第二コリント 8章 恵みによる献金の模範(8:1-24)
背景
① 和解から献金のテーマへ
1〜7章でパウロは、
- 使徒職の弁明
- コリント教会との和解
- 悔い改めと回復
について語った。
8章から9章では、エルサレム教会のための献金という実践的なテーマが扱われる。
② エルサレム教会の困窮
当時エルサレムの信徒たちは、
- 飢饉
- 迫害
- 経済的困難
によって苦しい状況に置かれていた。
パウロは諸教会に協力を呼びかけていた。
③ 異邦人教会とユダヤ人教会の一致
この献金は単なる慈善活動ではない。
- ユダヤ人信徒
- 異邦人信徒
がキリストにあって一つであることを示す働きであった。
④ 恵みとしての献金
パウロは献金を義務や税金のようには扱わない。
むしろ、神の恵みに対する応答として説明している。
8〜9章は新約聖書における献金と管理(スチュワードシップ)の最も重要な教えの一つである。
1. マケドニア教会の模範(8:1-5)
① 神の恵みによる献金
パウロはまず、マケドニア諸教会の模範を紹介する。
② 苦難の中の喜び
彼らは、
- 大きな試練
- 激しい苦難
- 経済的貧しさ
の中にあった。
③ 溢れる献げもの
それにもかかわらず、豊かな喜びによって惜しみなく献げた。
④ 自発的な献身
誰かに強制されたのではない。
彼ら自身が進んで参加を願い出た。
⑤ まず主に献げた
最も重要な言葉が語られる。
「まず主に自分自身を献げました。」
献金の本質は金額ではない。
自分自身を神へ献げることである。
献金は財産の問題ではなく礼拝の問題。
心が神に献げられているかが重要である。
2. コリント教会への勧め(8:6-15)
① 始めたことを完成させる
コリント教会は以前から献金を約束していた。
パウロは、その働きを完成させるよう勧める。
② 恵みにおいても成長しなさい
彼らは、
- 信仰
- 知識
- 熱心さ
において豊かであった。
同様に、献げる恵みにも成長するべきであった。
③ 命令ではない
パウロは強制しない。
彼は心からの愛を期待している。
④ キリストの模範
有名な御言葉が語られる。
「主イエス・キリストの恵みを知っています。」
⑤ 豊かであられた方が貧しくなられた
キリストは、天の栄光を捨てて来られた。
⑥ 私たちを富ませるため
その犠牲によって、私たちは霊的な富を受けた。
⑦ 平等の原則
献金の目的は、ある人を苦しめ、別の人を楽にすることではない。
宗教組織の運営や、建物の管理のためのものでもない。
互いに助け合うことである。
パウロは共産主義・社会主義的平等を教えていない。
必要に応じて互いに支え合う愛の原則を教えている。
3. 献金管理の誠実さ(8:16-24)
① テトスの派遣
パウロは、テトスをコリントへ遣わす。
② 同じ熱意
テトスもまた、教会のために熱心に仕える者であった。
③ 複数人による管理
献金には他の兄弟たちも同行した。
④ 疑いを避けるため
パウロは、金銭の取り扱いが疑われないよう配慮した。
⑤ 神の前と人の前
有名な原則が示される。
「主の前だけでなく、人々の前でも正しいことを心がけています。」
⑥ 教会の証し
金銭管理もまた、信仰の証しの一部なのである。
⑦ 愛の証明
最後にパウロは、献金を通して愛を実際に示すよう求める。
霊的な働きほど透明性が必要である。
誠実な管理は福音の信頼性を守ることにつながる。
神学的意味
① 献金は恵みから生まれる
- 義務からではなく
- 愛から生まれ
- 恵みへの応答である
② 真の献身は自分自身を献げることである
- お金だけでなく
- 時間も
- 人生も
神へ献げるのである。
③ キリストは献身の最高の模範である
- 豊かでありながら
- 貧しくなられ
- 救いを与えてくださった
方である。
④ 教会は互いに支え合う共同体である
- 一つの体として
- 必要を分かち合い
- 愛を実践する
よう召されている。
⑤ 愛は実際の行動に現れる
- 言葉だけでなく
- 行動によって
- 献身によって
示される。
⑥ 金銭管理にも誠実さが求められる
- 透明性
- 説明責任
- 清い管理
が必要である。
⑦ キリストとの関係
キリストは、
- 恵みの源
- 献身の完全な模範
- ご自身を献げられた救い主
- 教会を一つにされる主
である。
信徒はキリストの恵みに応答し、喜んで与える者として生きるよう招かれている。
まとめ
- 第二コリント8章は恵みによる献金について教える章である。
- マケドニア教会は貧しさの中でも喜んで献げた。
- 献金の本質はまず自分自身を主に献げることである。
- パウロはコリント教会に約束した献金を完成するよう勧める。
- キリストは献身の最高の模範である。
- 教会は互いの必要を支え合う共同体である。
- 愛は具体的な行動によって示される。
- 金銭管理には透明性と誠実さが必要である。
- 献金は恵みへの応答として行われるべきである。
「キリストの恵みを受けた信徒は、自分自身をまず主に献げ、喜びと愛をもって他者に仕え、与えることによって神の恵みを現すべきである」

