ヨシュア記18章 シロでの分配 ── 神が測り分けられる相続(18:1-28)
ヨシュア記18章は、相続地の分配が新たな段階に入る章です。
13章から17章までは、ユダ族やヨセフ族を中心に相続地が定められてきました。
しかし、まだ七つの部族は土地を受け取っていませんでした。
神はすでに約束の地を与えておられたにもかかわらず、彼らはその相続を十分に受け取ろうとしていなかったのです。
そこでヨシュアは民を促し、残りの土地の分配を進めます。
この章の中心は、神はすでに嗣業を備えておられるが、それを受け取るためには信仰をもって前進しなければならないということです。
背景
ヨシュア記前半では征服が中心でした。
しかし後半では相続地の分配が中心となります。
土地は神からの賜物でした。
けれども、その賜物を実際に受け取り、そこで生活を築いていく責任は各部族にありました。
18章は、与えられているのに、まだ受け取っていない状態にある部族たちの姿を描いています。
シロに幕屋が設けられる(18:1)
まず重要な出来事が記されます。
「イスラエル人の全会衆はシロに集まり、そこに会見の天幕を設置した。」
シロはこれからしばらくの間、イスラエルの礼拝の中心地となります。
ここで重要なのは、征服よりも先に礼拝の中心が確立されたことです。
イスラエルは単なる民族国家ではなく、神を礼拝する契約共同体でした。
相続地の分配も、この礼拝の中心地から行われます。
つまり神の前で土地が分け与えられるのです。
残された七部族への叱責(18:2-3)
しかしまだ七部族が土地を受け取っていませんでした。
そこでヨシュアは言います。
「いつまであなたがたは、主が与えてくださった地を受け取りに行くことを怠っているのか。」
これは厳しい問いかけです。
神が与えていないのではありません。
民が受け取ろうとしていないのです。
戦いを恐れたのかもしれません。
現状に満足していたのかもしれません。
しかし神の賜物は、信仰をもって受け取りに行かなければなりませんでした。
地を調査させる(18:4-10)
ヨシュアは各部族から代表者を選び、土地を調査させます。
彼らは全地を巡って記録を作り、それをシロへ持ち帰ります。
その後、「主の前でくじを引いた」と記されています。
土地は人間の政治的な駆け引きや力関係によって決められたのではありません。
最終的には神がそれぞれの部族に割り当てられたのです。
ここにも、相続は神から与えられる賜物であるという原則が表れています。
ベニヤミン族の相続地(18:11-28)
この章では最初にベニヤミン族の領地が記されます。
ベニヤミン族の土地は、ユダ族とヨセフ族の間に位置していました。
面積そのものは大きくありませんでしたが、非常に重要な場所でした。
その地域には、
- エリコ
- ベテル
- ギブオン
- ミツパ
などが含まれていました。
さらに興味深いことに、後にイスラエルの首都となるエルサレムも、この境界地域に位置していました。
当時はまだエブス人が住んでいましたが、後にダビデがこの町を征服することになります。
人間的には目立たない部族かもしれません。
しかし神はベニヤミン族にも重要な役割を備えておられました。
この箇所が私たちに語ること
ヨシュア記18章は、神の賜物を受け取ることの大切さを教えています。
神はすでに土地を与えておられました。
しかし部族たちは前進する必要がありました。
同じように、神は私たちにも多くの恵みや使命を与えておられます。
しかし、それを信仰によって受け取らなければ、与えられていても経験することはできません。
また、この章は信仰の停滞を警告しています。
ヨシュアの「いつまで怠っているのか」という言葉は、今日の私たちにも問いかけています。
神が招いておられる場所へ踏み出さず、現状に留まり続けてはいないでしょうか。
さらに、この章は神が一人ひとりにふさわしい嗣業を備えておられることを教えています。
ベニヤミン族は小さな部族でした。
しかし神はその部族にも大切な土地を割り当てられました。
神の賜物は他人と比べるものではありません。
神が測り分けてくださるものだからです。
この箇所の中心メッセージ
神はシロを礼拝の中心地とし、その御前で各部族に相続地を分け与えられた。
しかし民は受け取るべき嗣業を前にしてなおためらっており、ヨシュアは信仰をもって前進するよう促した。
神はご自身の民に必要なものを備えておられ、神の民はその約束を信じて受け取るよう招かれているのである。
「いつまであなたがたは、主があなたがたの先祖の神、主が与えてくださった地を所有しに行くことを怠っているのか。」(ヨシュア18:3)

