ローマ15章 一致と宣教の使命(15:1-33)
背景
① ローマ14章からの続き
ローマ14章でパウロは、
- 信仰の自由
- 良心への配慮
- 互いを裁かないこと
について教えました。
15章はその続きとして、信徒同士の一致と愛についてさらに深く語っています。
② 教会の一致への願い
ローマ教会には、
- ユダヤ人信徒
- 異邦人信徒
が共に集っていました。
そのため文化や習慣の違いを越えて、一つの教会として歩む必要がありました。
③ パウロの宣教使命
本章後半では、パウロ自身の宣教の働きについて語られます。
特に異邦人への宣教が神から与えられた使命であることが強調されます。
④ 本章の中心テーマ
ローマ15章の主題は、「キリストに倣って互いを受け入れ、一致のうちに福音宣教の使命を果たしなさい」ということです。
ローマ15章は、教会内部の一致と世界への宣教という二つの重要なテーマを結び付けている章です。
1. 互いを建て上げなさい(15:1-6)
① 強い者の責任
信仰の強い者は、弱い者の弱さを担うべきです。
② 自分を喜ばせない
信徒は自分の利益だけを追い求めるのではありません。
③ 隣人の益を求める
相手の成長と徳を高めるために行動します。
④ キリストの模範
キリストご自身も、ご自分を喜ばせるためには生きられませんでした。
⑤ 聖書の励まし
旧約聖書は、私たちに希望を与えるために記されました。
⑥ 一致の祈り
パウロは、信徒たちが心を一つにして神を礼拝できるよう祈ります。
真の成熟とは、自分の自由を主張することではなく、他者を建て上げるために用いることです。
2. キリストはすべての人の救い主です(15:7-13)
① 互いを受け入れる
パウロは語ります。
「キリストがあなたがたを受け入れてくださったように、あなたがたも互いに受け入れなさい。」
② キリストとユダヤ人
キリストは神の真実を示すため、ユダヤ人に仕える者となりました。
③ 異邦人への憐れみ
同時に、異邦人も神をあがめるようになりました。
④ 旧約の証言
パウロは複数の旧約聖書を引用し、異邦人の救いが神の計画であったことを示します。
⑤ エッサイの根
キリストは、異邦人の希望となるお方です。
⑥ 希望の神
章の前半は祝福の祈りで締めくくられます。
「希望の神が、信仰によるあらゆる喜びと平和とをもって、あなたがたを満たしてくださいますように。」
教会の一致の土台は、人間的な共通点ではなく、キリストによる救いです。
3. パウロの異邦人宣教(15:14-21)
① ローマ信徒への信頼
パウロはローマ教会の成熟を認めています。
② 手紙を書いた理由
しかし福音の真理を再確認するために書き送りました。
③ 与えられた恵み
パウロは、異邦人への使徒として召されていました。
④ 祭司的奉仕
彼は福音宣教を、神へのささげ物を献げる祭司の務めになぞらえています。
⑤ キリストの働き
その成果は自分の力ではなく、キリストの働きによるものでした。
⑥ 広範囲な宣教
パウロはエルサレムからイルリコに至るまで福音を宣べ伝えました。
⑦ 未伝道地への情熱
彼は、まだキリストの名が知られていない地域へ行くことを願っていました。
パウロの情熱は、すでに福音がある場所ではなく、まだ福音を聞いたことのない人々へ向けられていました。
4. 今後の計画と祈りの要請(15:22-33)
① ローマ訪問の願い
パウロは長年、ローマを訪問したいと願っていました。
② スペインへの計画
彼は将来スペインへ宣教に行く計画を持っていました。
③ エルサレムへの奉仕
まずエルサレムへ献金を届ける必要がありました。
④ 異邦人教会の献金
異邦人教会は、エルサレムの貧しい信徒たちのために支援を集めていました。
⑤ 霊的負債
異邦人信徒はユダヤ人信徒から霊的祝福を受けたため、物質的な助けを与えることは当然だとパウロは考えていました。
⑥ 執り成しの依頼
