詩篇 147篇 回復を与える主 (147:1-20)
背景
① ハレルヤ詩篇の一つ
- 詩篇147篇は、詩篇146篇から150篇に続くハレルヤ詩篇の一つである。
- 「ハレルヤ」で始まり、「ハレルヤ」で終わる。
- 捕囚からの帰還後に書かれた可能性が高いと考えられている。
② 回復の神への賛美
この詩篇では、
- エルサレムの回復
- 傷ついた者の癒やし
- 被造世界の支配
- 神のことば
- 神の民への特別な恵み
が歌われている。
③ 三つの賛美への招き
この詩篇は、
- 1節
- 7節
- 12節
において新たな賛美への招きを繰り返している。
そのため大きく三部構成になっている。
④ 詩篇の主題
「主は傷ついた者を癒やし、世界を支配し、ご自身の民を回復される恵み深い神である。」
ということである。
補足:
詩篇146篇が「人ではなく神に望みを置け」と教えたなら、147篇はその神がどのようなお方であるかを具体的に賛美している。
1. 傷ついた者を癒やされる主 (147:1-6)
① 賛美は麗しい
「主をほめたたえることは良い。」
- 神を賛美することは祝福である。
- 神を礼拝することは喜びである。
- 神に栄光を帰することはふさわしい。
② エルサレムの再建
「主はエルサレムを建て。」
- 崩壊した町を回復される。
- 神の民を再び集められる。
- 捕囚からの帰還を思わせる。
③ 散らされた民を集める神
「イスラエルの追いやられた者たちを集める。」
- 神は失われた者を集められる。
- 神は離れた者を呼び戻される。
- 神は契約を忘れられない。
④ 有名な慰めの言葉
「傷ついた心の者をいやし、 彼らの傷を包む。」
- 神は心の傷をご存じである。
- 神は慰めを与えられる。
- 神は回復を与えられる。
⑤ 星を数える神
「主は星の数を数え。」
- 神の全能性。
- 神の知恵。
- 神の無限の力。
を表している。
⑥ へりくだる者への恵み
「主はへりくだる者を支え。」
- 弱い者を助けられる。
- 謙遜な者を高くされる。
- 神に頼る者を支えられる。
補足:
詩篇113篇の「低い者を高くされる神」を思わせる美しい描写である。
2. 被造世界を支配する主 (147:7-11)
① 感謝をもって歌え
「感謝しつつ主に歌え。」
- 礼拝は感謝から生まれる。
- 神の恵みへの応答である。
- 心からの賛美である。
② 雲を備えられる神
「天を雲でおおい。」
- 雨を備えられる。
- 季節を支配される。
- 自然界を統治される。
③ 草を生えさせる神
「山々に草を生えさせる。」
- 神は養い主である。
- 神は創造を維持される。
- 神は命を支えられる。
④ 動物への配慮
「獣に食物を与え。」
- 神の関心は人だけではない。
- 全被造物を顧みられる。
- 神の慈しみは広い。
⑤ 神が喜ばれるもの
「馬の力を喜ばず。」
- 軍事力ではない。
- 人間の能力ではない。
- 権力でもない。
⑥ 神を恐れる者
「主を恐れる者を主は好まれる。」
- 神への畏れ。
- 神への信頼。
- 神への従順。
を神は喜ばれる。
補足:
詩篇146篇の「人に頼るな」という教えがここでも繰り返されている。
3. ご自身の民を祝福される主 (147:12-20)
① エルサレムへの呼びかけ
「エルサレムよ、主をほめたたえよ。」
- 神の民への招き。
- 神の町への招き。
- 礼拝共同体への招き。
である。
② 城門を強くされる神
「あなたの門のかんぬきを強め。」
- 守りを与えられる。
- 安全を与えられる。
- 平和を与えられる。
③ 平和を与える神
「あなたの国境に平和を賜り。」
- 戦いを鎮められる。
- 安定を与えられる。
- シャロームを与えられる。
④ 雪と霜を送られる神
「雪を羊毛のように降らせ。」
- 自然界を支配される。
- 季節を支配される。
- 気候を支配される。
⑤ 御ことばによる支配
「そのことばを送ると。」
- 神は命じられる。
- 被造世界は従う。
- 神の権威が現れる。
⑥ 特別な恵み
「主はヤコブにみことばを告げられる。」
- 神の啓示を受けた民。
- 契約の民。
- 特別な祝福を受けた民。
である。
⑦ 他の国々との違い
「主はどの国にもこのようにはなさらなかった。」
- 神のことばが与えられた。
- 神の律法が与えられた。
- 神の契約が与えられた。
⑧ ハレルヤ
詩篇は再び、
「ハレルヤ。」
で締めくくられる。
神学的意味
① 神は回復の神である
- 散らされた者を集める。
- 傷ついた心を癒やす。
- 希望を回復される。
② 神は全能の創造主である
- 星を数えられる。
- 雲を備えられる。
- 季節を支配される。
③ 神は弱い者を支えられる
- へりくだる者を高くする。
- 苦しむ者を慰める。
- 神に頼る者を守られる。
④ 神のことばは特別な賜物である
- 神を知る道である。
- 神の導きである。
- 神との交わりの手段である。
⑤ キリストとの関係
キリストは、
- 傷ついた者を癒やす救い主
- 良い牧者
- 神のことばそのもの
として来られた。
また主イエスは、
「心の貧しい者は幸いです」
と語り、へりくだる者への神の恵みを示された。
まとめ
- 詩篇147篇は回復を与える神への賛美の詩篇である。
- 主は散らされた民を集められる。
- 傷ついた心の者を癒やされる。
- 星を数え、自然界を支配される。
- 神は力や軍事力よりも、主を恐れる者を喜ばれる。
- エルサレムに平和と安全を与えられる。
- 神のことばは特別な祝福として与えられている。
- この詩篇は、**「主は傷ついた者を癒やし、すべてを支配し、ご自身の民を回復される恵み深い神である。そのため神の民は感謝と賛美をもって主を礼拝する」**という神学的教訓を示している。

