エペソ3章 福音の奥義(3:1-21)

背景

① エペソ書前半の締めくくり

エペソ1〜2章では、

  • 神の救いの計画
  • 恵みによる救い
  • ユダヤ人と異邦人の一致

が語られました。

3章では、その救いの計画がどのように明らかにされたのかが説明されます。

② 奥義という言葉

本章で繰り返される「奥義」とは、神が隠しておられた救いの計画が、今や明らかにされたことを意味します。

③ 異邦人への福音

特に、異邦人も神の約束にあずかるという事実が強調されます。

④ 本章の中心テーマ

エペソ3章の主題は、「異邦人もキリストにあって神の民とされるという福音の奥義が明らかにされた」ということです。

また後半では、信徒がキリストの愛の豊かさを知るためのパウロの祈りが記されています。

1. 異邦人のためのパウロの務め(3:1-6)

① キリストの囚人

パウロは自らを、

「キリスト・イエスの囚人」

と呼びます。

彼はローマの囚人である以上に、キリストのしもべとして仕えていました。

② 神から与えられた務め

パウロには、異邦人に福音を伝える特別な使命が与えられていました。

③ 奥義の啓示

神はご自身の奥義をパウロに示されました。

④ 以前は知られていなかった

この計画は旧約時代には完全には明らかにされていませんでした。

⑤ 今や示された

しかし今は使徒たちと預言者たちに示されています。

⑥ 奥義の内容

その奥義とは、異邦人も共に相続人となり、同じ体に属し、同じ約束にあずかるということです。

福音は特定の民族だけのものではなく、すべての人のために用意された神の救いでした。

2. パウロに委ねられた使命(3:7-13)

① 恵みによる奉仕者

パウロは自分を、福音の奉仕者と呼びます。

② 自分を最も小さな者と考える

彼は自らを、「聖徒たちのうちで最も小さい者」と表現しています。

③ キリストの豊かさを伝える

彼の使命は、キリストの計り知れない豊かさを異邦人に伝えることでした。

④ 神の計画を明らかにする

長い間隠されていた神のご計画が、今や明らかにされています。

⑤ 教会を通して現される知恵

神は教会を通して、ご自身の知恵を現しておられます。

⑥ 永遠の計画

これは神が永遠の昔から持っておられたご計画でした。

⑦ 恐れずに近づく

信仰を持つ者はキリストによって、大胆に神に近づくことができます。

パウロは自分の苦難を誇るのではなく、その苦難さえ神の計画の一部として受け止めていました。

3. キリストの愛を知るための祈り(3:14-19)

① ひざまずく祈り

パウロは父なる神の前にひざまずいて祈ります。

② 内なる人の強め

信者が御霊によって内なる人を強められるよう願います。

③ キリストが心に住まう

信仰によって、キリストが心の内に住んでくださるよう祈ります。

④ 愛に根ざす

信徒が愛に根ざし、愛に基礎を置くことを願います。

⑤ キリストの愛の大きさ

その愛は、

  • 広さ
  • 長さ
  • 高さ
  • 深さ

において計り知れないものです。

⑥ 愛を知る

人知を超えたキリストの愛を知ることが祈られています。

⑦ 神の満ち満ちたさに至る

信徒が神の豊かさで満たされることが目的です。

信仰生活の中心は知識の増加ではなく、キリストの愛を深く知ることです。

4. 神への頌栄(3:20-21)

① 神の力

神は私たちの内に働く力によって、私たちの願いや思いをはるかに超えて働くことがおできになります。

② 想像を超える神

神の力は人間の限界を超えています。

③ 教会の栄光

教会を通して神の栄光が現されます。

④ キリストにある栄光

栄光はキリストによって現されます。

⑤ 永遠の賛美

その栄光は世々限りなく続きます。

⑥ アーメン

パウロは賛美によって前半部分を締めくくります。

教理の学びは最終的に礼拝と賛美へ導かれるべきものです。

神学的意味

① 福音はすべての人のためです

  • ユダヤ人だけでなく
  • 異邦人にも
  • 同じ救いが与えられます

神の救いは全世界に開かれています。

② 教会は神の計画の中心です

  • 神の知恵を現し
  • 福音を証しし
  • 神の栄光を示します

教会は神の重要な働きの場です。

③ キリストの愛は計り知れません

  • 広く
  • 深く
  • 高く
  • 長い愛です

信徒はその愛の中に生かされています。

④ 神は私たちを内側から変えられます

  • 御霊によって
  • 内なる人を強め
  • 成長させてくださいます

真の変化は内側から始まります。

⑤ 神の力は限りありません

  • 願いを超え
  • 理解を超え
  • 豊かに働かれます

神には不可能なことがありません。

⑥ すべては神の栄光のためです

  • 救いも
  • 教会も
  • 信仰生活も

神の栄光を現すためにあります。

⑦ キリストとの関係

キリストは、

  • 福音の中心であるお方
  • すべての人の救い主
  • 教会のかしら
  • 計り知れない愛を注いでくださるお方

です。

エペソ3章は、異邦人にも及ぶ神の壮大な救いの計画を示し、その計画の中心に教会とキリストの愛があることを教えています。

この箇所が私たちに語ること

① 神の救いの計画は私たちの想像を超えている

神は旧約時代には明らかにされていなかった救いのご計画を、キリストにあって現されました。

私たちは目の前の出来事しか見えませんが、神ははるかに大きな視点で働いておられるのである。

② 福音はすべての人に開かれている

異邦人も神の約束にあずかることができるという事実は、当時の人々にとって驚くべきことでした。

神の救いは民族や立場によって制限されるものではありません。

神は今も、あらゆる人をキリストのもとへ招いておられるのである。

③ 神は教会を通してご自身の栄光を現される

パウロは、神の知恵が教会を通して示されると語っています。

教会は単なる宗教組織ではありません。

神は欠けだらけの私たちを用いて、ご自身の栄光を現そうとしておられるのである。

④ 苦難の中にも神の目的がある

パウロは囚人となっていましたが、自分を敗北者とは考えませんでした。

神から与えられた使命の中にいることを知っていたからです。

私たちも試練の中で、「なぜこんなことが起きるのか」だけではなく、「神は何をなさろうとしておられるのか」を求めるべきである。

⑤ キリストの愛をもっと深く知る必要がある

パウロが最も願ったのは、信徒たちの知識が増えることではありませんでした。

キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さを知ることでした。

信仰の成長とは、多くの情報を得ること以上に、キリストの愛を深く知ることなのである。

⑥ 神は私たちの想像以上に働かれる

私たちは祈る時、つい自分の考えられる範囲で神の働きを期待してしまいます。

しかし神は、

「私たちが願うところ、思うところのすべてをはるかに超えて」

働くことのできるお方です。

だから私たちは、神の力と可能性を信頼して歩むべきなのである。

⑦ 学びのゴールは礼拝である

エペソ3章は神学的説明で終わらず、神への賛美で終わります。

聖書の学びは知識を得るためだけではありません。

神の偉大さを知り、神を礼拝するために与えられているのである。

この章の中心メッセージ

神は異邦人をも含めた救いの計画をキリストにあって明らかにしてくださいました。

教会は神の知恵と栄光を現すために建てられており、信徒はキリストの計り知れない愛を知るよう招かれています。

エペソ3章は、福音の奥義の素晴らしさと、神の力によって満たされる信仰生活を教えています。

「どうか、キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解する力を持つようになり、人知をはるかに超えたキリストの愛を知ることができますように。」(エペソ3:18-19)