ルカ6:12-19 十二使徒の任命
祈りの中で選ばれた人々
ルカ福音書では、安息日を巡る論争によって宗教指導者たちとの対立が深まっていきます。
そのような中でイエスは、これからの働きを担う弟子たちを選ばれます。
しかし興味深いことに、イエスはいきなり弟子を任命されたのではありませんでした。
まず山に登り、
一晩中、神に祈っておられた。
と記されています。
ルカ福音書は特に「祈るイエス」の姿を強調します。
重要な決断の前に、イエスはいつも父なる神との交わりを大切にされました。
十二使徒の選出も、人間的な判断や人気投票によるものではなく、祈りの中でなされた神のご計画だったのです。
十二人が選ばれた意味
夜が明けると、イエスは弟子たちの中から十二人を選び、
「使徒」
と呼ばれました。
使徒とは「遣わされた者」という意味です。
この十二人は単なる学びの仲間ではなく、後に福音を世界へ伝えるために特別に任命された人々でした。
また「十二」という数字にも意味があります。
旧約聖書ではイスラエルは十二部族から成り立っていました。
イエスは十二人を選ぶことで、新しい神の民の始まりを示しておられたのです。
驚くべき弟子たちの顔ぶれ
選ばれた人々を見ると、決して特別なエリート集団ではありません。
漁師のシモン・ペテロやヤコブ、ヨハネがいます。
取税人マタイもいます。
さらに熱心党員シモンもいます。
熱心党員はローマ支配に強く反発していた人々ですから、ローマに協力していた取税人マタイとは本来なら対立する立場でした。
それでもイエスは、背景も性格も異なる人々を一つの共同体として集められました。
そしてその中には、後にイエスを裏切るイスカリオテのユダも含まれています。
このことは、神の働きが人間の完全さによって成り立つのではないことを教えています。
イエスは完成された人を選んだのではなく、変えられていく人々を選ばれたのです。
民衆の必要に応えられる主
十二使徒を選ばれた後、イエスは弟子たちとともに山を下り、多くの群衆に向き合われます。
そこには、
- ユダヤ各地の人々
- エルサレムから来た人々
- ツロやシドンの人々
が集まっていました。
人々は教えを聞くためだけでなく、
- 病を癒していただくため
- 悪霊から解放されるため
にやって来ました。
そして、
イエスから力が出て、すべての人を癒した
と記されています。
十二使徒の任命は、弟子たちのためだけの出来事ではありませんでした。
神の国の働きをさらに広げ、多くの人々に救いを届けるためだったのです。
この箇所が私たちに語ること
現代の私たちは、能力や経験によって人を評価しがちです。
しかしイエスが選ばれた十二人を見ると、共通しているのは優秀さではなく、
イエスに従うよう招かれた人々
だということです。
神は完璧な人だけを用いられるのではありません。
神に従おうとする人を用い、成長させながら働きを委ねられます。
また、イエスご自身が重要な決断の前に祈られたように、私たちも人生の選択において神の導きを求めることの大切さを学びます。
この箇所の中心メッセージ
イエスは祈りの中で十二使徒を選び、神の国の働きを託された。
選ばれたのは特別なエリートではなく、主に従うよう招かれた人々であった。
神は不完全な人々を用いて、ご自身の救いの計画を進められる。
「イエスは弟子たちを呼び寄せ、その中から十二人を選び、彼らを使徒と名づけられた。」(ルカ6:13)

