目次
使命とは?
神様は、目的をもって私たちを創造しました。
しかし多くの人たちは、自分の命には意味と目的がある事も知らず、ただ漫然と生きています。
また、自分の幸せ、自分の快楽、ただ長く生きていくという事のために自分自身を使っています。
そのような生き方は、多くの人々の心に虚しさを与えています。
それは、本来創られた自分の性質を活かす事ができず、本来の目的に沿った生き方をしていないからです。
私たちは、自分の命を人と神様に仕えるために使う時、生きがいを感じる事ができます。
「誰かに喜んでもらえた」という事が嬉しかった方はたくさんいらっしゃることでしょう。
しかし、喜んでもらう事に一生懸命になり過ぎて疲れたり、燃え尽きてしまう事も少なくありません。
それは、私たちが自分自身の性質と違う事で、人を喜ばせようとしているからです。
私たちには、神様から特別な<使命(ミッション)>がひとりひとりに与えられています。
使命に応じて私たちの性格や性質は形作られ、様々な能力や才能<賜物(ギフト)>が与えられています。
そうして様々な能力や才能が与えられた私たちは<キリストのからだ>として他の人々と協力しながら、人と神様に仕える働きをしていくのです。
このセッションでは、よりよく仕えていく事ができるように、私たちがどのような者として創られ、どのような使命を与えられているかという事に焦点を当てて学んでいきましょう。
使命(ミッション)
私たちすべての人に与えられている大きな使命は、次の3つに集約する事ができます。
① 神様との関係、人同士の愛の関係を回復すること
私たちは本来、神様との親密な関係に生きる者として創られ、互いに愛し合う者でもありました。
私たちが最初に創造された状態に近づくことが、私たちの重要な使命のひとつです。
② 世界を管理すること
これは、自然環境を守り、回復する事。
また、社会をより良い場所に変えていく事でもあります。
私たちが単に富を求める事ではなく、互いの幸せや、平和のために生きる社会を作っていく事も、私たちに与えられている使命です。
③ 神の国を拡大すること
福音を宣べ伝え、ひとりでも多くの人たちが神様との愛の関係を回復する手伝いをする事が、私たちに与えられている使命です。
神の国とは、神様の支配がある所です。
イエス様を主とし、私たちが神様の主権を求めるところに、神の国が広がっていきます。
賜物(ギフト)
Iコリント 12:4 さて、賜物にはいろいろの種類がありますが、御霊は同じ御霊です。
Iコリント 12:11 しかし、同一の御霊がこれらすべてのことをなさるのであって、みこころのままに、おのおのにそれぞれの賜物を分け与えてくださるのです。
自覚しているかどうかはともかくとして、一人の人には一つ以上の賜物が必ず与えられています。
そして、その能力や才能が、与えられている使命と深く関係しているのです。
神様から与えられている能力や才能全般の事を賜物と呼びます。
広い意味で考えるなら、賜物の種類は無限にあるという事もできるでしょう。
―考えてみましょうー
あなたには、どんな賜物が与えられていると思いますか?
自分にわからない場合は、家族や仲の良い友人に聞いてみるとわかる事もあります。
キリストのからだ
Ⅰコリント 12:27 あなたがたはキリストのからだであって、ひとりひとりは各器官なのです。
私たちは、キリストのからだとして創造されています。
それは、私たちがひとりで働きをするのではなく、互いにつながりを持って、その関係の中で初めて使命を果たすことができるという事でもあります。
私たちがキリストのからだとしてうまく機能するためには2つの条件があります。
- ひとりで働くのではなく、他のキリストのからだの部分とつながり、協力し合うこと。
- 周りの人と同じことをするのではなく、自分に与えられている役割を果たすこと。
私たちがキリストのからだであるという事に関して気を付けておく必要があるのは、私たちはみんな違う使命、違う賜物を持った者として創られているという事です。
使命が違い、賜物が違えば、見えてくるものも価値観も違います。
自分にとって大切だと感じる者が、ある人にとっては何でもない事になります。
自分がどうでもいいと思っている事が、ある人には重要な事かもしれないのです。
私たちが互いに協力し合うためには、この違いを理解する必要があるでしょう。
それでは私たちは、『自分がどのような者として創造され、どのような使命が与えられているか』という事を、どのようにして知る事ができるでしょうか?
