マルコ16:15-20 世界宣教の使命
※マルコ16:9-20は、多くの聖書学者によって後代に付け加えられた結びと考えられています。
しかし古くから教会で読まれてきた本文であり、多くの聖書に収録されています。
そのためここでは聖書本文に従って解説します。
全世界への派遣(16:15)
復活されたイエスは弟子たちに命じられます。
「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい。」
これまで弟子たちは主に従う者として歩んできました。
しかしここからは、派遣される者として歩むよう命じられます。
福音はイスラエルだけのものではありません。
すべての民族、すべての人々へ届けられるべきものなのです。
信仰と救い(16:16)
続いてイエスは言われます。
「信じてバプテスマを受ける者は救われます。」
救いの中心は、キリストを信じる信仰にあります。
バプテスマは、その信仰を公に表すしるしです。
一方、
「信じない者は罪に定められます。」
とも語られます。
福音はすべての人へ差し出されていますが、その招きに対する応答が求められているのです。
福音と共に現れるしるし(16:17-18)
イエスは信じる者たちに伴うしるしについて語られます。
- 悪霊を追い出す
- 新しいことばを語る
- 病人が癒される
などが挙げられています。
使徒の働きを見ると、実際に初代教会においてそのようなしるしが見られました。
しかしこの箇所の中心は奇跡そのものではありません。
主が弟子たちと共に働かれ、福音の真実を証しされることにあります。
天へ上げられる主(16:19)
使命を与えた後、
「主イエスは天に上げられ、神の右の座に着かれた。」
と記されています。
これはイエスの働きが終わったことを意味しません。
むしろ主は今や王として支配しておられます。
十字架で死なれた方は、復活し、天に上げられ、栄光の座に着かれたのです。
福音の広がり(16:20)
弟子たちは出て行き、至る所で福音を宣べ伝えました。
そして、
「主は彼らとともに働き、みことばを確かなものとされた。」
とあります。
ここがマルコ福音書の美しい結論です。
福音宣教は人間だけの働きではありません。
弟子たちが語る時、主ご自身も共に働いておられました。
その働きは、使徒時代だけで終わるものではありません。
復活された主は今もご自身の民と共に働いておられるのです。
マルコ福音書全体の結び
マルコ福音書は、
「神の子イエス・キリストの福音」(マルコ1:1)
という宣言から始まりました。
そして最後には、
- 十字架の死
- 復活
- 世界宣教
- 昇天
へと至ります。
弟子たちは失敗し、不信仰を示しました。
しかし復活の主は彼らを回復し、世界へ遣わされました。
福音の働きは人間の強さによってではなく、生きておられるキリストによって進められるのです。
この箇所が私たちに語ること
復活の主は、弟子たちを安全な場所に留めてはおかれませんでした。
世界へ送り出されました。
私たちもまた、福音を受け取るだけでなく、それを伝える者として招かれています。
そしてその使命は、自分の力だけで果たすものではありません。
主ご自身が共に働き、支えてくださるからです。
復活されたキリストは今も生きておられ、ご自身の福音を世界中に広げておられるのです。
この箇所の中心メッセージ
復活されたイエスは弟子たちを全世界へ遣わし、福音を宣べ伝える使命を与えられた。
そして天に上げられた後も、主は弟子たちと共に働き続けられた。
福音宣教は人間の働きではなく、生きておられるキリストがご自身の民を通して進めておられる使命なのである。
「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい。」(マルコ16:15)

