うまくいっている人を妬んだり、神さまを恨んだりしていないでしょうか?
それは、私たちの中にある罪人としての性質です。

カインとアベルの話を聞いて、「神さまが悪い」と思ってしまうのは、私たちがまさに罪人として反応してしまっている証拠です。
神さまを信頼できていないから、「神さまが悪い」と考えてしまうのです。
それに気づいたら、私たちがするべきことはシンプルです。
それは、神さまに立ち返り、神さまに信頼するということです。
そして、何かがうまくいかないなら神さまに尋ねてみてはどうでしょうか?

その返事が分からない、受け取れないということもあるかもしれません。
それでも神さを信頼して、尋ねて続けて視てください。
そして、「神さまはこう言っているかもしれない」と思ったら、そのように行動してみてください。
そこから道が拓かれるかもしれませんし、道は閉ざされたままかもしれません。
道が拓かれないなら、その状況を受け入れるということも必要なのかもしれない。
そうであったとしても、神さまに信頼し続けてください。
全てのことに勝って大切なのは、神さまとの関係だからです。