エズラ記 6章 神殿完成:神の主権の勝利(6:1–22)
1. キュロスの勅令発見:神が歴史を支配される(6:1–5)
① ダレイオス王の調査
- ダレイオス王が記録文書の捜索を命じる
- バビロンの文書庫を調べる
- キュロス王の勅令の存在を確認しようとする
神殿再建の正当性が帝国の公文書によって検証されることになる。
② エクバタナでの発見
- メディア地方のエクバタナで文書が見つかる
- キュロス王の正式な勅令だった
- 神殿再建の命令が記録されていた
③ 勅令の内容
- 神殿再建を許可する
- 神殿の大きさを定める
- 帝国が費用を支援する
- 神殿の器を返還する
神は過去に出された王の命令を用いて再建を守られた。
補足:
ユダ人たちは政治的な力を持っていなかった。
しかし神は何十年も前の文書さえ保存し、ご自身の計画のために用いられた。
2. ダレイオス王の命令:敵が支援者へ変えられる(6:6–12)
① 妨害の禁止
- タテナイたちに干渉しないよう命じる
- 神殿工事を続けさせる
- 妨害を禁じる
妨害者たちの計画は完全に覆された。
② 費用の支給
- 王の財源から支払う
- 工事を止めてはならない
- 必要物資を提供する
③ 礼拝への支援
- 雄牛
- 雄羊
- 子羊
- 塩
- 小麦
- ぶどう酒
- 油
神殿礼拝に必要なものまで供給される。
④ 王の願い
- 王と王子たちのために祈るよう命じる
- 神の祝福を求める
- 異邦の王が神を畏れる姿が見える
⑤ 厳しい保護命令
- 勅令を破る者は罰せられる
- 神殿を守る法的措置が取られる
- 神の名を住まわせる場所への敬意
補足:
敵を通して建設を止めようとしたサタンの働きは、逆に王の支援を強める結果になった。
神は妨害さえも用いてご自身の計画を前進させることがおできになる。
3. 神殿完成:預言者たちの励ましの実り(6:13–15)
① 工事の進展
- タテナイたちは王の命令に従う
- 建設は順調に進む
- 再び中断されることはない
② 預言者たちの働き
- ハガイ
- ゼカリヤ
神のことばが民を支え続けた。
③ 神殿完成
- ダレイオス王第六年
- 神殿が完成する
- 捕囚帰還後約20年を経て実現
④ 神の命令の成就
- 神の命令によって建てられた
- キュロス
- ダレイオス
- (後に)アルタシャスタ
異邦の王たちも神の計画の中で用いられている。
補足:
完成の最大の理由は建築技術でも資金でもない。
神のことばと神の導きが民を支え続けたことである。
4. 神殿奉献式:礼拝共同体の回復(6:16–18)
① 喜びの奉献
- 祭司
- レビ人
- 帰還した民
大きな喜びをもって奉献を行う。
② ささげ物
- 雄牛100頭
- 雄羊200頭
- 子羊400頭
- 罪のきよめのささげ物として雄やぎ12匹
イスラエル十二部族全体を代表するささげ物が献げられる。
③ 礼拝秩序の回復
- 祭司を組ごとに配置
- レビ人を班ごとに配置
- モーセの律法に従う
神殿だけでなく礼拝制度そのものが回復される。
補足:
第二神殿はソロモン神殿より小規模だった。
しかし重要なのは規模ではなく、神への礼拝が再び行われることだった。
5. 過越の祭り:新しい出エジプト(6:19–22)
① 過越の祭りの実施
- 第一月十四日
- 帰還民が祝う
- 捕囚からの回復を記念する
② 祭司とレビ人の清め
- 自らを清める
- 民のために奉仕する
- 聖い礼拝を守る
③ 共に礼拝する人々
- 帰還者たち
- 異邦人の汚れから離れた者たち
神を求める者たちが共に礼拝する。
④ 喜びの祭り
- 種なしパンの祭りを七日間守る
- 主が彼らを喜ばせてくださった
- アッシリアの王の心を変えてくださった
神の祝福の中で祭りが行われる。
補足:
過越の祭りは、エジプトからの救いを記念する祭りである。
ここでは捕囚からの帰還が「新しい出エジプト」のように描かれている。
まとめ
- ダレイオス王の調査によってキュロス王の勅令が発見された。
- 神殿再建の正当性が正式に確認された。
- 妨害者たちは工事を止めるどころか支援する立場へ変えられた。
- ハガイとゼカリヤの励ましの中で神殿は完成した。
- 奉献式が行われ、祭司制度と礼拝秩序が回復された。
- 過越の祭りを祝い、神の救いを改めて感謝した。
- この章は、**「神の計画はどんな妨害によっても止められず、神は歴史と諸国の王たちを支配してご自身の約束を成就される」**という神学的教訓を示している。