私たちは自分の“個性”を知り、“能力”を知り、“霊的成熟性”を磨くことによって、自分に与えられている使命をある程度知る事ができます。
自分の個性を観察して、書き記してみましょう
A. あなたは、どんなことに喜びを感じていますか?
B. あなたは、どんな事を言われたら嬉しいですか?
C. あなたが時間を忘れるほど楽しいと感じるのは、何をしている時ですか?
D. あなたは、どんな時に悲しいですか?
E. あなたは、どんなことに怒りを感じていますか?
F. 自分にとっては当たり前のことだけど、他の人には難しく感じるような事はありますか?
G. あなたは、何に一番お金を費やしていると思いますか?
H. あなたを駆り立てているものは何ですか?
I. 世界がどうなれば、人はもっと幸せになると思いますか?
個性:個性とは、神様が私たちに与えたもので、私たちが生まれつき持っているものです。
生涯において、その本質的な所は変わる事がありません。
私たちの情熱、動機、そして傾向は、すべて個性から来るものです。
自分の個性を変えようとしたり、個性と合わない事をすれば、少なからずストレスを感じるはずです。
エレミヤ 1:5 「わたしは、あなたを胎内に形造る前から、あなたを知り、あなたが腹から出る前から、あなたを聖別し、あなたを国々への預言者と定めていた。」
神様は、私たちに与えている使命に合わせて、個性を作っています。
だから私たちに与えられている使命を考えた時、それは必ず個性の枠内に入るものだという事ができます。
自分の能力を観察し、書き記してみましょう
J. あなたには、どんな趣味がありますか?
K. あなたは、どんな仕事をしてきましたか?
L. あなたは、どんな資格を持っていますか?
M. あなたは、どんなことが得意ですか?
N.あなたには、どんな事をしている友人が多いですか?
O.あなたが今一番ほしいものは何ですか?
P.あなたがこれまでした中で、一番つらく、苦しい体験は何ですか?
Q.あなたがこれまで、一番長く続けている事は何ですか?
R.これまでの経験の中で、楽しかった事のトップ3は何ですか?
能力:能力は、学校の勉強で学んだ事や、会社での訓練など、経験から受けたものを表しています。
様々な経験が私たちを形作り、また私たちの力となっていきます。
中には、やってみたけれど自分には向かないと思うものもあるかもしれませんが、その経験も実は大切なことだったりするのです。
IIテモテ1:5 私はあなたの純粋な信仰を思い起こしています。そのような信仰は、最初あなたの祖母ロイスと、あなたの母ユニケのうちに宿ったものですが、それがあなたのうちにも宿っていることを、私は確信しています。
テモテの純真な信仰は、祖母や母に育てられたことによって培われたものだとパウロは言っています。
この環境によってテモテの能力は開花し、宣教の働きが始まったのです。
また、現時点では、神様からの使命を果たすためにすべての経験を終えたわけではないという可能性も考えておきましょう。私たちの経験は点ではなく、線としてつながりを持っていて、一見何の関係もないように見えるふたつの職歴で経験した事が、次の仕事で活かされたりします。
私たちは、まだ本当に働きに至るためのトレーニングの途中かもしれないのです。
今は見えてこない“線”が、数年後にする体験を通して繋がっていくかもしれません。
いずれにしても、今自分がしているすべての経験を、今までの経験や、これからする体験と関わるものとして認識しておきましょう。
今の状況がどれだけ苦しく、あるいはつまらないものであっても、未来の自分に必要な体験だという事が分かった時、その体験の意味は大きく変わってくるからです。
神様との関係を見直してみましょう
S. あなたは神様との間に生きた愛の関係を築くことができていますか?
できていないとしたら、どんな改善点があるでしょうか?
T. あなたが、神様のためにしたいと願う働きはどんな働きでしょうか?
霊的成熟性:霊的成熟性は、私たちの霊的な生活を表しています。別の言葉で言うと、「神様との親密な関係」です。
霊的成熟性は、個性と能力の土台となり、これを軸として御霊の実が結びます。
私たちが、神様の御心を求めるうえで、必要不可欠な要素です。
神様は、アンテオケ教会の人々が礼拝をしている中で、バルナバとパウロを宣教の働きに召しました。
使徒の働き 13:2 彼らが主を礼拝し、断食をしていると、聖霊が、「バルナバとサウロをわたしのために聖別して、わたしが召した任務につかせなさい」と言われた。
私たちのなすべき働きも、祈りと礼拝の中で表されるものなのです。
神様の召しを求める
―祈り、求めましょう―
まずは、上のAからTまでの質問に対して自分が描いた答えを眺めてみましょう。
次に、どんな御心にも従う決心をして、祈りの中で神様の声に耳を澄ませてください。
私たちは、どのようにして神様に仕え、人に仕えるべきなのでしょうか?
どの様な働き、使命に私たちを召しておられるのでしょうか?
現時点で分かったことがあったら、書き記してみましょう。