第二コリント 7章 悔い改めが生み出す喜び(7:1-16)
背景
① 6章から続く聖さへの勧め
6章の終わりでパウロは、
- 神の神殿
- 神の民
- 神の子ども
として生きるよう勧めた。
7章冒頭はその続きとして、聖なる歩みへの招きから始まる。
② 「涙の手紙」の結果
パウロは以前、コリント教会へ非常に厳しい手紙を書いた。
それは彼自身が「多くの涙の中で」書いた手紙であった(2:4)。
その結果がどうなったのかが本章の中心となる。
③ テトスによる報告
パウロはマケドニアでテトスと再会する。
そこで、
- 教会の悔い改め
- パウロへの態度の変化
- 信仰の回復
を知らされる。
④ 和解の完成
1〜6章を通して続いてきたパウロとコリント教会の和解が、この章で大きく前進する。
第二コリント7章は、第一コリントから続いていた緊張と悲しみが、悔い改めと和解によって喜びへ変わる場面である。
1. 聖さを完成させなさい(7:1)
① 神の約束を受けている者
信徒たちは、
- 神の民
- 神の神殿
- 神の子ども
という約束を受けている。
② 身も心も清める
そのため、
- 肉の汚れ
- 霊の汚れ
から離れることが求められる。
③ 神を畏れる歩み
聖さは形式ではない。
神への畏れから生まれる。
④ 聖化の継続
パウロは「聖なる者になりなさい」だけではなく、「聖さを完成させようではありませんか」と語る。
⑤ 救いの実
聖さは救われる条件ではない。
救われた者の歩みとして現れる。
新約聖書の聖化は、一度きりの出来事ではなく、生涯を通して進む成長の過程として描かれている。
2. パウロの心の重荷(7:2-7)
① 心を開いてほしい
パウロは再び、コリント教会に向かって「私たちに心を開いてください」と願う。
② 不正をしていない
彼は、
- 誰にも害を与えず
- 誰も堕落させず
- 誰からも搾取していない
と語る。
③ 深い愛
パウロの言葉には、教会への深い愛情が表れている。
④ 苦難の中の慰め
マケドニアにおいても、彼は多くの苦しみを経験していた。
- 外には戦い
- 内には恐れ
があった。
⑤ テトスの来訪
しかし神は、テトスを通して慰めを与えられた。
⑥ 教会の回復の知らせ
コリント教会が、
- 慕う思い
- 嘆き
- 熱意
を示したと聞き、
パウロは喜びに満たされた。
神はしばしば直接ではなく、人を通して慰めを与えられる。
3. 神にかなった悲しみ(7:8-12)
① 悲しませた手紙
パウロは、以前の手紙によって彼らを悲しませたことを認める。
② 一時は後悔した
彼は一時、厳しい手紙を書いたことを後悔した。
③ しかし今は喜ぶ
なぜなら、その悲しみが悔い改めを生んだからである。
④ 二種類の悲しみ
有名な教えが語られる。
神にかなった悲しみ
- 悔い改めを生む
- 救いへ導く
- 後悔を残さない
世の悲しみ
- 絶望を生む
- 自己憐憫に終わる
- 死をもたらす
⑤ 悔い改めの実
コリント教会には、
- 熱心さ
- 弁明
- 怒り
- 恐れ
- 慕う思い
などの変化が現れた。
⑥ 真実な悔い改め
悔い改めは感情だけではない。
生き方の変化として現れる。
聖書における悔い改めとは、単に悲しくなることではなく、神への方向転換を伴う心の変化である。
4. 喜びと信頼の回復(7:13-16)
① テトスの喜び
テトス自身も、コリント教会の変化を見て励まされた。
② 従順な態度
教会は、テトスを恐れとおののきをもって迎えた。
これは神への敬意から来る従順であった。
③ パウロの誇り
パウロは以前から、コリント教会について良い期待を持っていた。
④ 期待は裏切られなかった
今回の出来事によって、パウロの期待が正しかったことが示された。
⑤ 完全な喜び
章は喜びの言葉で締めくくられる。
「私はあなたがたを全面的に信頼できることを喜んでいます。」
⑥ 和解の完成
ここに至って、パウロとコリント教会との関係は大きく回復した。
第二コリント7章は、涙から喜びへ、対立から和解への転換点となる章である。
神学的意味
① 悔い改めは救いの実である
- 罪を認め
- 神へ立ち返り
- 生き方を変える
ことが含まれる。
② 神にかなった悲しみは祝福である
- 一時的には痛みを伴う
- しかし回復へ導く
- 救いの実を生み出す
のである。
③ 真の愛は時に戒める
- 放任ではなく
- 真理を語り
- 回復を願う
愛である。
④ 教会には和解が必要である
- 赦し
- 悔い改め
- 回復
によって共同体は強められる。
⑤ 神は苦しむ者を慰められる
- 苦難の中で
- 恐れの中で
- 失望の中で
慰めを与えられる。
⑥ 真の悔い改めには実が伴う
- 態度が変わる
- 行動が変わる
- 関係が回復する
のである。
⑦ キリストとの関係
キリストは、
- 悔い改めへ導かれる主
- 罪を赦される救い主
- 和解を実現される仲保者
- 悲しみを喜びへ変えられる方
である。
信徒はキリストによって悔い改めへ導かれ、神との和解だけでなく、人との和解も経験するのである。
まとめ
- 第二コリント7章は悔い改めと和解の完成を描く章である。
- 信徒は聖さを完成させるよう招かれている。
- パウロは教会のために深く心を痛めていた。
- テトスの報告は大きな慰めとなった。
- 神にかなった悲しみは悔い改めを生み出す。
- 世の悲しみは死をもたらす。
- 真の悔い改めには具体的な実が伴う。
- 教会とパウロとの関係は回復した。
- 神は苦しみの中で慰めを与えてくださる。
「神にかなった悲しみは悔い改めと回復を生み出し、キリストにある赦しと和解は、悲しみを喜びへと変える」

