断食についての問答(マタイ 9:14–17)
「なぜ、わたしたちとパリサイ人は断食するのに、あなたの弟子たちは断食しないのですか。」
この問答は、 イエスの働きが“旧い時代”から“新しい時代”への転換点であることを示す教え として読むべき箇所です。
1. バプテスマのヨハネの弟子たちの質問
質問者はパリサイ人ではなく、ヨハネの弟子たち です。
彼らは真剣に神を求めており、断食を通して悔い改めと祈りを実践していました。 その彼らが、イエスの弟子たちが断食しないことに疑問を抱きます。
✦ 背景
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ヨハネの弟子:悔い改めを強調し、「悲しみ・嘆き・へりくだり」の象徴として断食した
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パリサイ人:宗教的義務として断食した
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イエスの弟子:断食していない
この違いは、 イエスの働きが何を意味するのか を問う重要なきっかけになります。
2. イエスの答え①:花婿のたとえ
「花婿が一緒にいるのに、花嫁の友人たちが悲しむことができるでしょうか。」
ここでイエスは、断食の問題を「結婚式」のイメージで説明します。
✦ 結婚式は喜びの時
結婚式は、
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断食する時ではなく
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喜び、祝う時 です。
イエスは自分自身を「花婿」とし、 弟子たちを「花嫁の友人」と位置づけます。
つまり、
イエスが共にいる今は“喜びの時”であり、断食の時ではない。
これは、 神の救いが今まさに始まっている という宣言です。
3. イエスの答え②:花婿が取り去られる時
「しかし、花婿が取り去られる時が来ます。その時には断食します。」
イエスは、 自分が十字架にかかる時を暗示しています。
✦ 今は喜びの時
→ イエスが共にいる
✦ やがて悲しみの時が来る
→ イエスが取り去られる(十字架)
弟子たちは、 イエスがいなくなる時に断食することになります。
つまり、 断食は「悲しみの時」にふさわしい行為 であり、 イエスが共にいる時にはふさわしくない ということです。
4. イエスの答え③:古い布と新しい布
「古い着物に新しい布切れを当てる者はいません。」
これは、 新しいものは古いものと無理に組み合わせてはならない という教えです。
✦ 新しい布は縮む
古い着物に新しい布を当てると、 新しい布が縮んで古い着物をさらに破ってしまいます。
つまり、
イエスの働きは“古い宗教的枠組み”に当てはめることができない。
断食の問題は、 単なる宗教行為の違いではなく、 新しい時代の到来による価値観の転換 を示しています。
5. イエスの答え④:新しいぶどう酒と古い皮袋
「新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れます。」
これは、 イエスの働きが「新しい時代」をもたらすことを示す最も象徴的なたとえです。
✦ 新しいぶどう酒は発酵して膨張する
古い皮袋は伸びきっており、 新しいぶどう酒の力に耐えられません。
古い皮袋に新しいぶどう酒を入れると、 皮袋は破れ、ぶどう酒も失われます。
✦ 新しいぶどう酒=イエスの働き
✦ 新しい皮袋=イエスの働きを受け入れる新しい心・新しい時代
つまり、
イエスの働きは、古い宗教的枠組みでは受け止められない。 新しい器(新しい心・新しい共同体)が必要である。
✨まとめ
マタイ9:14–17は、断食の議論を通して、 イエスがもたらした“新しい時代”の本質を説明する場面 です。
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イエスが共にいる今は「喜びの時」であり断食の時ではない
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イエスが取り去られる時には断食がふさわしい
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イエスの働きは古い宗教的枠組みに当てはめられない
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新しいぶどう酒(イエスの働き)は新しい皮袋(新しい心)に入れられるべき
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イエスは「新しい時代の到来」を宣言している
つまり、 断食の問答は、イエスが古い宗教の延長ではなく、 “まったく新しい神の働き”を始めたことを示す象徴的な教え として読むべき箇所です。

