テトス1章 健全な教会の土台(1:1-16)
背景
① クレタ島の教会への牧会
テトスはパウロの信頼する同労者であり、クレタ島に残されて諸教会を整える働きを任されていました。
しかしクレタの教会には、偽教師たちの問題や未整備な部分が多く残されていました。
② 教会を整える使命
パウロはテトスに、
- 長老を任命すること
- 偽りの教えに対処すること
を命じます。
③ 健全な教えと健全な生活
テトス書全体を通して強調されるのは、教理と生活の一致です。
正しい教えは正しい生き方を生み出します。
④ 本章の中心テーマ
テトス1章の主題は、「健全な教会は、健全な指導者と健全な教えの上に建てられる」ということです。
1. テトスへの使命(1:1-4)
① パウロの使徒職
パウロは神のしもべ、イエス・キリストの使徒として手紙を書いています。
② 信仰と真理
神の選ばれた者たちの信仰と真理のために奉仕しています。
③ 永遠のいのちの希望
救いは神が永遠の昔から約束しておられたものです。
④ テトスへの挨拶
テトスを「共通の信仰による真実の子」と呼んでいます。
福音は神の約束の成就です。
2. 長老を任命する(1:5-9)
① クレタに残した目的
教会に不足しているものを整えるためでした。
② 長老の任命
各町に長老を立てるよう命じています。
③ 非難されるところがない
指導者には信頼できる人格が必要です。
④ 家庭での忠実さ
家庭を治める姿勢も重要な基準です。
⑤ 自制と敬虔
傲慢さや怒りっぽさではなく、成熟した人格が求められます。
⑥ 健全な教えを守る
真理に堅く立つことが必要です。
⑦ 誤りを正す力
正しい教えを勧めるだけでなく、誤りを指摘する責任もあります。
教会の土台には敬虔な指導者が必要です。
3. 偽教師への対処(1:10-16)
① 服従しない人々
教会には混乱をもたらす人々がいました。
② 空しい議論
特にユダヤ主義的な教師たちが問題となっていました。
③ 家庭を混乱させる教え
彼らは利益のために誤った教えを語っていました。
④ クレタ人の問題
パウロは当時の社会に見られた道徳的問題に触れます。
「クレタ人はいつも噓つき、悪い獣、怠け者の大食漢。」
は、クレタ人の詩人エピメニデスの詩からの引用です。
⑤ 厳しく戒める
信徒たちが健全な信仰に立つためです。
⑥ 外見だけの宗教
彼らは神を知っていると言いながら、行いによって神を否定していました。
⑦ 信仰と生活の一致
本物の信仰は生活の中に現れます。
健全な教えは健全な行いを伴います。
神学的意味
① 教会には秩序が必要です
神は教会を無秩序のまま放置されません。
健全な指導のもとで群れを建て上げられます。
② 指導者の人格は重要です
能力以上に、人格と信仰の成熟が求められています。
③ 真理を守る責任があります
教会は福音を守り、誤りに対処する使命を持っています。
④ 健全な教えは健全な生活を生みます
教理と実践は切り離せません。
⑤ 外面的な宗教だけでは不十分です
神は口先ではなく生き方をご覧になります。
⑥ 教会は真理の共同体です
福音は教会の中心であり続けなければなりません。
⑦ キリストとの関係
キリストは、
- 教会の主
- 救い主
- 真理の中心
- 群れの牧者
です。
テトス1章は、健全な教会が健全な指導者と健全な教えの上に建てられることを教えています。
この箇所が私たちに語ること
① 信仰は生活に現れる
テトス1章では、正しい教えと正しい生き方が切り離されていません。
私たちの信仰も、日曜日だけではなく日々の生活の中に表れていく必要があります。
② 神は人格を重んじておられる
長老の資格として語られているのは、多くが人格に関することです。
神は何ができるか以上に、どのような人であるかをご覧になります。
③ 家庭は信仰の実践の場
家庭での忠実さが重視されていることは、信仰が最も身近な場所で試されることを教えています。
家庭での歩みも神に仕える大切な働きです。
④ 真理を大切に守る
私たちの時代にも様々な考え方があります。
だからこそ神のことばに立ち、福音の中心から離れないことが必要です。
⑤ 誤りに流されない
もっともらしく聞こえる教えであっても、キリストから目を離させるなら注意が必要です。
健全な信仰は常に聖書を基準とします。
⑥ 神を知ると言うだけでは足りない
本当に神を知っているなら、その信仰は行動として現れます。
信仰と生活が一致しているかを絶えず点検することが大切です。
⑦ 教会を建て上げる責任を担う
教会は牧師や長老だけによって支えられているのではありません。
一人ひとりが真理に立ち、互いを励ましながら神の家を建て上げるよう招かれています。
この章の中心メッセージ
健全な教会は、敬虔な指導者と健全な教えの上に建てられます。
また、正しい教理は正しい生活として実を結び、信仰は行いによって証しされるべきです。
テトス1章は、教会が真理に立ち、福音にふさわしい生き方を実践することの大切さを教えています。
「彼らは神を知っていると口では言いますが、行いでは神を否定しています。」(テトス1:16)

