第三ヨハネ1章 真理に生きる信仰(1:1-14)
背景
① ヨハネの個人的な手紙
第三ヨハネは、新約聖書の中で最も短い手紙の一つです。
第二ヨハネが教会全体に向けられていたのに対し、この手紙はガイオという一人の信徒に宛てられています。
② 教会内の問題
当時の教会には、
- 忠実に奉仕する人々
- 福音のために働く巡回伝道者たち
- 教会を支配しようとする人々
が存在していました。
③ 三人の人物
本書には特に、
- ガイオ
- ディオトレフェス
- デメテリオ
という三人が登場します。
彼らを通して、神が喜ばれる生き方と避けるべき生き方が示されています。
④ 本章の中心テーマ
第三ヨハネの主題は、
「真理のうちを歩み、善に倣い、神の働きを支えなさい」
ということです。
1. ガイオへの励まし(1:1-8)
① 愛するガイオへ
ヨハネは深い愛を込めてガイオに語りかけます。
② 魂の繁栄
有名な祈りが語られます。
「あなたのたましいが幸いを得ているように、あなたがすべての点で幸いを得、また健康であるように祈ります。」
③ 真理に歩む喜び
ヨハネはガイオが真理の中を歩んでいることを喜びます。
④ 最大の喜び
「私の子どもたちが真理のうちを歩んでいる」
ことが最大の喜びであると語ります。
⑤ 忠実な奉仕
ガイオは巡回する働き人たちを助けていました。
⑥ 旅人を迎える愛
知らない人々にも愛をもって接していました。
⑦ 神の働きへの支援
福音宣教のために働く人々を支えることは重要な奉仕です。
⑧ 真理の同労者
そのような支援をする者は、
「真理のための同労者」
となります。
2. ディオトレフェスへの警告(1:9-10)
① 首位を求める者
ディオトレフェスは教会で第一人者になりたがっていました。
② 使徒の権威を拒否
ヨハネの勧告を受け入れませんでした。
③ 悪意ある言葉
使徒たちを中傷していました。
④ もてなしを妨害
巡回伝道者たちを受け入れようとしませんでした。
⑤ 他者への圧力
受け入れようとする人々まで妨げました。
⑥ 教会から追放する
自分に従わない人々を排除していました。
⑦ 誤った指導者
権力欲による支配の危険が示されています。
ディオトレフェスは、真理よりも自分を中心にした人物でした。
3. デメテリオの良い証し(1:11-12)
① 悪ではなく善に倣う
ヨハネは明確に勧めます。
「悪ではなく善を見習いなさい。」
② 神に属する者
善を行う者は神から出ています。
③ 良い評判
デメテリオは多くの人々から良い証しを受けていました。
④ 真理による証言
真理そのものが彼について良い証言をしています。
⑤ 模範的な信徒
彼は忠実な信仰者として知られていました。
⑥ 生き方の重要性
真理は人格と行動に現れます。
⑦ 見習うべき模範
ヨハネはデメテリオを模範として紹介します。
4. 顔と顔を合わせる交わり(1:13-14)
① 書き尽くさないヨハネ
伝えたいことは多くありました。
② 直接会いたい願い
手紙だけでは十分ではありませんでした。
③ 顔と顔を合わせる交わり
直接の交わりを望んでいます。
④ 平安の祈り
信徒たちへの平安を祈ります。
⑤ 友情の交わり
仲間たちからのあいさつが送られます。
⑥ 教会の温かさ
信仰共同体の愛が表れています。
⑦ 喜びの結び
手紙は平和と交わりの中で終わります。
神学的意味
① 真理は生き方に現れる
真理を知ることと、真理を生きることは切り離せません。
② 福音の働きは共同の働きである
神の働き人を支えることも伝道の一部です。
③ 高慢は教会を傷つける
ディオトレフェスは自己中心的な指導の危険を示しています。
④ 善に倣うことが求められる
信徒は良い模範を見て学ぶべきです。
⑤ 教会は交わりの共同体である
信仰は孤立した歩みではありません。
⑥ 真理のための同労者となる
福音の働きに参与することは神の喜びです。
⑦ キリストとの関係
キリストは、
- 真理の主
- 教会の頭
- 良い牧者
- 善の模範
です。
この箇所が私たちに語ること
① 真理の中を歩むことを喜ぶ
ヨハネにとって最大の喜びは、人々が真理の中を歩むことでした。
私たちも成功以上に、神への忠実さを大切にしたいものです。
② 神の働きを支える
すべての人が前に立つ働きをするわけではありません。
しかし祈りや支援によって、福音の働きに参加することができます。
③ 権力欲に注意する
ディオトレフェスの問題は高慢でした。
教会の奉仕は支配ではなく仕えることです。
④ 良い模範に学ぶ
私たちは自然に周囲の影響を受けます。
だからこそ神に喜ばれる模範に倣うことが大切です。
⑤ 善を選び続ける
ヨハネは、
「善を見習いなさい」
と勧めています。
信仰は日々の選択の積み重ねです。
⑥ 教会の交わりを大切にする
顔と顔を合わせる交わりは神の大切な賜物です。
⑦ 真理に生きる
第三ヨハネ全体は、
「真理を知るだけでなく、真理を生きなさい」
と語っています。
この章の中心メッセージ
信徒は真理のうちを歩み、神の働きを支え、善に倣って生きるよう召されています。
また、高慢や自己中心を避け、教会の交わりと福音の働きのために仕えることが求められています。
第三ヨハネ1章は、「真理を知るだけでなく、真理に生きる信仰者となりなさい」と教えています。
「私の子どもたちが真理のうちを歩んでいることを聞くことほど、私にとって大きな喜びはありません。」(第三ヨハネ1:4)

