第二サムエル記 9章 メフィボシェテへの恵み:契約の忠実(9:1–13)
1. ダビデの問いかけ:ヨナタンとの契約を思い起こす(9:1–3)
① ダビデの問い
-
「サウルの家の者で、まだ誰か残っている者はないか」
-
ダビデは“恵みを施すために”探している
-
過去の敵ではなく、契約の相手ヨナタンを思い起こす
② ヨナタンとの契約
-
ダビデとヨナタンは互いの家を守る契約を結んでいた(1サム20章)
-
ダビデはその契約に忠実であろうとしている
③ ジバの登場
-
サウル家のしもべジバが呼ばれる
-
ジバはサウル家の事情をよく知る人物
-
メフィボシェテの存在を知らせる
ダビデの問いは「敵を探すため」ではなく、「恵みを施すため」。
王としての姿勢が“契約の忠実”に根ざしている。
2. メフィボシェテの紹介:弱さと孤立の中にある人物(9:4–6)
① メフィボシェテの居場所
-
ロ・デバルに住んでいる
-
荒れた地、名もない場所
-
サウル家の没落を象徴するような環境
② 身体の状態
-
「両足が不自由」
-
自力で王宮に来ることもできない
-
弱さと無力さを抱えた人物
③ ダビデの呼び出し
-
メフィボシェテは恐れながら王の前に来る
-
サウル家の者として、処罰を恐れていた可能性が高い
メフィボシェテは“王にとって価値ある人物”ではなく、 むしろ“弱く、何も返せない者”。
ここにダビデの恵みの深さが際立つ。
3. ダビデの宣言:ヨナタンのゆえに恵みを施す(9:7–8)
① ダビデの言葉
-
「恐れるな」
-
「私はあなたに恵みを施す」
-
「あなたの父ヨナタンのゆえに」
② 恵みの内容
-
サウルの土地をすべて返す
-
王の食卓で常に食事をする特権を与える
-
王家の一員として扱う
③ メフィボシェテの反応
-
「私は死んだ犬のような者です」
-
自分には価値がないと感じている
-
ダビデの恵みの大きさに圧倒される
ダビデの恵みは“契約の忠実”に基づく。
メフィボシェテの価値ではなく、ヨナタンとの契約が根拠。
4. ジバへの命令:サウル家の財産管理(9:9–11)
① ジバへの指示
-
ジバとその息子・しもべがサウルの土地を耕す
-
収穫はメフィボシェテのために納める
-
メフィボシェテは王の食卓で食事をする
② ジバの従属
-
ジバは「そのとおりにいたします」と答える
-
メフィボシェテは王家の一員として扱われる
③ 王宮での生活
-
メフィボシェテは「王の息子の一人のように」王の食卓につく
-
社会的地位が完全に回復される
メフィボシェテは“王の食卓”という最高の特権を受ける。
これは単なる慈善ではなく、王家の一員としての採用。
5. 結び:メフィボシェテの生活(9:12–13)
① 家族
-
メフィボシェテには息子ミカがいた
-
サウル家の血統が守られる
② エルサレムでの生活
-
王の食卓で常に食事をする
-
両足は不自由のまま
-
弱さを抱えながらも、王の恵みの中で生きる
補足: メフィボシェテの弱さは消えない。
しかし彼は“王の恵みの中で生きる者”として新しい身分を得た。
まとめ
-
ダビデはヨナタンとの契約に忠実であり、サウル家の弱い者を探して恵みを施した。
-
メフィボシェテは弱く、何も返せない人物だったが、ダビデは彼を王家の一員として迎えた。
-
サウルの土地は返され、メフィボシェテは王の食卓で常に食事をする特権を得た。
-
この章は、「契約の忠実」 と 「恵みの一方的な性質」 を強調し、 神の恵みが弱い者に向けられることを象徴的に示す。

