申命記29:10-15(29:1-30:20)申命記14 『立ち返る者を迎えられる神』2026/10/38 けんたろ

申命記26:1-11(26:1-28:68)
26:1 あなたの神、【主】が相続地としてあなたに与えようとしておられる地に入って行き、それを占領し、そこに住むようになったときは、
26:2 あなたの神、【主】が与えようとしておられる地から収穫する、大地のすべての実りの初物の一部を取って、かごに入れ、あなたの神、【主】が御名を住まわせるために選ばれる場所へ行かなければならない。
26:3 そして、そのとき任務についている祭司のもとに行って、「今日、あなたの神、【主】に報告いたします。私は【主】が私たちに与えると父祖たちに誓われた地に入りました」と言いなさい。
26:4 祭司があなたの手からそのかごを受け取り、あなたの神、【主】の祭壇の前に置いたら、
26:5 あなたは、あなたの神、【主】の前で次のように告白しなさい。「私の父はさすらいのアラム人でしたが、わずかな人数を連れてエジプトに下り、そこに寄留しました。しかしそこで、強くて数の多い、大いなる国民になりました。
26:6 しかし、エジプト人は私たちを虐待し、苦しめ、私たちに激しい労働を課しました。
26:7 私たちが私たちの父祖の神、【主】に叫ぶと、【主】は私たちの声を聞き、私たちの苦しみと労苦と虐げられている有様をご覧になりました。
26:8 そこで、【主】は力強い御手と伸ばされた御腕によって、恐ろしい力と、しるしと不思議をもって私たちをエジプトから導き出し、
26:9 この場所に導き入れ、乳と蜜の流れる地、この地を私たちに与えてくださいました。
26:10 今ここに私は、【主】よ、あなたが私に与えてくださった大地の実りの初物を持って参りました。」あなたは、あなたの神、【主】の前にそれを供え、あなたの神、【主】の前で礼拝しなければならない。
26:11 あなたの神、【主】があなたとあなたの家に与えられたすべての恵みを、あなたはレビ人および、あなたがたのうちの寄留者とともに喜びなさい。

申命記29〜30章は、申命記全体の締めくくりに向かう非常に重要な箇所です。
26〜28章では「祝福と呪い」が語られました。
すると自然に一つの疑問が生まれます。
もしイスラエルが失敗したらどうなるのでしょう?
神との契約を破ってしまったらもう終わりなのか。
呪いを受けて滅びるしかないのでしょうか?
その答えが今回のお話しです。

1. 神は契約を忘れない(29章)

29章ではモーセが改めて契約を更新します。
ホレブ(シナイ山)で結ばれた契約を、新しい世代がもう一度確認するのです。

申命記 29:10a 今日あなたがたはみな、あなたがたの神、【主】の前に立っている。…
申命記 29:12 それは、あなたの神、【主】が今日あなたと結ばれる、あなたの神、【主】の契約とのろいの誓いとにあなたが入るためであり、
申命記 29:13 …今日あなたを立ててご自分の民とし、またご自分があなたの神となられるためである。

エジプトを出た世代の多くは、すでに荒野で死にました。
これから約束の地へ入るのは、その子どもたちの世代です。
そこで神さまは、この契約は親の世代だけのものではなく、今ここにいる人々だけのものでもないと言われます。
この契約は、これから生まれてくる世代にも及ぶ契約なのです。

2. 人は神から離れてしまう(29:18-29)

29章の後半は、かなり厳しい話となっていきます。
民は約束の地に入り、豊かになり、多くの祝福を受けるでしょう。
しかし、その祝福の中で神さまを忘れてしまってはならないのです。
もしそうなれば、28章までで言われていいたように、イスラエルはのろいを受けることになるでしょう。
これは申命記全体で繰り返し語られてきた警告でした。

ソドムやゴモラを始め、さまざまな民族が滅んできたことを彼らは知っています。
だからこそ、イスラエルはその道を歩んではならない。
大切なのは神さまから離れないことです。
神さまから離れるなら、イスラエルもこれから与えられる地を失うことになるというのが、神さまからの警告なのです。

3. それでも神は回復の道を備えられる(30章)

しかし、イスラエルはそのような失敗をすることになることを私たちは知っています。
神様も、この時点ですでにそのことを予期していました。
イスラエルはやがて、契約を破り、神さまから離れ、散らされることになります。
しかしそこで話は終わらないのだと、神さまは言っているのです。
「あなたが立ち返るなら」失敗しても終わりではない。
厳しい裁きはある。
しかし、その後にも希望があるというのが、神さまの愛であり福音なのです。

4. 神が人の心を変えてくださる(30:6)

30章に表される希望はそこで終わりません。
少し遡って10章では、このように書かれていました。

申命記 10:16 あなたがたは心の包皮に割礼を施しなさい。もう、うなじを固くする者であってはならない。

これは、心を開いて神さまを受け入れなさいという、悔い改めを迫る言葉です。
ところが、30章ではこのように書かれています。

申命記 30:6 あなたの神、【主】は、あなたの心と、あなたの子孫の心に割礼を施し、あなたが心を尽くし、いのちを尽くして、あなたの神、【主】を愛し、そうしてあなたが生きるようにされる。

神さまご自身が、人の心の内側に働いてくださるというのです。
私たちは、自分の力だけでは変われないということがあります。
しかし神さまは人の内側に働いてくださると約束しているのです。
これは、新約の時代になって、聖霊が注がれることによって実現します。
イスラエルが努力によっては成し遂げられなかった心を開いた神さまとの関係を、聖霊が成し遂げてくださるのです。

5. いのちを選びなさい(30:19-20)

そして30章は、神さまとの関係への招きの言葉を結論として閉じられていきます。

申命記 30:19 私は今日、あなたがたに対して天と地を証人に立てる。私は、いのちと死、祝福とのろいをあなたの前に置く。あなたはいのちを選びなさい。あなたもあなたの子孫も生き、
30:20 あなたの神、【主】を愛し、御声に聞き従い、主にすがるためである。まことにこの方こそあなたのいのちであり、あなたの日々は長く続く。あなたは、【主】があなたの父祖、アブラハム、イサク、ヤコブに与えると誓われたその土地の上に住むことになる。

神さまと共に歩む道にはいのちがあります。
神さまから離れる道には滅びがあります。
モーセは、「あなたたちはいのちを選びなさい」と叫んでいます。

結び

申命記29〜30章は、契約の更新について語っています。
しかし、その中心は「契約を破るな」という警告ではありません。
むしろ、「たとえ失敗しても、神さまのもとへ立ち返りなさい」という招きです。

イスラエルは失敗したように、私たちも失敗します。
自分の力だけでは、神さまを愛し続けることも、従い続けることもできません。
しかし神さまは、そのことをご存じでした。
だから神さまは、私たちを見捨てるのではなく、心に働きかけ、立ち返る道を備えてくださいました。
そしてその約束は、イエス・キリストによって完成しました。
だから私たちは、失敗したときに神さまから逃げるのではなく、神さまのもとへ帰ればよいのです。

今日も神さまは、「あなたはいのちを選びなさい」と招いておられます。
私たちも神さまを愛し、その御声に聞き従いながら、いのちの道を歩んでいこうではありませんか。
祈りましょう。