第二コリント 6章 神の恵みを無駄にしない生き方(6:1-18)
背景
① 和解の務めの続き
5章でパウロは、
- 新しい創造
- 神との和解
- 和解の務め
について語った。
6章では、その和解を受けた者がどのように生きるべきかが語られる。
② パウロの使徒職への批判
反対者たちは、
- 苦難の多いパウロ
- 弱く見えるパウロ
- 迫害されるパウロ
を見て、
真の使徒ではないと考えていた。
しかしパウロは、むしろ苦難の中に神の働きが現れていると説明する。
③ 聖さへの招き
章の後半では、信徒が神の民として世の価値観と区別された歩みをするよう求められる。
④ 本章の中心テーマ
6章全体の主題は、「神の恵みを受けた者としてふさわしく生きなさい」ということである。
5章が「神との和解」を語る章なら、6章は「和解された者の生き方」を語る章である。
1. 神の恵みを無駄にしない(6:1-2)
① 神と共に働く者
パウロは自分たちを、神と共に働く者として描く。
② 恵みを無駄にしてはならない
信徒たちは、神の恵みを受けただけで満足してはならない。
その恵みに応答して生きることが求められる。
③ イザヤ書の引用
パウロはイザヤ49:8を引用する。
④ 今こそ救いの日
有名な宣言が語られる。「今は恵みの時、今は救いの日です。」
⑤ 応答の必要
神の招きに対して、先延ばしではなく応答することが求められる。
信仰とは将来の問題ではない。
今日の応答が求められている。
2. 真の奉仕者の姿(6:3-10)
① 非難されない奉仕
パウロは、福音の働きが妨げられないよう注意していた。
② 苦難の中の奉仕
彼は数多くの試練を経験していた。
- 患難
- 苦しみ
- 困難
- 投獄
- 騒動
などである。
③ 忍耐による証し
それでも彼は奉仕を続けた。
④ 神の力による働き
パウロの奉仕は、人間の能力ではなく、神の力によって支えられていた。
⑤ 逆説的な姿
彼は自らを、
- 悲しんでいるようでいつも喜び
- 貧しいようで多くの人を富ませ
- 何も持たないようで全てを持つ
者として描く。
⑥ 十字架の生き方
ここにはキリストに従う者の逆説的な人生が表されている。
世の基準では失敗に見える歩みの中に、神の勝利が現れることがある。
3. 心を広く開きなさい(6:11-13)
① パウロの率直な愛
パウロは、コリント教会に対して心を閉ざしていなかった。
② 広く開かれた心
彼は教会を深く愛し、率直に語っていた。
③ 問題は教会側にあった
隔たりはパウロではなく、コリント教会の側にあった。
④ 愛への応答
そこでパウロは、自分たちにも心を開いてほしいと願う。
⑤ 和解への招き
この言葉には、教会との関係回復への願いが込められている。
霊的な関係は教理だけでは築かれない。
互いに心を開くことも必要である。
4. 不釣り合いなくびきを負うな(6:14-18)
① 有名な勧告
パウロは語る。
「不信者と、つり合わないくびきを共にしてはいけません。」
② 聖さへの招き
ここでの中心は、信徒が神に属する民として生きることである。
③ 相容れないものの対比
パウロは、
- 義と不法
- 光と闇
- キリストとベリアル
を対比する。
④ 神の神殿
信徒たちは、
「生ける神の神殿」
である。
⑤ 契約の成就
神は旧約の約束を引用しながら、ご自身の民の中に住まわれることを宣言される。
⑥ 神の民としての分離
ここで語られる分離とは、世から逃避することではない。
偶像礼拝や不義への妥協を拒むことである。
⑦ 父なる神との関係
神は、
「わたしはあなたがたの父となる」
と約束される。
信徒は神の子どもとして生きるのである。
この箇所はあらゆる異教徒との関係を断てという意味ではない。
信仰を損なう妥協的な結び付きへの警告として理解すべきである。
神学的意味
① 救いは応答を求める
- 恵みを受けるだけでなく
- それに応答し
- 生き方に表す
ことが求められる。
② 真の奉仕は苦難を伴う
- 迫害
- 忍耐
- 試練
の中でも続けられる。
③ 神の力は弱さの中に現れる
- 苦難の中で
- 逆境の中で
- 土の器の中で
神は働かれる。
④ 教会には和解が必要である
- 心を開き
- 愛し合い
- 関係を回復する
ことが求められる。
⑤ 神の民は聖さへ召されている
- 世に生きるが
- 世に同化せず
- 神に属する民として歩む
のである。
⑥ 信徒は神の神殿である
- 神が住まわれ
- 神が導かれ
- 神がご自身の民とされる
のである。
⑦ キリストとの関係
キリストは、
- 和解の仲保者
- 苦難を耐えられた主
- 神の民を聖なる者とする方
- 神の子どもとして招いてくださる救い主
である。
信徒はキリストにあって神の家族となり、恵みにふさわしい歩みへと招かれている。
まとめ
- 第二コリント6章は恵みに応答する生き方を教える章である。
- 今は恵みの時、救いの日である。
- パウロは多くの苦難の中で奉仕を続けた。
- 神の力は弱さの中に現される。
- 教会には心を開いた愛の関係が求められる。
- 信徒は不義との妥協を避けるべきである。
- 教会は生ける神の神殿である。
- 神はご自身の民の中に住まわれる。
- 信徒は神の子どもとして歩むよう召されている。
「神の恵みによって救われた者は、その恵みを無駄にすることなく、苦難の中でも忠実に歩み、神に属する聖なる民として生きるべきである」