パウロはローマの信徒たちに、自分のために祈ってほしいと願います。
⑦ 平和の神の祝福
章は祝祷によって締めくくられます。
「平和の神が、あなたがたすべてとともにいてくださいますように。」
偉大な使徒パウロであっても、自分一人で働くのではなく、教会の祈りに支えられることを求めていました。
神学的意味
① 教会の一致は重要です
- 背景が違っても
- 考え方が違っても
- キリストにあって一つです
一致は福音の力を証しします。
② キリストは受容の模範です
- 私たちを受け入れ
- 赦し
- 神との関係へ導いてくださいました
信徒も互いを受け入れるよう召されています。
③ 聖書は希望を与えます
- 励ましを与え
- 忍耐を教え
- 希望へ導きます
神のことばは信徒を支えます。
④ 宣教は教会の使命です
- 福音を伝え
- 人々を救いへ導き
- 神の栄光を現します
宣教は教会の本質的な使命です。
⑤ 神の救いは全世界に及びます
- ユダヤ人にも
- 異邦人にも
- すべての民族にも
福音は開かれています。
⑥ 祈りは宣教を支えます
- 働き人を支え
- 教会を支え
- 神の御業に参加します
祈りは福音宣教の重要な働きです。
⑦ キリストとの関係
キリストは、
- 教会を一つにされるお方
- 異邦人の希望
- 福音宣教の中心
- 世界の救い主
です。
ローマ15章は、信徒がキリストにあって一致し、その一致の中で世界へ福音を伝える使命を担っていることを教えています。
この箇所が私たちに語ること
① 一致は神から与えられた賜物
教会の一致は、人間の努力だけによって生み出されるものではありません。
キリストが十字架によって私たちを一つにしてくださったからこそ、一致が存在しています。
私たちは自分の考えや好みを優先するのではなく、その一致を大切に守るよう招かれています。
② 強い者は弱い者を支える
パウロは、自分を喜ばせることではなく、隣人を建て上げることを勧めています。
信仰的に成熟するとは、自分の自由を主張することではなく、他者を支え励ますことができるようになることです。
③ キリストは受け入れることの模範
キリストは完全なお方でありながら、罪人であった私たちを受け入れてくださいました。
その恵みを受けた者として、私たちも互いを受け入れることが求められています。
教会の一致は、キリストの受容の愛の上に築かれるのです。
④ 聖書は希望を与える
パウロは、聖書が忍耐と励ましを与えるために書かれたと語っています。
試練や困難の中にある時こそ、神のことばに立ち返る必要があります。
神のことばは、私たちを希望へと導いてくださいます。
⑤ 福音はまだ届いていない人々のためにもある
パウロは、すでに福音が伝えられた場所だけでなく、まだキリストを知らない人々のところへ行くことを願いました。
私たちもまた、自分たちだけが恵みを楽しむのではなく、福音を分かち合う使命を託されています。
⑥ 宣教は教会全体の働き
パウロは宣教のために祈りを求めました。
福音の働きは、語る人だけでなく、
- 祈る人
- 支える人
- 励ます人
の協力によって進められます。
すべての信徒は福音の働きの協力者なのです。
⑦ 神の栄光が最終目的
ローマ書全体を通して語られてきた救いも、教会も、宣教も、すべては神の栄光のためにあります。
私たちの働きや成果が注目されることではなく、神の名があがめられることが最も大切なのです。
この章の中心メッセージ
信徒はキリストに倣って互いを受け入れ、一致のうちに歩むよう召されています。
また教会は福音を全世界へ届けるという宣教の使命を与えられています。
ローマ15章は、教会の一致と世界宣教が神の救済計画の中で密接に結び付いていることを示しています。
「キリストが神の栄光のためにあなたがたを受け入れてくださったように、あなたがたも互いに受け入れなさい。」(ローマ15:7)

