創世記36章 エサウの子ら
エサウの系図ですね。
これ自体、救い主の本筋とはあまり関係がないので、それほどじっくりと読む必要はない部分です。
大切なのは、祝福は選ばれたイサクやヤコブだけでなく、イシュマエルやエサウにもちゃんと注がれているということです。
エサウがあれだけ泣いてわめいてはなんだったんだって感じですよね(笑)。
でもエサウは、もともと神さまの祝福よりも目先のスープを選んだり、悪い価値観や習慣がはびこっていたカナン人と結婚したり、イサクに気に入られようとして行動した割に、イサクとの仲が良くなかったイシュマエルの娘と結婚したり、めちゃくちゃでした(笑)。
やるべきことの反対のことばかりをしてしまい、人から嫌われる天才かなぁと思うような人たちが時々いますが、エサウもそういうタイプだったのかなぁと思います。
でも、そんなエサウのことも神さまは顧みて、その子孫が続くようにされたんですね。
それは、彼もまたアブラハムの子孫だったからです。
神さまがアブラハムにされた約束によって、彼は祝福を得たのです。
別の回にも書きましたが、エサウはエドム(赤い)と呼ばれるようになり、彼の子孫はエドム人と呼ばれるようになります。
エドム人は基本的にはイスラエルと仲が悪く、時には戦争も起こしながらイエスさまが生まれる100年前までひとつの民族として続いていました。
紀元前1世紀ころ、ハスモン朝イスラエルのヨハネ・ヒカルノス1世によってエドムは倒されてユダヤ人と同化していきます。
その時に、彼らがユダヤ教徒に改宗するために大規模な洗礼が行われました。
洗礼の習慣というのは旧約聖書には出てこないのですが、これくらいの時代から出てきた習慣だそうです。
その後、エドム人のヘロデ(ヘロデ大王)が、当時支配を広げていたローマと結託し、イスラエルがローマの支配下に入ることと引き換えに自治権と王としての権威を受け取ります。
つまりは、イスラエルを売って王としての権力を手にしたわけです。
陰謀によって権力を手にしたヘロデは、いずれ自分も陰謀に陥れられるのではないかと疑心暗鬼になり、ついには聖書に記されているように、ヘロデは幼子のイエスさまを殺そうとするわけですね。
こうしてエサウの子孫は、ずっとイスラエルを苦しめ続ける存在となるのです。
聖書がエサウの家計についてちゃんと解説しているのは、そうやって神さまの計画に後々まで関わってくることが関係しているのかもしれません。