出エジプト記1章 イスラエルの繁殖力
ヨセフを知らないエジプト
ヨセフが死んでから300年ほどの月日が経ったところから出エジプト記の話は始まります。
300年の間に、エジプトでは別の民族が支配を広げました。
出エジプト 1:8 やがて、ヨセフのことを知らない新しい王がエジプトに起こった。
ヨセフの時代に支配していたヒクソスは、新王国のアフメス1世によって倒され、それまでに増えてきたイスラエルの人々も奴隷となってしまったのです。
新王国は、数があまりにも多くなったイスラエルを支配するために、過酷な労働を強いました。
出エジプト 1:11 そこで、彼らを重い労役で苦しめようと、彼らの上に役務の監督を任命した。また、ファラオのために倉庫の町ピトムとラメセスを建てた。
ここにラメセスという町が建築されている所から、この時代はラメセス1世の時代だったのではないかと言われています。
そして、モーセが対決することになるファラオはラメセス2世ではないかと言うのが多くの学者が考えるところです。
映画「十戒」や、アニメ「プリンス・オブ・エジプト」でもこの説が採用されていますね。
増加するイスラエル
注目すべきはイスラエルの生命力と繁殖力の強さです。
イスラエルがあまりにもすごい勢いで増えるので、エジプトの人々も恐れていました。
出エジプト 1:9 彼は民に言った。「見よ。イスラエルの民はわれわれよりも多く、また強い。
1:10 さあ、彼らを賢く取り扱おう。彼らが多くなり、いざ戦いというときに敵側についてわれわれと戦い、この地から出て行くことがないように。」
イスラエルを支配するため、エジプトは彼らに激しい労働を負わせますが、彼らはますます増え広がってしまいます。
出エジプト 1:12 しかし、苦しめれば苦しめるほど、この民はますます増え広がったので、人々はイスラエルの子らに恐怖を抱くようになった。
クリスチャンも、このような強さを持っています。
迫害を受け、苦しめられれば苦しめられるほど、時代の中でクリスチャンも増え広がってきました。
しかし今は、返って甘やかされ、生命力が著しく弱くなっているように思います。
何かちょっとでも嫌な思いをしたら、信仰を失ってしまう。
それって本当に信仰があったのかなぁとも思いますが、神さまと共に歩むものは本来、凄まじい強さを持っています。
あまりにも強い繁殖力を持つイスラエルを何とかするため、エジプトはイスラエルの家に男子が生まれたら殺すようにと命じます。
女子が生まれると生かしておき、エジプト人と結婚させて力を奪ってしまおうとしたわけです。
しかし、このような残酷な作戦によって、そこには神さまの計画が実現する土台が作り上げられていくのです。