出エジプト記10章 十の災い④

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いなご、闇の災い

この章も、他の災いと起こることは違うけれど、構造は繰り返しですね。
読んでいて、「まだ続くのか」という感じがしますが、そう感じることが大切で、そこにファラオの頑なさが表されています。
そして自分を顧みるとき、自分の中にも同じような頑なさあることに気づいたりするわけです。

十の災いの現象を科学的に考えてみる

エジプトに起こった十の災いは本当に起こりえるのかということを検証していくと、おもしろいことがわかってきます。
9までの災いに関しては、火山によって説明ができるということです。

今回は、十の災いの現象を現実的に検証してみるという方向で書いてみますね。
これが本当だとしても、全てが起こったタイミングがすごいわけで、奇跡そのものを否定することにはならないと思います。
むしろ、単なる神話的な出来事ではなく、現実味を持って感じられますね。

①川が血に染まる・・・・火山の大噴火や渇水期が長く続き高温によってナイル川に赤潮が発生、紅藻が異常繁殖、水中の酸素濃度が低下、藻がだす毒素によって魚が大量死することもある。
あるいは、地殻振動により海底の鉄分が浮上し、酸素に触れて酸化したために赤くなった。

②蛙の死・・・・オタマジャクシは魚よりも酸性に強い。魚が死んだことによってオタマジャクシの天敵がいなくなり、蛙が大繁殖。しかし、火山灰によって陸地の環境が悪化、蛙は両生類なので大量死してしまう

③ブヨの大量発生・・・・死んだ魚や蛙に寄生して大量発生

④アブ(ハエ?)大量発生・・・・ブヨなどと同様に環境が悪化すると異常繁殖する

⑤疫病・・・・環境の悪化でやはり潜在的病原体が活性化。気候不順によってかびで汚染された穀物にはかび毒が発生していた。それが家畜の大量死をまねいた。

⑥腫れ物・・・・現代のような医療体制がない中、やはり衛生環境の悪化で起こった。

⑦雹・・・・火山灰に天高く舞い上がることによって雹の粒となり降り注いだ

⑧イナゴの大量発生・・・・火山灰と雨によって湿地帯が多く出来たため大量繁殖が起きた

⑨暗闇・・・・噴火による火山灰で太陽が隠れたため。

他にも、紅海(葦の海)の水が割れたことも火山による地震が原因となる津波によって水が引いた現象だと理解することもできます。
また、イスラエルは荒野をさまよった時、火の柱、煙の柱によって神様の導きを受け、旅をしました。
これらもすべて、火山によって説明することはできます。

ちなみに、モーセがシナイ山で見た燃え尽きない柴も、地面からの火山ガスによって起こりうる現象でもあります。
もしかすると、全てがシナイ山の火山現象で起こったことなのかもしれませんね。