出エジプト記39章 祭司の務め ── 主が命じられたとおりに(39:1-43)
出エジプト記39章は、祭司の衣が完成し、幕屋に関わるすべての製作が終えられる章です。
37章では聖所の備品が作られました。
38章では祭壇と外庭が完成しました。
そして39章では、大祭司アロンと祭司たちが仕えるための衣が作られ、ついに幕屋のすべての準備が整います。
この章で繰り返される言葉があります。
「主がモーセに命じられたとおり」という表現です。
神の民は、自分たちの考えではなく神のことばに従って幕屋を完成させました。
この章は、神への真の礼拝とは神のことばに従うことから始まることを教えています。
背景
出エジプト記35章で民は喜んで献げ物を持ち寄りました。
36章では幕屋の構造が造られました。
37章では契約の箱や燭台などの備品が完成しました。
38章では祭壇と外庭が作られました。
そして39章では祭司の衣が完成し、すべての製作工程が終了します。
ここまで長く続いた幕屋建設の記事は、神の命令が忠実に実行されたことを示しています。
1. 祭司の衣の完成(39:1-31)
職人たちは青色、紫色、緋色の糸を用いて祭司の衣を作ります。
まず大祭司のエポデが作られました。
肩当てにはイスラエル十二部族の名が刻まれた縞めのうが取り付けられます。
続いて胸当てが作られます。
そこには十二部族を表す十二の宝石がはめ込まれました。
大祭司は神の前で民を肩に担い、胸に抱く存在だったのです。
さらに青い上着、亜麻布の長服、かぶり物、帯などが作られました。
最後に純金の額当てが作られます。
そこには、「【主】の聖なるもの」と刻まれていました。
祭司職の本質はここにあります。
祭司は自分のためではなく、神のために取り分けられた存在だったのです。
2. 「主が命じられたとおり」(39:32-31)
この章には何度も同じ言葉が繰り返されます。
「主がモーセに命じられたとおりにした」という表現です。
これは偶然ではありません。
金の子牛の事件では、民は自分たちの考えで神を礼拝しようとしました。
しかし幕屋建設では違います。
民は神が語られたとおりに従いました。
礼拝とは人間の好みや工夫によって成り立つものではありません。
神のことばへの従順によって成り立つものなのです。
3. モーセによる確認(39:32-43)
すべての工事が終わると、職人たちは幕屋のすべてをモーセのもとへ持って来ます。
契約の箱、机、燭台、祭壇、祭司の衣など、が命じられたすべてのものです。
モーセは全体を確認します。
そして聖書はこう記します。
「彼らは主が命じられたとおりに、それを行った。」
そこでモーセは彼らを祝福します。
この祝福は成功への祝福ではありません。
神のことばに忠実であった者への祝福です。
神は従順を喜ばれるお方なのです。
この箇所が私たちに語ること
出エジプト記39章は、神への礼拝が従順から始まることを教えています。
イスラエルは自分たちの創意工夫によって幕屋を造ったのではありませんでした。
神が語られたとおりに行いました。
信仰とは、神を自分の考えに合わせることではなく、自分が神のことばに従うことなのです。
また、この章は神の働きが忠実な積み重ねによって進むことを教えています。
幕屋は一夜にして完成しませんでした。
多くの人々が、それぞれの務めを忠実に果たした結果として完成したのです。
神の働きも同じです。
目立つ働きだけではなく、一つ一つの従順が神の計画を形にしていきます。
さらに、この章は聖さの目的を教えています。
祭司の額には、「主に聖なるもの」と刻まれていました。
聖さとは特別な能力ではありません。
神に属することです。
神に属する者として生きる時、その人生は神の栄光を現すものとなるのです。
この箇所の中心メッセージ
イスラエルの民は祭司の衣を含む幕屋のすべてを完成させた。
その働きは「主が命じられたとおり」の従順によって進められた。
神はご自身のことばに忠実に従う者を喜び、その働きを祝福されるのである。
「イスラエルの子らは、主がモーセに命じられたとおりに、すべての仕事を行った。」(出エジプト記39:42)


