出エジプト記29章 祭司任職式(29:1–46)
1. 任職式の目的と準備(29:1–3)
「彼らを聖別して、祭司としてわたしに仕えさせるために行うべきことは次のとおりである。」(29:1)
これは
-
祭司職が神によって聖別される務めであること
-
任職式が“神の前に立つ者”を整える儀式であること
-
奉仕は人間の資格ではなく神の選びによること
を示す言葉。
準備するものは 一頭の雄牛、二頭の雄羊、種なしパン、輪形のパン、油を混ぜたパン(29:2–3)。
すべてが 聖別のための献げ物。
2. 水で洗うことと装束の着用(29:4–9)
「アロンとその子らを会見の天幕の入口に連れて来て、水で洗う。」(29:4)
これは
-
神の前に立つ者がまず“清められる”こと
-
礼拝の奉仕は清さから始まること
-
水で洗うことが新しい務めへの象徴的な出発であること
を示す。
水で洗った後、 アロンは エポデ・胸当て・上着・冠 を身につける(29:5–6)。
これは前章で示された「栄光と美しさのための衣」。
アロンの子らには 「上着を着せ、帯を締め、帽子をかぶらせる」(29:8–9)。
「祭司職は永遠の務めである。」(29:9) 祭司職が世代を超えて継承されることが強調される。
3. 油による聖別(29:7)
「注ぎの油を取り、彼の頭に注いで彼を聖別する。」
油は
-
神の霊の象徴
-
奉仕者が神のために区別されること
-
神の力と導きが与えられること
を示す。
祭司任職式の中心的な行為。
4. 罪のためのいけにえ:雄牛(29:10–14)
「罪のためのいけにえとして雄牛をささげる。」(29:10)
アロンとその子らは 雄牛の頭に手を置く(29:10)。
これは 罪の転嫁 を象徴する。
雄牛は 「主の前でほふられ」(29:11)、 血は祭壇の角に塗られる(29:12)。
これは
-
罪が血によって処理される
-
祭司自身も罪の赦しを必要とする
-
奉仕は赦しの上に成り立つ
ことを示す。
肉・皮・糞は宿営の外で焼かれる(29:14)。
罪のいけにえは完全に処理され、 神の前に残されない。
5. 全焼のいけにえ:第一の雄羊(29:15–18)
「雄羊を取り、アロンとその子らはその頭に手を置く。」(29:15)
雄羊は 「全焼のいけにえ」としてささげられる(29:18)。
これは
-
奉仕者が全身全霊を神に献げる
-
神への献身の象徴
-
香ばしい香りとして主に受け入れられる
ことを示す。
全焼のいけにえは 完全な献身 の象徴。
6. 任職のいけにえ:第二の雄羊(29:19–28)
「任職のための雄羊を取り、アロンとその子らはその頭に手を置く。」(29:19)
この雄羊は 任職式の中心となる献げ物。
● 血の塗布(29:20)
「その血をアロンの右の耳たぶ、右手の親指、右足の親指につける。」
これは
-
耳:神の声を聞く
-
手:神の働きを行う
-
足:神の道を歩む
という祭司の務め全体を象徴する。
同じことがアロンの子らにも行われる(29:20)。
● 血と油の振りかけ(29:21)
「血と油を彼らに振りかける。」
これは 祭司が 血(赦し)と油(聖別) によって整えられることを示す。
● 任職の部分(29:22–28)
雄羊の脂肪・尾・腎臓・右のももが 任職の献げ物としてささげられる。
アロンとその子らは 「これを主の前で揺り動かす」(29:24)。
これは献げ物を神に捧げる象徴的行為。
7. 任職式の食事(29:31–34)
「任職の雄羊の肉をゆで、会見の天幕の入口で食べる。」(29:31)
これは
-
奉仕者が神との交わりに入る
-
任職式が“契約の食事”である
-
神の前での共同体的な交わり
を示す。
肉やパンは 「聖なる場所で食べる」(29:32)。
残ったものは翌日まで残してはならない(29:34)。
任職式の聖さが強調される。
8. 七日間の任職式(29:35–37)
「七日間、彼らの任職式を行う。」(29:35)
七は完全数。 任職式が 完全な聖別の期間 であることを示す。
祭壇も七日間聖別される(29:36–37)。
祭壇が聖なるものとなり、 「祭壇に触れる者は聖なる者となる」(29:37)。
9. 神が民と共に住まわれる約束(29:38–46)
任職式の最後は、 神の臨在の約束で締めくくられる。
「わたしは彼らの神となる。」(29:45)
これは
-
神が民と共に住まわれる
-
祭司の務めが神の臨在の中心となる
-
礼拝が神と民の交わりを形づくる
ことを示す。
「わたしは彼らのうちに住む。」(29:46) 幕屋の目的が明確に示される。
まとめ
出エジプト記29章は、 祭司任職式という“神の前に立つ者を整える儀式”を示す章。
-
洗いは清めの象徴
-
衣は栄光と美しさ
-
油は聖別
-
雄牛は罪の赦し
-
第一の雄羊は献身
-
第二の雄羊は任職の中心
-
血は耳・手・足を聖別
-
食事は神との交わり
-
七日間の儀式は完全な聖別
-
最後に神の臨在の約束が与えられる
29章は、 神の前に立つ者がどれほど深く整えられ、聖別されるべきか を示す章。
新約では、 キリストが完全な大祭司としてこの任職式のすべてを成就する。

