第一コリント 16章 愛と奉仕のうちに歩む(16:1-24)
背景
① 第一コリントの締めくくり
16章は第一コリントの結論部分である。
これまでパウロは、
- 分裂
- 不品行
- 結婚
- 自由
- 礼拝
- 賜物
- 復活
について教えてきた。
そして最後に、実際の教会生活に関わる勧めと挨拶を記している。
② 教理から実践へ
15章では復活という壮大な教理が語られた。
16章では、
- 献金
- 奉仕者への態度
- 教会間の交流
- 愛による歩み
という具体的実践へ移る。
③ エルサレム教会への献金
当時エルサレムの信徒たちは困窮していた。
そこでパウロは、異邦人教会による援助を進めていた。
これは単なる慈善活動ではなく、教会の一致を表す働きでもあった。
④ 本章の中心テーマ
16章全体には、「愛によって仕え、主の働きに励みなさい」という勧めが流れている。
16章は単なる挨拶の章ではない。
第一コリント全体で教えられた信仰を、教会生活にどう適用するかを示している。
1. 聖徒たちのための献金(16:1-4)
① エルサレム教会への支援
パウロは、エルサレムの聖徒たちのための献金について指示する。
② 計画的な献げ物
信徒たちは、「週の初めの日ごとに」献金を蓄えておくよう勧められる。
③ 各自の祝福に応じて
献金は強制ではない。
神から受けた恵みに応じて行うものである。
④ 混乱を避ける
パウロは、自分が到着してから慌てて集めることがないよう配慮している。
⑤ 教会の交わりの表れ
献金は金銭のやり取りではなく、教会同士の愛と一致の表現であった。
献金の中心は金額ではなく、神の恵みに対する応答と兄弟姉妹への愛である。
2. パウロの働きの計画(16:5-9)
① コリント訪問の希望
パウロは、マケドニアを通った後にコリントを訪問したいと考えていた。
② 短い訪問ではなく
ただ立ち寄るのではなく、しばらく滞在したいと願っている。
③ 主のみこころへの従順
しかし最終的には、「主がお許しになるなら」と語る。
④ エペソでの働き
当時パウロはエペソに滞在していた。
⑤ 開かれた大きな門
有名な言葉が語られる。
「大きくて有望な働きの門が開かれています。」
しかし同時に、多くの反対者もいた。
神が門を開かれる場所には、しばしば反対も存在する。
困難の存在が神の導きの否定とは限らない。
3. 主の働き人を尊びなさい(16:10-12)
① テモテへの配慮
パウロは、テモテが安心して働けるよう願う。
② 若い奉仕者への尊敬
テモテは比較的若かった。
そのため軽んじられる可能性があった。
③ 主の働きをしている者
テモテもまた、主の働きに従事している奉仕者であった。
④ 平安のうちに送り出す
教会は彼を歓迎し、平安のうちに送り出すべきであった。
⑤ アポロについて
アポロも尊敬される奉仕者であった。
しかし働きの時期については、主の導きを見ながら行動していた。
教会は奉仕者を偶像化するべきではない。
しかし同時に、神に仕える働き人を敬い支えるべきである。
4. 信仰に堅く立ちなさい(16:13-14)
① 目を覚ましていなさい
パウロは短く力強い勧告を与える。
「目を覚ましていなさい。」
② 信仰に堅く立つ
教会は、偽りの教えや誘惑に流されてはならない。
③ 雄々しくあれ
信仰において勇気を持つことが求められる。
④ 強くありなさい
神への信頼において立ち続けるよう勧められている。
⑤ 愛によって行う
しかし最後に最も重要なことが加えられる。
「すべてを愛をもって行いなさい。」
これは第一コリント全体のまとめとも言える。
強さだけでは十分ではない。
愛のない強さは教会を傷つける。
愛がすべての行動を導かなければならない。
5. 奉仕する人々への尊敬(16:15-18)
① ステパナの家族
ステパナの家族は、アカヤで最初の回心者たちであった。
② 聖徒たちへの奉仕
彼らは進んで教会に仕えていた。
③ 従うべき模範
パウロは、そのような人々を尊重するよう勧める。
④ 教会を励ます奉仕
彼らはパウロ自身をも励ましていた。
⑤ 感謝すべき存在
そのような奉仕者たちは、教会にとって神の賜物である。
真のリーダーシップは地位ではなく奉仕によって示される。
6. 最後の挨拶と愛の勧告(16:19-24)
① 諸教会からの挨拶
アジア州の諸教会が挨拶を送る。
② アクラとプリスカ
パウロの同労者である夫婦も挨拶を送っている。
③ 教会の交わり
初代教会は、地域を超えた交わりを持っていた。
④ 主を愛することの重要性
パウロは、主を愛さない者への厳粛な警告を与える。
⑤ 「マラナ・タ」
「主よ、来てください。」
という再臨への祈りである。
⑥ 愛をもって締めくくる
最後にパウロは、コリント教会への愛を表明して手紙を終える。
第一コリントは厳しい戒めに満ちているが、その根底にはパウロの深い愛が流れている。
神学的意味
① 献金は愛と一致の表現である
- 神への感謝
- 兄弟姉妹への愛
- 教会の一致
を表している。
② 神の働きには協力が必要である
- 宣教者
- 教師
- 奉仕者
が共に働く。
③ 信仰には警戒と勇気が必要である
- 目を覚まし
- 信仰に立ち
- 忍耐する
ことが求められる。
④ 愛がすべての基準である
- 奉仕も
- 指導も
- 献金も
愛によって行われるべきである。
⑤ 教会は互いに仕え合う共同体である
- 尊重し合い
- 励まし合い
- 支え合う
よう召されている。
⑥ 再臨の希望が信仰を支える
- 主は再び来られる
- 神の国は完成する
- 信徒の希望は確実である
⑦ キリストとの関係
キリストは、
- 教会の主
- すべての奉仕の目的
- 信徒を一つにされる方
- 再び来られる王
である。
第一コリントは、すべての問題の解決をキリストのうちに見出して終わっている。
まとめ
- 第一コリント16章は手紙全体の結論である。
- 献金は教会の愛と一致を表している。
- パウロは主の導きの中で働きを進めていた。
- 教会は奉仕者を尊重すべきである。
- 信徒は信仰に堅く立たなければならない。
- すべてのことを愛をもって行うべきである。
- 奉仕する人々は教会の祝福である。
- 教会は地域を超えて一つの共同体である。
- 再臨の希望が信徒を支えている。
「キリスト者は主の再臨を待ち望みながら、愛をもって仕え合い、神の働きに忠実に励み、教会を建て上げていくべきである」

