創世記13章 ロトとの別れ

アブラムとロト

エジプトで信仰的には失敗したアブラムでしたが、経済的には祝福されていました。
アブラムはとても裕福だったことが書かれていますね。
ファラオから与えられたものもありました(創世記12:16)が、もともと商人としてそれなりに成功していた人だったようです。

そんな折、彼らは約束の地であるカナンに戻ってきました。
そのころ、その土地には、カナン人とペリジ人が住んでいました。(創世記13:7)
後に出てくるように、彼らは町を形成していたのですが、アブラムたちは、町の人たちの生活とは違い、たくさんの家畜と一緒に移動しながら、遊牧民的な生活をしていたんです。

遊牧民のような生活を続けるためには、家畜を食べさせるために広大な土地が必要になります。
そこで、アブラムと甥のロトは話し合うことにしました。

創世記13:8 アブラムはロトに言った。「私とあなたの間、また私の牧者たちとあなたの牧者たちの間に、争いがないようにしよう。私たちは親類同士なのだから。
13:9 全地はあなたの前にあるではないか。私から別れて行ってくれないか。あなたが左なら、私は右に行こう。あなたが右なら、私は左に行こう。」

ロトは、豊かな地が広がっているのを見て、そちらを選ぶことにしました。
そこには、ソドムとゴモラという大きな町があって、都会的で経済的にも豊かな場所として見えていたようです。

ソドムとゴモラという名前は、有名なので耳にしたことがあるかもしれません。
この大きな町は、経済的には豊かだったかもしれませんが、人々は大敗して邪悪でした。
ロトはその豊かさに心惹かれて、遊牧民としての生活も捨て、ソドムの町の中で生活するようになっていきます。(創世記 13:12)
しかし、それが彼の人生を狂わせることになるわけですね。

アブラムへの祝福

一方で、神さまは再びアブラムに語りかけ、祝福の約束をしました。

創世記 13:14 ロトがアブラムから別れて行った後、【主】はアブラムに言われた。「さあ、目を上げて、あなたがいるその場所から北、南、東、西を見渡しなさい。
13:15 わたしは、あなたが見渡しているこの地をすべて、あなたに、そしてあなたの子孫に永久に与えるからだ。
13:16 わたしは、あなたの子孫を地のちりのように増やす。もし人が、地のちりを数えることができるなら、あなたの子孫も数えることができる。
13:17 立って、この地を縦と横に歩き回りなさい。わたしがあなたに与えるのだから。」

目に見える豊かさを選び、都会での生活に入っていったロトと比べて、アブラムに与えられたのは、約束だけでした。
生活は変わらない。
それどころか、すぐには何も変わらない。

しかし、未来に与えられていた約束は、途方もない大きさのものでした。
僕たちにも、約束が与えられています。
今は、何も変わったようには見えないかもしれない。
相変わらず、辛くてしんどい毎日かもしれない。
でも、そこには神さまからの永遠の祝福が約束されているんです。