2022-09-16 / 最終更新日時 : 2022-09-06 crossroads 【小説】紀元1世紀の教会を訪れる 紀元1世紀の教会を訪れる(14) 外は真っ暗だった。 街の道路は、よほどの機会でない限りは点灯しないので、それ以外の時に道路を通行することは簡単ではない。 月が満ちて高い位置にあるなら別だろうが。 二人の奴隷たちはすぐ前にいるはずだが、声は聞こえても見る […]
2022-09-16 / 最終更新日時 : 2022-09-16 crossroads 【小説】紀元1世紀の教会を訪れる 紀元1世紀の教会を訪れる(訳者あとがき) 使徒の働き(使徒行伝)の時代、教会とは建物のことでなければ、宗教組織のことでもありませんでした。 聖書に記されているように、キリストをかしらとする人々が有機的に繋がった、ひとつの体として機能とする人々そのものを表わしてい […]
2022-09-15 / 最終更新日時 : 2022-09-06 crossroads 【小説】紀元1世紀の教会を訪れる 紀元1世紀の教会を訪れる(13) 機織り職人の妻が話し始めた。 「ここに座ってアキラさんの話に耳を傾けながら考えていたのですが、神さまは私に何かを伝えるようにと願っておられるように感じました。まずはここにいるみ皆さんに、そして、ある特定の人のためにです。 […]
2022-09-14 / 最終更新日時 : 2022-09-06 crossroads 【小説】紀元1世紀の教会を訪れる 紀元1世紀の教会を訪れる(12) わずかにできた間を縫って、プリスカは立ち上がり、ランプに火を灯した。 もう外はすっかり暗くなり、部屋の向こうにいるお互いの姿はほとんど見えない。 そうして彼女が火を灯している間に、ハーマスはユダヤの聖なる書物から話を始め […]
2022-09-13 / 最終更新日時 : 2022-09-06 crossroads 【小説】紀元1世紀の教会を訪れる 紀元1世紀の教会を訪れる(11) 全員が着席し、リュシアスがゲームを片付けると、アキラは頭を少し下げて、彼の神の霊にこれから起こることすべてを導いてくれるよう頼んだ。 前と同じように、仰々しさはななく、淡々とした口調で。 少し間を置くと、彼は、子どもたち […]
2022-09-12 / 最終更新日時 : 2022-09-06 crossroads 【小説】紀元1世紀の教会を訪れる 紀元1世紀の教会を訪れる(10) このときリュシアスが、アキラの合図でテーブルにあるカップを補充し始めたので、私たちの話しは中断されてしまった。 フェリクスは別のテーブルで同じようにワインを注いでいる。 アキラは自分のカップを両手でつかむと、このように言 […]
2022-09-11 / 最終更新日時 : 2022-09-06 crossroads 【小説】紀元1世紀の教会を訪れる 紀元1世紀の教会を訪れる(9) 休憩時間になると、フィロロギウスは、長女がこの集まりのためにささやかな献げものを用意したので、これからそれを披露したいと告げた。 夕食の時にこういう芸の披露がされるのはよくあることなので、私もこの申し出に驚くようなことは […]
2022-09-10 / 最終更新日時 : 2022-09-06 crossroads 【小説】紀元1世紀の教会を訪れる 紀元1世紀の教会を訪れる(8) 「さあ、リュシアスくん。君が話そうとしていた話題に戻ろうじゃないか。」アキラが言った。 その奴隷は答えた「少し言いにくいことなのですが…、アリストブルスさまに関係のあることなのです。ですが、皆さんにそのことを話しなさいと […]
2022-09-09 / 最終更新日時 : 2022-09-06 crossroads 【小説】紀元1世紀の教会を訪れる 紀元一世紀の教会を訪れる(7) アリストブルスは、みんなが食べ始めて沈黙が起こった隙を見て、リュシアスが今夜のうちに皆に話しておきたいことがある、と言った。 アキラは、彼が望むならすぐにそれを進めてもいいと、手で促した。 彼がそうしようとしたちょうどそ […]
2022-09-08 / 最終更新日時 : 2022-09-06 crossroads 【小説】紀元1世紀の教会を訪れる 紀元一世紀の教会を訪れる(6) 少し食事をした後、アキラは老夫人の方を向き、彼女に質問をした。 「マリアさん、暑い日が続きますが、いかがお過ごしですか? この時期にしてはずいぶん暑いですが…」 クレメンスは彼女についてこのように説明した。「彼女は最近、 […]