創世記24章 イサクの結婚

イサクの嫁探し

歳をとって老人になったアブラハムの心残りは、息子のための嫁探しでした。
アブラハムはそのために、信頼できるしもべであるエリエゼルを遣わします。

エリエゼルは、子どもが生まれなかったら財産を受けるはずだった人ですね。
彼が、いかに忠実にイサクの嫁探しをしたかということを考えると、本当に良いしもべだったのだと思います。

イサクの妻を探すにあたり、アブラハムは二つの条件を出します。

第一に、カナン人の中からではなく、アブラハムの故郷に行って親族の中から妻を見つけると言うこと。
第二に、イサクが妻の住む土地へ移住するのではなく、妻となる女性を必ずカナンに連れて帰るということでした。

同じ神さまを信じる親族から妻を見つけ、しかも故郷を離れてカナンの地にまでついて来る人となると、条件はかなり難しいですね。
でも、それはアブラハムには妥協することのできない大切な条件でした。

エリエゼルの素晴らしさは、その忠実さもさることながら、アブラハムから学んだ彼の信仰です。
イサクの嫁を探すにあたり、彼はこのように祈りました。

創世記 24:11 彼は夕暮れ時、水を汲む女たちが出て来るころ、町の外の井戸のそばにらくだを伏させた。
24:12 そうして言った。「私の主人アブラハムの神、【主】よ。どうか今日、私のために取り計らい、私の主人アブラハムに恵みを施してください。
24:13 ご覧ください。私は泉のそばに立っています。この町の人々の娘たちが、水を汲みに出て来るでしょう。
24:14 私が娘に、『どうか、あなたの水がめを傾けて、私に飲ませてください』と言い、その娘が、『お飲みください。あなたのらくだにも水を飲ませましょう』と言ったなら、その娘こそ、あなたが、あなたのしもべイサクのために定めておられた人です。このことで、あなたが私の主人に恵みを施されたことを、私が知ることができますように。」

こんな条件を満たすことができる女性なんて、一体どこにいるでしょうか?
しかし、神さまの計画であれば必ず与えられます。
そして、アブラハムの子孫はイサクからさらにその後の世代に繋がり、やがては国民となっていくと神さまが約束されたのですから、イサクの嫁は必ず存在するのです。
彼にとっての課題は、「妻となる人がいるかどうか」ではなく、「見つけられるかどうか」だったのです。
間違った人を連れて行かないためにも、その条件はかなり絞り込まれたのでした。

リベカとの出会い

エリエゼルは、ハランの地に向かいます。
そこにはアブラハムの叔父の一族が住んでいました。

ロトの父であるハランは、そこで分かれたと創世記11章の中に書かれています。
その土地の名であるハランは、恐らくそのアブラハムの叔父ハランから来た名前なのでしょうね。

エリエゼルはそこで、まさに条件に合った女性と出会います。

創世記 24:17 しもべは彼女の方に走って行って、言った。「どうか、あなたの水がめから、水を少し飲ませてください。」
24:18 すると彼女は、「どうぞ、お飲みください。ご主人様」と言って、すばやくその手に水がめを取り降ろし、彼に飲ませた。
24:19 水を飲ませ終わると、彼女は、「あなたのらくだにも、飲み終わるまで、水を汲みましょう」と言った。
24:20 彼女は急いで水がめの水を水ぶねにあけ、水を汲みに、再び井戸まで走って行き、すべてのらくだのために水を汲んだ。

ラクダは、一度に80リットルの水を飲むのだそうです。
そしてこの時このしもべが連れていたラクダは10頭。
単純に考えても800リットルの水を汲み上げるために、リべカは井戸から何回水をくみ上げなければならなかったのでしょうか。

この女性の名前はリベカと言いました。
そして彼女はアブラハムの兄ナホルの孫でした。
そのことを知った時エリエゼルは、彼女こそ神様が示してくださったイサクの妻であることを確信したのです。
神さまはこのふたりを、常識ではありえないタイミングで出会わせたのでした。

神さまは、私達が祈るからその結果、行動を起こして願いを叶えてくれるのではありません。
僕たちの祈りをきくずっと前から僕たちが何を求めているかをご存知で、それを備えてくださっているのです。

イサクの結婚

イサクとリベカの出会いは、イエスさまとキリストの花嫁である教会との出会いを象徴しています。

創世記 24:63 イサクは夕暮れ近く、野に散歩に出かけた。彼が目を上げて見ると、ちょうど、らくだが近づいて来ていた。
24:64 リベカも目を上げ、イサクを見ると、らくだから降り、
24:65 しもべに尋ねた。「野を歩いて私たちを迎えに来る、あの方はどなたですか。」しもべは答えた。「あの方が私の主人です。」そこで、リベカはベールを手に取って、身をおおった。

天上で起こるイエスさまとの再会、楽しみですね。
意識してこのシーンを読むと、胸に熱いものがこみ上げてきます。

さて、こうして出会ったイサクとリベカは結婚し、子孫は紡がれていくことになります。

創世記 24:67 イサクは、その母サラの天幕にリベカを連れて行き、リベカを迎えて妻とし、彼女を愛した。イサクは、母の亡き後、慰めを得た。