へブル7章 メルキゼデクに似た祭司(7:1-28)

背景

① へブル書の中心部

へブル5章で著者は、イエスが

「メルキゼデクの位に等しい大祭司」

であると語りました。

そして6章では成熟への勧めと希望について語った後、7章で再びメルキゼデクの話題に戻ります。

② ユダヤ人信徒の疑問

ユダヤ人にとって祭司といえばアロンの子孫でした。

しかしイエスはユダ族の出身であり、アロン家ではありません。

そこで著者は、キリストの祭司職がアロン系ではなく、さらに優れたメルキゼデクの系統であることを説明します。

③ 「より優れた祭司職」

この章は、

  • アロンの祭司職
  • メルキゼデクの祭司職
  • キリストの祭司職

を比較しながら進みます。

④ 本章の中心テーマ

へブル7章の主題は、

「イエス・キリストはアロンの祭司職を超える永遠の大祭司である」

ということです。


1. メルキゼデクとは誰か(7:1-10)

① サレムの王

メルキゼデクは創世記14章に登場する人物です。

② 祭司であり王

彼は

  • いと高き神の祭司
  • サレムの王

でした。

③ アブラハムを祝福した

戦いから戻ったアブラハムを祝福しました。

④ 十分の一を受けた

アブラハムは彼に十分の一をささげました。

⑤ 義の王

メルキゼデクという名は

「義の王」

を意味します。

⑥ 平和の王

サレムの王は

「平和の王」

を意味します。

⑦ キリストの型

彼はキリストを指し示す象徴的な人物です。

⑧ アブラハムより偉大

祝福する者は祝福される者より偉大です。

⑨ レビ系祭司職より上位

レビ族はアブラハムの子孫であるため、

アブラハムより偉大なメルキゼデクはレビ系祭司職よりも上位にあります。

⑩ キリストへの予表

神は旧約の時代からキリストの祭司職を示しておられました。


2. 新しい祭司職の必要性(7:11-19)

① レビ系祭司職の限界

もし旧約の祭司制度で完全な救いが得られるなら、

新しい祭司は必要ありませんでした。

② 別の祭司の登場

詩篇110篇は新しい祭司の到来を預言していました。

③ 祭司職の変更

祭司職が変われば律法も変わります。

④ ユダ族からの祭司

イエスは祭司を出さないユダ族から来られました。

⑤ 肉的系図によらない祭司

キリストの祭司職は家系によるものではありません。

⑥ 永遠の命の力

主は復活による永遠の命によって祭司となられました。

⑦ より良い希望

キリストによって私たちは神に近づくことができます。

旧約制度は不完全でしたが、キリストは完全な救いをもたらされました。


3. 永遠の大祭司キリスト(7:20-28)

① 神の誓いによる祭司

キリストの祭司職は神の誓いによって確立されています。

② より良い契約の保証人

主は新しい契約の保証人です。

③ 永遠に生きておられる

旧約の祭司たちは死によって交代しました。

④ 絶えない執り成し

キリストは今も私たちのために執り成しておられます。

⑤ 完全に救うことがおできになる

主によって神に近づく者を完全に救われます。

⑥ 罪のない祭司

キリストは

  • 聖く
  • 悪から離れ
  • 汚れなく

完全なお方です。

⑦ 一度限りの犠牲

ご自身を献げて救いを完成されました。

⑧ 永遠に完成された祭司

キリストの祭司職は永遠に続きます。


神学的意味

① キリストは永遠の大祭司です

主の祭司職は決して終わりません。

② キリストは王であり祭司です

メルキゼデクのように、王と祭司の務めを一つに持つお方です。

③ 救いは完全です

キリストは救いを完成されました。

④ 執り成しは今も続いています

主は今も父なる神の前で私たちのために取り成しておられます。

⑤ 新しい契約は優れています

旧約の祭儀は影でした。

実体はキリストです。

⑥ 神への道が開かれました

キリストによって大胆に神へ近づくことができます。

⑦ キリストとの関係

キリストは、

  • 永遠の大祭司
  • 義の王
  • 平和の王
  • 新しい契約の保証人
  • 完全な救い主

です。

へブル7章は、キリストが旧約の祭司制度を完成する永遠の大祭司であり、完全な救いを与えるお方であることを教えています。


この箇所が私たちに語ること

① キリストだけで十分

旧約の祭司たちは何度も犠牲を献げ続けなければなりませんでした。

しかしキリストは一度限りの犠牲によって救いを完成されました。

私たちは他の仲介者を必要としません。

② 主は今も取り成しておられる

へブル7章の大きな慰めは、

「いつも生きていて、彼らのために執り成しておられる」

という言葉です。

私たちが弱る時も、主は天で取り成してくださっています。

③ 神に近づくことができる

イエスによって神への道は開かれました。

恐れではなく信頼をもって神のもとへ行くことができます。

④ 完全な救いに安心する

私たちはしばしば、自分の信仰の弱さを見て不安になります。

しかし救いの土台は私たちではなく、永遠の大祭司キリストです。

⑤ キリストは変わらない

地上の指導者は変わり、時代も変わります。

しかしキリストの祭司職は永遠です。

そのため私たちの希望も揺るぎません。

⑥ 平和と義の王に従う

メルキゼデクが「義の王」「平和の王」であったように、キリストこそ真の義と平和を与えるお方です。

⑦ 主に信頼して生きる

へブル7章は、

「あなたの救いは永遠の大祭司キリストによって守られている」

という力強い励ましを与えています。


この章の中心メッセージ

イエス・キリストはメルキゼデクの位に従う永遠の大祭司であり、旧約の祭司制度を完成されました。

主は今も生きて私たちのために執り成しておられ、神に近づく者を完全に救うことがおできになります。

へブル7章は、キリストこそ完全で永遠の救い主であり、私たちの希望の土台であることを教えています。

「したがってイエスは、ご自分によって神に近づく人々を、完全に救うことがおできになります。キリストはいつも生きていて、彼らのために執り成しておられるからです。」(へブル7:25)